ハナコラボSDGsレポート イスラム教の友人から学ぶ、誰もが自分らしく生きる社会の実現

SUSTAINABLE 2023.06.13

ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。今回は、起業家・ヨガインストラクターとして活躍するKIKIさんが、国際平和教育NPO〈CISV〉で出会ったイスラム教の友人について紹介します。

私が11歳のときに初めて参加した、1カ月間の国際交流キャンプ。
私が11歳のときに初めて参加した、1カ月間の国際交流キャンプ。

Hanako Webのみなさんこんにちは、KIKIです。

私は10歳の頃からユネスコの外郭団体である国際平和教育NPO〈CISV〉に参加し、ボランティア活動などを行っています。「SDGs」という言葉がうまれたのは8年前ですが、その何十年も前から17の目標にあるようなアクションを起こし、より平和で公正な社会と世界をつくることを目的として活動している団体です。

言葉が話せなくても色々な国の友人と仲良くなり、ケンカも仲直りもした幼少期の経験は間違いなくいまの人生にも生きています。
言葉が話せなくても色々な国の友人と仲良くなり、ケンカも仲直りもした幼少期の経験は間違いなくいまの人生にも生きています。

CISVは世界70カ国が加盟し、70年以上も歴史のある団体。なので、私はCISVを通じた国際交流やボランティア活動を通じて世界中に友人がいます。

CISVは「Learning by doing(行動から学ぶこと)」を大切にしているため、机上で学ぶのではなく、体験や実践から学ぶことを重要視しています。私は小学生の頃からこの団体で活動しているので、異文化や異宗教、価値観や考え方、表現方法の違いなどは、教科書や資料からではなく、生身の人間(友人)に触れ、お互いを認め合い、ときにはケンカやいさかいなども通じながら、理解を深めてきました。

オフィと私。
オフィと私。

先日、3年ぶりに開催されたインドネシア・バリ島での国際会議に参加し、久しぶりに多様な人種、国籍、宗教の人たちと共同生活を行ってきました。

私のルームメイトはイスラム教の「オフィ」という同い年の女性でした。これまでも友人や同僚でイスラム教の方はいましたが、寝食を共にすることは初めてでした。1日複数回行うお祈りの習慣やお酒を飲まないことなど、イスラム教ならではのしきたりがあるので、最初は共同生活を行うことに少し不安がありました。しかし生活をしてみたらその不安は全く不要で、お互いのやり方を尊重し合う素晴らしい共同生活でした。

誰もが自分らしく生きて、それを尊重する。そんなヒントが隠されていると思いました。

1日5回のお祈り

イスラム教を信仰する人のことを「ムスリム」と言い、基本は1日5回お祈りをします。その時間は早朝、正午、午後、日没後、就寝前ですが、ざっくりではなく時間が細かく決められており、さらにいま自分がいる現在地によって時間が異なります。私のルームメイトであるオフィはジャカルタ在住なので、滞在していたバリ島では太陽が登る時間の関係で、普段のお祈り時間と少し時刻がずれるとのことで、専用のスマホアプリで時間を調べていました(ちなみに、そのタイミングでのバリ島での朝のお祈りは早朝4時56分と言っていました。起床したらお祈り用の衣装に着替え、静かにお祈りをして、またパジャマに着替えたら就寝していました)。

お祈りはメッカ(イスラム教発祥の地であり、最大の聖地)の方向に向かって行います。これまで全く気づきませんでしたが、ムスリムが多い国のホテルの部屋にはメッカの方向を示す矢印が必ずどこかに貼ってあります(場所は、天井や引き出しの中など様々)。彼女たちは、その方向に向かって毎日お祈りをします。

ちなみに、ムスリムの人が多い国や地域のショッピングモールなどの商業施設などには、必ずお祈り専用の部屋があります。最近は日本のショッピングモールでも見かけることがあります。今度、出かけた際にぜひ探してみてください!

1日5回のお祈り時間が決められているものの、例えばミーティング中や飛行機での移動中などにお祈りの時間が重なってしまうこともあります。そういうときは、ミーティングが始まる前にお祈りを行うなど、時間をずらしてもいいそうです。また、普段は床にお祈り用のマットを敷いて、床で正座のような体勢で行いますが、車の中や飛行機の中では座ったままの簡易版のお祈りを行うそう。こんな細かな私の疑問にもオフィは丁寧にひとつひとつ答えくれました。

寝室は2人部屋だったので、お祈りの時間は邪魔をしたらいけないのかな、静かにしておくべきかな…など、心配していましたが、私が仕事をしたり寝る準備をしている横で、気づかぬうちに着替えて静かにお祈りをしていて、そんな心配も無用だったことが分かりました。

「お祈りの時間だから静かにしてほしい」「邪魔しないでね」と言うこともなく、淡々とこなしているオフィの姿を見て、きっと私がどんな騒音を出したところで、お祈りの集中力が途切れるようなことはないのだろうと尊敬の念を抱きました。

また、毎日ヒジャブ(頭や髪を覆う布)にアイロンをかけているその動作はとても美しくもありました。

二人でカフェへ

オフィが宗教上の理由でお酒を飲まないことは知っていましたが、私はお酒が好きなので、事前に「もし私がオフィの目の前でお酒を飲んでいたら嫌な気持ちになるか」と確認したところ、気にならないので自由にしてほしいと言ってくれました。カフェに行った際は、私はお酒を、オフィはお茶をオーダーして楽しく乾杯をしました。

生きづらさを感じる人も

オフィとムスリムの友人たち。
オフィとムスリムの友人たち。

一方、別の場所で出会ったインドネシア人の友人がいます。彼女は出会った頃、SNSはやっていないと言っていましたが、数カ月後に「SNSを復活させた」と連絡がありました。2年間SNSをやっていなかったそうですが、その理由はヒジャブを脱ぎ、新しい生活を始めることにしたからだそうです。

ヒジャブを脱いで、自分の自由に生きたいと思ったけれど、もともと住んでいた場所では急にそのような大きな変化をすることはむずかしいので、離れた場所に住み、SNSもお休みして新しい生活を始めたそうです。

ヒジャブを脱ぐことを反対する人がいるので、住んでいた場所からもSNSからも離れざるを得なかったとのこと。彼女はいま、そういった同じような女性のためのエンパワーメントのプロジェクトを始めることにしました。

そのことを聞いて「ぜひ今回の記事に彼女の写真を掲載したり、詳しくインタビューをしたい」と伝えましたが、ムスリムの人たちに批判されるようなことがあったら嫌なのでそれはできないとのことでした。

とても穏やかで優しい人が多い

「イスラム教」と聞くと攻撃的なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、私が知っているムスリムの方々は、とても心優しく穏やかで、ピースフルなマインドを持った人たちが多いです。

実際、お祈りをすることでとても心が落ち着くとオフィは言っていました。私は宗教とは関係なく瞑想を行いますが、瞑想をすると心が落ち着くので、きっと同じような効果があるのだろうと感じます。

 

今回、事例に出したのは2人だけですので、ムスリムだけでも色々な考え方を持った人たちがたくさんいると思います。宗教や固定概念にとらわれず、自分も、自分の周りの人たちも、その周りの人たちも、みんなが自由に自分らしく生きることができる世の中になっていけたらとてもいいなと思います。

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