「新旧混じり合う銀座の街は自分を高めてくれます」 【銀座】老舗店主4人に聞いた、お気に入りアドレス。大切な人へ贈る定番手土産も。 LEARN 2020.05.31

「新旧混じり合う銀座の街は自分を高めてくれますし、一歩踏み入れた時に〝あ、大人になったな〞と思わせてくれるお店が多いです。それはオーセンティックなバーだったり、老舗の専門店など様々。都会でありながらもアットホームな場所でもあります」と語ったのは、創業年の呉服店の二代目・泉二啓太さん。物心ついた頃から銀座の街でよく遊んでいたという泉二さんの、子供らしいエピソードも。

「〈松屋銀座〉の地下入口の脇にある『銀座共同溝』は、友達とよく見に行っていました。今でも通ると思い出深い、懐かしい場所です。小学生の時は交差点などを渡らず銀座の地下道を通って帰っていたので、銀座の地下道は知り尽くしています（笑）」

〈銀座もとじ〉
女性物の織や染、大島紬の専門店をはじめ、日本初の男の着物専門店や、ギャラリーなども構える。
■東京都中央区銀座4-8-12
■03-5524-3222
■11：00〜19：00　無休

1.〈あるぷ〉
「ひらがなの看板が目印のバー。2階のクラシックな空間が広がるソファ席がお気に入りです」
■東京都中央区銀座8-7-5
■03-3571-6464
■18：00〜23：00　土日祝休
■23席／喫煙

2.〈カフェ・ド・ランブル〉
「コーヒーから甘いものまでメニュー豊富なので、気分により頼むものを決めます」
■東京都中央区銀座8-10-15
■03-3571-1551
■12：00〜21：30LO（日祝〜18：30LO）火休
■22席／喫煙

3.「ゆかたで銀ぶら」
「銀座の夏の風物詩イベントといったら、ゆかたで銀ぶら!ぜひ浴衣を着て銀座の街を歩いて楽しんでほしいです。イベントの最後に行われる、母校の泰明小学校での盆踊りも盛り上がります」。毎年8月開催。

彫刻から油絵まで、国内やアジアを中心に幅広い作品のセレクションを行う〈藤屋画廊〉。漆喰の壁と吹き抜けの天井、そして桜材フローリングにこだわるなど、洗練された空間を作り上げた店主・濱田豊さんが、銀座に降り立ったのは5年ほど前のこと。

「銀座には祖父の代からお世話になっていますが、私自身は地方在住が長かったのもあり、初めて銀座に来た時はドキドキしました。老舗が多く集まる街のイメージが強く、受け入れてくれるのか心配な面もありましたが、実際には懐の深い方が多く、歴史あるものを残しつつ新しいものもしっかり受け入れてくれる街でした。そして新しい発見ができるお店も多く、これがこの街に人を呼ぶ原動力になっていると思います」

〈藤屋画廊〉
昭和24年創業。銀座・中央通り沿いにあり、2階に上がる階段や扉もおしゃれ。
■東京都中央区銀座2-6-5 藤屋ビル 2F
■03-3564-1361
■12：00〜19：00　不定休

1.松屋銀座のビアガーデン
「“美カラダ”をテーマに毎年メニューなど工夫を凝らしていて、夏の楽しみの一つです。足を運べば必ず知り合いが飲んでいます（笑）」
■東京都中央区銀座3-6-1 松屋銀座屋上

2.〈FILMS 銀座〉
「以前からお世話になっていた美容師さんが偶然、画廊の近くで独立してお店をオープン」
■東京都中央区銀座1-8-7 VORTGINZA 6F
■03-6263-2966
■曜日により異なる　火休

3.〈空也〉
「大切な人へ贈る手土産は『空也もなか』を。“自分のことを大切にしてくれている”と、伝わるお菓子です」
■東京都中央区銀座6-7-19
■03-3571-3304
■10：00〜17：00（土〜16：00）日祝休

