『伊藤家の晩酌』~番外編/日本酒とアートのコラボプロジェクト「Art Nouveau(アール・ヌーヴォー)」~
2020.06.21

第45回 娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 『伊藤家の晩酌』~番外編/日本酒とアートのコラボプロジェクト「Art Nouveau(アール・ヌーヴォー)」~

弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 番外編の今夜は、新潟の3つの若手の蔵元と画家とのコラボレーションから生まれたユニークな3本。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)
伊藤 ひいな
伊藤 ひいな / 唎酒師

「東京生まれの23歳。大学入学時から割烹料理店でアルバイトをはじめ、20歳のお酒の解禁とともに日本酒にハマる。唎酒師の資格も取得し、日本酒の知識を増やすべく日々邁進中。父はHanakoをはじめ多くの雑誌で引っ張りだこの人気フォトグラファー、伊藤徹也。酒好き気質は間違いなく父親譲り!」

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今宵は番外編!“テーブルに日本酒を”をテーマに、3つの蔵元から生まれたお酒。

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新潟の若手が手がける3つの蔵元と画家・青木隆太さんがラベルを手がけた。左から、千代の光酒造「雪解け-yukidoke-」、竹田酒造店「潤い-uruoi-」、頚城酒造「実り-minori-」。すべて720ml 各2000円(税別・ひいな購入時価格)/新潟亀田わたご酒店、今田酒店
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頚城酒造「実り-minori-」
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竹田酒造店「潤い-uruoi-」
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千代の光酒造「雪解け-yukidoke-」

娘・ひいな(以下、ひいな)「今回は番外編だよ! 3本紹介するんだけど、このお酒は新潟にある3つの蔵がそれぞれ造ってるの」
父・徹也(以下、テツヤ)「あ! だから、キャップが全部違うんだ」

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こちらは頚城酒造のもの。

ひいな「そう。ね、裏のラベル見て、気づくことない?」
テツヤ「どれどれ? なんか書いてあるよ。『お酒はおいしく適量を』」
ひいな「それは、どの酒造も書いてあるから(笑)」
テツヤ「『雪解け』『潤い』『実り』って、なんか季節の情景が浮かぶ名前がついてるね」
ひいな「ね。ほら、いつもは純米吟醸とかあらばしりとか、だいたいこういう味がするんじゃないかって飲む前から予想してるけど……」
テツヤ「あ! 何も書いていない」
ひいな「そう。このラベルには、純米酒とかそういう情報が一切書かれてないの」
テツヤ「確かに、米って書いてあるだけだ」
ひいな「必要以上の文字を書かないようにしてるらしくて」
テツヤ「おしゃれだよな。ラベルも」
ひいな「そう。抽象画家の青木隆太さんが描いてるんだって。ラベルもちょっと不思議な質感でしょ?」
テツヤ「へぇ〜。ほんとだ。テクスチャー、めっちゃいいじゃん」

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ひいな「触ってみると、不思議な感じ。日本酒のラベルで、こういうのってあんまりなくない?」
テツヤ「これは撮っとかないと!」
ひいな「かっこいいよね」
テツヤ「これはひとつのシリーズなの?」
ひいな「『Art Nouveau(アール・ヌーヴォー)』っていうシリーズで3本あるの。一般家庭の食卓に一升瓶ってなかなか馴染まないから、大きさは四合瓶にして、テーブルに置くと食卓が少し華やぐようなイメージのラベルで、無駄な文字を極力省いて、デザイン性を重視したんだって」
テツヤ「確かにこのボトル、テーブルにあったらステキだよな」
ひいな「本当に。家で食べるのは和食だけじゃないもんね」
テツヤ「飲み終わった後、このボトルに水とか入れておきたい」
ひいな「ちなみにスペックはすべて非公開だから、酒造好適米もわからないんだよ」
テツヤ「すべては謎なんだな」
ひいな「どうしてもお酒を買う時、いろいろな情報とか先入観で買いがちだから……」
テツヤ「そうだね。それはあんまりよくないねぇ」
ひいな「なんか偉そう(笑)。このお酒は、そういう先入観なしで選びたい」
テツヤ「このネーミングもいいね。『実り』っていうテーマで醸してるっていうこと?」
ひいな「いや、この名前はラベルのイメージなんじゃないかな」
テツヤ「あ、青木隆太のイメージか」
ひいな「なんか馴れ馴れしい(笑)」
テツヤ「もうさ、早く飲もうよ。味が気になる!」
ひいな「そうだね、飲もうか。実はこの中の1本は、お父さんもすでに飲んだことのある酒造のお酒なの」
テツヤ「え、そうなの?」
ひいな「しかも、『伊藤家の晩酌』で紹介したことのある酒造だよ」
テツヤ「どこだろう?」
ひいな「頚城酒造の『越路の紅梅』
テツヤ「あぁ、飲んだね」
ひいな「この3本の共通点としてはね、どれも微発泡なの」
テツヤ「最高だね。この季節、微発泡いいよね。飲む順番はどうする?」
ひいな「特に決めてなくて。感じるままに行っちゃおう!」
テツヤ「OK!」
ひいな「まず『雪解け』から」

