言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第32回~ LEARN 2020.08.14

ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。今回は、自分の中で今、断言できるというあることについて!

「思わぬ意識改革」

 パーソナルジム。響きだけでハードルが高い。私なんかがトレーニングを見てもらうなんて、とてもとても恐れ多いと思っていた。ある程度トレーニングをやってきた人がより自分を追い込むために行くような上級者向けのイメージがあったし、出来ないことばかりの私は呆れられてしまうんじゃないか、と怖気づいていた。でも、色んな種類の運動を試して全部続かなかった私にもう残された道はない。恐る恐る門を叩いてみたところ、そんな不安はすぐに解消された。むしろそこで出会ったトレーナーさん達に、体作りはもちろんのこと、メンタル面に関しても、良い刺激をもらうことになった。これは思わぬ、素敵な誤算であった。

 最初のカウンセリングで、「私、とにかく運動神経が鈍くて、昔から苦手意識があって…」と伝えると、「トレーニングに運動神経は必要ないんです。反射神経も必要ありません。必要なのは、根気です。地道に続けることです。前回の自分を越えられるように努力することです。それがわずかでも、成長していることに変わりはないです」と言う。
 この考え方は新鮮だった。私にとって運動するということは、いつも能力の問題で、他の誰かと比べて出来る、出来ない、上手い、下手、と勝手に自分が人よりも劣っていると判断して、負け試合はやりたくないと逃げていた。でもこの考え方に立つと、誰かと比べるのではなく、努力した分の自分の成長を楽しむものなのだ、と気づく。よくよく考えてみたら、楽器の練習では同じように出来ないところからコツコツと努力することをやってきたはずなのに、運動だけはなぜか最初から見込みがない、と諦めてしまっていた。いきなり意識改革が起こった私。マンツーマンで見てもらえるということもあって、出来ないことを恥ずかしく思うことよりも、それが自分の伸びしろだと前向きに思うことが出来た。

 出来ないことも地道に続けていると、意外にも身体は応えてくれる。出来なかったことが出来るようになることって、こんなに充実感を与えてくれるんだ、と気づく。かなり長い間忘れていたこの感覚。子供のころはそれが頻繁に起きていたのに、大人になると途端になくなってしまう、先週より、昨日より、ごくわずかでも成長しているという実感。10回が限界だった足上げ腹筋が12回出来るようになったり、最初は軽いウエイトだったのが少しずつ重いものもあげられるようになったり、そんな小さなことでも、分かりやすく数字に出るのも自信をくれる。仕事は成果を数字だけではなかなか測れない分、成長具合を実感することが難しいから、時に迷ったりブレたりするけれど、トレーニングは単純明快。サボれば出来なくなるし、頑張ればいつか絶対出来るようになる。なんだか筋トレにハマる気持ちも分かってきた。
 とはいえ、まだまだビギナーの私。2歩進んで3歩下がるなんてときもあるけれど、焦らず自分のペースで続けていきたいと思う。
 

次回:8月28日更新予定

photo:moron_non
photo:moron_non

【弘中のひとりごと】
映画ドラえもん「のび太の新恐竜」を4回も見てしまいました。

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