小池栄子のお悩み相談室 /第8回:「歳を重ね、周りや自分の環境が変わることで、ストレス発散の方法がわからなくなりました」 (32歳・会社員) LEARN 2023.04.18

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。

――ライフステージが変われば、状況や環境も変化する。とはいえ、その都度うまく対応していかないと、悩みの原因を生み出してしまうのかも…。

本日のお悩み

最近、ストレスの発散方法がわからずモヤモヤしています。20代の頃は、仕事でストレスが溜まると、友達と飲みに行って話を聞いてもらうことで発散をしていました。しかし30代になり、それぞれライフステージも変わっていく中で、以前より友人たちに気軽に会えなくなってしまって。そうなると、仕事などで小さなストレス(モヤモヤ)が発生したときに、どう対処したらいいのかがわからなくなってしまいました。(32歳・会社員)

――誰かと会って飲んで発散する、って、20代の頃によく取る方法ですよね。

そうですね。まあ環境が変われば以前のようにいかないのは、当たり前っちゃ当たり前ですよね。この方は、誰かと会わないとダメなのかな? メールや電話で話すとか、リモート飲みとかではダメなんでしょうか。

――居酒屋などで、わーっと楽しく飲むのが好きなのかもしれませんね。

だとすれば、幸せな悩みですね。でもひとつ考えられるのは、ストレスって自分の中に向くものだから、それを別の方法で外に出してみるといいかもしれません。例えば、世話が大変ではないメダカなどの生き物を飼ってみるとか。意外といい話し相手になりますよ。観葉植物でもいいかもしれない。しんどい自分を、この植物は求めてくれているんだって思えば愛着が湧くだろうし、自分がお水をあげないと枯れちゃうから、って毎日気にかけるようになりますから。とにかく、自分以外にお世話するものを作ってみると、直接会話のやり取りができなかったとしても、気持ちが紛れる気がするんですよね。大事なのは、24時間、自分のことだけを考える状況にしないこと。

――確かにそうですね。相手は別に“人”じゃなくてもいい。

私は20代の頃、猫を飼っていました。というのも、当時は私も毎晩外で友達とご飯を食べたり飲んだりしたい人で、ものすごい寂しがりやだったから。

――そうなんですね、意外です。

たかが3日ぐらい地方に行くことになっただけで、前の晩に友達を集めてご飯食べたり、泣きながらカラオケ熱唱! みたいな(笑)。

――それはそれは…(笑)!

でも猫の世話をしたり、自分も成長していくうちにだんだんと割り切れるようになっていきました。あと、結婚したのも大きかったかもしれませんね。家庭生活に目を向けるようになり、そういう寂しさみたいなものが紛れていったんだと思います。

――この方も別の発散方法をみつけられるといいですね。

そうですね!そもそも、この方だけじゃなく、コロナ禍で同じような状況になってしまった人は多いのではないでしょうか。辛いのは自分だけじゃないと思って、もう少し気を楽に持って欲しいな。これをクリアできたら、きっとまたひとつ強い人間になれると思います。

ストレスを感じたらわーっと泣いて発散。辛くても明日は来ますから。

――ちなみに小池さんが、どうしようもなくストレスを感じたらどうしますか?

家で「悔しい!」とかぶつぶつ文句を言いながら、わーっと泣いて、あースッキリしたって感じです。とにかく、できるだけストレスを出し切ることで、だましだまし乗り越えています。

――それでも翌日残っている場合もありますよね。

正直、発散しきれない時もありますけど、でも逆に、その精神状態でよく今日の仕事をやり切った! 逃げなかっただけ偉いなって、自分を褒めたりもしています。

――なるほど。この相談者は、ストレスはその日のうちに全部発散して、また100%全力でやらなくちゃって思っているのかもしれませんね。

そんなの、なかなか難しいことですよね。だからいちいちケリをつけなくてもいいし、毎回仕事でベストパフォーマンスを見せなくてもいいと思う。私だって、今日はすごくうまくいったし、完璧だったと思った時に、演出家から「今日ちょっと力入りすぎてたよね。昨日の方がよかった」と言われたことがあって。自分がベストパフォーマンスだと思っても、周りの評価は違うものなんだと知りました。

――ダメな日は、なんとか基準点をクリアしていればいいと。

全然いいと思う。逆に、程よく力が抜けて、いつもよりいいパフォーマンスができるかもしれないですから。

Photo : Syu Yamamoto text : Aya Wakayama

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