創業71年目を迎える老舗洋食レストラン〈銀座 みかわや〉。4年前に入社した渡仲晋平さんは、改めて銀座の素晴らしさを実感したようだ。

「小さい頃は、当時店を経営していた祖父にお小遣いをもらいに行き、帰りに〈木村家〉のうぐいすあんぱんを買って横浜の実家に帰るルーティンばかり。近寄り難い街の印象が、子供ながらにあったんです。それが今、実際に銀座で仕事を始め、この街を支えている方々と接しているうちに、昔からの個人商店が集まってここまで大きな商業地を築き上げてきてくれたことに感銘を受けました。〝世界の銀座〞といってもいいのでは。素敵な街で、そして祖父から代々続いているこの店で、働けることが誇らしいです」

〈銀座 みかわや〉
創業当時からのファンも、足繁く通う名店。
■東京都中央区銀座4-7-12 三越新館 1F
■03-3561-2006
■11：30〜20：30LO　無休
■42席（テラス8席）／室内のみ禁煙

1.〈ル・ノーブル 銀座店〉
「世界各国の高級洋食器を扱う専門店。お店で使用する皿などの製作をお願いしたこともあります」
■東京都中央区銀座1-3-1 銀座富士屋ビル 1F
■03-6228-7617
■11：00〜19：00　無休

2.〈いさみや〉
「我が子が生まれた時からお世話になっている、子供服の専門店。お気に入りは林檎型の帽子です」
■東京都中央区銀座4-6-16
■03-3563-1338
■10：00〜20：00　無休

3.〈登三松〉
「3丁目の鰻屋さんは軒先にお弁当もあり役所帰りに立ち寄ることも」
■東京都中央区銀座3-13-2 登栄東銀座ビル 1F
■03-3545-8546
■11：00〜20：30LO（土〜15：30LO）日祝休
■20席／禁煙

11歳まで銀座4丁目で育った松﨑宗平さんは、並木通り沿いのビルの路地裏は今でもお気に入りスポットのようで「ビルの間には江戸時代から伝わる宝童稲荷神社がひっそり佇んでいたりします。銀座にはたくさんの神社が残っていて、商売繁盛を祈願するとともに、大切にしたい気持ちがありますね」

一方、ニーズに合わせて少しずつ変化する銀座の街並みについても語ってくれた。「〈PLUSTOKYO〉や〈銀座ソニーパーク〉など、遊び心のあるお店や施設が2年ほど前から増えました。それが個人的にはインパクトが利いていて良いスポットだと感じていて。今では段々と街になじんできて、銀座の幅がまた広がったように思います」

〈銀座 松﨑煎餅〉
1804年創業の老舗煎餅店。ぬれせんべい専門ブランド「やわかたこい。」や、新店のオープンも控える。
■東京都中央区銀座5-6-9
■03-6264-6703
■11：00〜20：00　無休

1.〈WEWILL GINZA（ウィーウィルギンザ）〉
「大ファンの銀座発アパレルブランド。着ているスウェットもこちらのものです」
■東京都中央区銀座1-20-17 川崎ブランドデザインビルヂング 1F
■03-6264-4447
■11：30〜20：00　不定休

2.〈NAMIKI667（ナミキ）ハイアット セントリック 銀座 東京〉
「ここでいただく『トリュフポテトニョッキグラタン』は絶品です」
■東京都中央区銀座6-6-7 3F
■03-6837-1300
■Dining 7：00〜22：00、Bar＆Lounge 11：00〜24：00　無休
■180席／禁煙

3.〈銀座テラス〉
「移動中に昼食をとりたい時は地下でお弁当を買い、ここでよく食べます。銀座を一望できるテラスは居心地抜群」
■東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越 9F
■10：00〜22：00　休みは施設に準ずる

（Hanako1183号掲載／photo：Natsumi Kakuto, Chihiro Oshima text：Ami Hanashima）