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テツヤ「あぁ〜」
ひいな「おいしい?」
テツヤ「おいしい。意外と濃い感じ」
ひいな「濃い系だね」
テツヤ「白ワインぽい?」
ひいな「ちょっと重めの白ワインって感じかな。熟したメロンっぽい感じもする」
テツヤ「そりゃ、高級だな」
ひいな「間違った! 熟したメロンは食べたことないからバナナかな(笑)」
テツヤ「あぁ、言われてみるとそうだな。台湾バナナじゃない?」
ひいな「何、台湾バナナって?」
テツヤ「えぇ!?」
ひいな「バナナといえばフィリンピンとかエクアドルだよね?」
テツヤ「えぇ? 台湾バナナ食べたことないの?」
ひいな「えぇ? 知らない。どんなバナナ?」
テツヤ「台湾バナナ、うまかったよね? みんな知らないの? うそだー」(ライター注:編集者、ライターともに食べたことのない世代です)
ひいな「ジェネレーションギャップがすごすぎる(笑)」
テツヤ「バナナ香とかメロン香とかってよく表現に使うけど、想像してるバナナが違うっていうね(笑)」
ひいな「今まで違ってたんだ……。衝撃事実発覚(笑)」

日本酒を擬人化しがちな父・テツヤ。けれど、その表現が的確でわかりやすい。

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テツヤ「2本目、いこうか」
ひいな「『潤い』ね」
テツヤ「あぁ〜、飲む順番、最初にこれだったんじゃない?」
ひいな「あぁ〜、酸味で丸くなってる感じだね」
テツヤ「好きなタイプはこれだな〜」
ひいな「これは竹田酒造店で、『かたふね』っていうお酒を出してるところ」

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テツヤ「もう少しキンキンにして飲みたいね」
ひいな「いいね、絶対おいしいね」
テツヤ「3本目は『実り』」
ひいな「これが『越路の紅梅』を出してる頚城酒造のものだよ」
テツヤ「おぉ〜! こりゃうまいね。これが一番バランス取れてるかも。優等生な感じだね。なんか勉強もできて、運動もできて、女の子にもモテる感じ。しかも顔もよくって無敵な感じ」
ひいな「あぁ、ほんとだ!」
テツヤ「ある意味、物足りなさを感じる人もいるだろうね」
ひいな「そうだね。まとまりすぎてるというか」
テツヤ「うん。競馬で言うと“テンよし、中よし、終いよし”って言うんだけどさ」
ひいな「うん、わかんない(笑)」
テツヤ「スタートも良くて、道中もよくって、最後もちゃんと伸びてくるいい馬のことなんだよな。あれ、俺コメントうまくなった?(笑)」
ひいな「もう一度『雪解け』を飲むと、味わいが個性的だね。甘さが際立ってる感じ」

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テツヤ「台湾バナナだよな」
ひいな「そう(笑)」
テツヤ「なんかね、『実り』の後に『雪解け』を飲むと、なんかいい奴っていうか、中からにじみ出てくる良さがあるね。表面的な味わいじゃなく」
ひいな「あ、ほんと?」
テツヤ「その個性がいいなと思った」
ひいな「あぁ、確かに。なんか勉強はできないけど、陸上8種目とかうまそうじゃない?」
テツヤ「こいつは不器用だけど、つきあってるうちにすごくいい奴っていう感じかな」
テツヤ「『潤い』はね、万人受けはするんだけど、いざという時に頼りないタイプだよな」
ひいな「わかる、わかる(笑)」
テツヤ「『実り』が、一番新潟っぽいかな。何でも合う感じ。漬物でもお刺身でも何でも任せとけ!みたいなキリッとさ。残りの2本はちょっとおしゃべりな感じ」
ひいな「わかる(笑)。情報量が多い感じ」
テツヤ「でもやっぱり『雪解け』いいな。飲めば飲むほど、その良さがわかってくるな。一本芯がある」
ひいな「うんうん。でも、私は『潤い』の最初に口に入ってきた時の酸味の感じが好きだよ」

飲むなら、ぜひ3本飲み比べを! 三者三様の違いを味わって。

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ひいな「3本飲むなら、緑(『潤い』)、白(『雪解け』)、赤(『実り』)の順がオススメかな」
テツヤ「普段の新潟の酒のイメージと違っておもしろかった!」
ひいな「そうかもね。このプロジェクトは新潟にある3つの蔵と、画家の青木さん、新潟にある〈わたご酒店〉の寺田さんと、東京・新川にある〈今田商店〉の今田さんの6人がコラボして始めたプロジェクトなんだって」
テツヤ「そうなんだ。っていうことは買えるところが決まってるの?」
ひいな「〈わたご酒店〉と〈今田酒店〉で買えるし、通販もやってるよ」
テツヤ「いや〜、三者三様だったね」
ひいな「日本酒飲もう!って、この3本がテーブルに並んだら、ステキじゃない?」
テツヤ「イタリアンとかに合いそうだよね」
ひいな「うん、すごくいいね」
テツヤ「でも、ちゃぶ台でもいいよな(笑)」

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ひいな「伊藤家ではちゃぶ台に合わせました(笑)。これは3本セットで買えるんだって」
テツヤ「お! 飲み比べができるんだね」
ひいな「1本2000円かな」
テツヤ「贈り物にいいんじゃない?」
ひいな「ね。すごくいいと思う」
テツヤ「でもうちは贈り物は5000円までって決めてるんで……」
ひいな「(笑)」
テツヤ「お酒の造り方も内緒っていうことは、それぞれの蔵がどういうふうに造ってるかどうかもわからないんだよね?」
ひいな「この3本のお酒は、ラベルと、16度っていう度数と、微発泡、純米っていうのが共通なだけだからね。それ以上はわからない」
テツヤ「おもしろいな」
ひいな「“テーブルに日本酒を”をコンセプトに各蔵が答えを出した1本なんだよね」
テツヤ「各蔵の味と個性が、それぞれ出てたな」
ひいな「なんと新酒鑑評会で、このうちの2本の蔵が賞を取ってるんだって」
テツヤ「そりゃ、すごいね」
ひいな「それぞれ歴史のある蔵なんだけど、若い蔵元だから、新しい取り組みにも意欲的で」
テツヤ「代替わりの時期なんだろうなぁ」
ひいな「〈わたご酒店〉の寺田さんもお若い方で、廃業寸前の酒販店を生き返らせたんだって。みんなで食卓に合う酒を造ろうと、若い力が結集したんだね」
テツヤ「そういう動き、いいよな。若い力、応援したい!」
ひいな「ね。私も実はこの3つの蔵の方たちとインスタライブすることになったの!」
テツヤ「すごいな、ひいな!」
ひいな「6月26日(金)から三夜連続で蔵の方とお話しするので、みんなインスタライブ見てね!」

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【ひいなのつぶやき】
お酒は、“頭”で飲むのではなく、“五感”で飲むことで、よりおいしくなることがわかりました!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中。6月26日(金)から3夜連続で3蔵とのインスタライブも配信予定!

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