小池栄子のお悩み相談室 /第9回:「独身・フリーランスで仕事をしている私が、家庭を持ち疎遠になり始めた友人たちと、細く長く関係を続けるには?」 (30歳・フリーランス) LEARN 2023.04.22

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました! 隔週更新でお届けします。

――お悩みの中でも比較的多い、ライフステージの変化について。誰もが経験する環境の変化や違いに、小池さんはどのように対応しているのでしょうか。

本日のお悩み

現在30歳で、フリーランスとして忙しく働いています。ちなみに独身です。学生時代の友人たちの中には、結婚し、子供を持ち…という人が着々と増えてきました。家庭のことを考えて仕事をセーブしたり、辞めるという決断をした友人もいます。自分と同じく独身で働いている友人とは比較的都合が合いやすいですが、自分と環境の違う友人とは、少しずつ疎遠になっていると感じています。でも私は、そんな友人たちとも細くても長い関係を築きたいと思っているのですが、どうやって付き合っていったらいいものでしょうか。(30歳・フリーランス)

――小池さんは、このような経験はありますか?

ありますが、疎遠になってもいいんじゃない?と割り切っています。私の場合、細くて長い関係の方がめんどうくさいと思っちゃうけどな。

――この相談者は、関係性が長い友達ほど、切ってはいけないと思っているのでしょうか。

仕事をする前から自分のことを知ってくれている学生時代の友達は、確かに他にはいない貴重な人たちだけど、それだけの理由で、全員と上手く付き合うというのは無理があると思います。本当にお互いが大切な友達と思っているなら自然といい関係が続いていくと思うし、10年ぶりに会ったとしても、すぐに当時のように戻れるのが本当の仲間だと思います。

――確かにそうですよね。

当時の話では盛り上がるかもしれないけど、今現在の自分の話って、絶対に分かち合えないですよね。人間は誰もが変わって行くものだから、それでいいんじゃないかな。

――細くて長い関係性を築きたいという理由が、この方もはっきりわかっていないのかもしれませんね。

もしかしたら不安なのかな。いろんな友人関係をうまく築いている人のほうが、大人として正しいとか、優しいとか思われるのかもしれないけど、無理に話を合わせているのは健全じゃない気がするんですよね。

――ちなみに、今は疎遠になったとしても、お互いに子育てや仕事が落ち着いてきた40代、50代になればまた、昔のように会うことはあると思いますか?

多分、自然にそういう機会も出てくると思います。

――小池さんは、環境が変わっても続いているという友達はいますか?

学生時代から仲のいい子が、1人だけいます。その子は笑いのツボが一緒だったり、趣味や考え方が似ているから、長く付き合えているんだと思います。でもたった1人だけだし、もしその子と疎遠になってしまったとしてもしょうがないと思っていて。そもそも、友人関係って頑張るものではない気がします。頑張るっていうのも、逆にリスペクトがなくて違うと思うから。

大事な友達は、健康で楽しく生きていてくれればいいんです。

――小池さんが友人関係に求めるものとは、なんでしょうか。

一緒に笑うことかな。くだらない話をして、愚痴を言い合って、ゲラゲラ笑うこと。結局、学生時代と変わらないんですけどね。あと、相手に求めることとしては、あまり期待をしないでいて欲しいってことかな。私の仕事の場合「今週もドラマ見たよ!」とか「あの人ってぶっちゃけどうなの?」とか毎回言われると、やっぱりちょっと…と思っちゃいますから。大事な友達は、健康で楽しく生きていてくれればいいんですよ。

――サッパリしていて、気持ちがいいです。昔からそうだったのでしょうか。

いや、若い頃は友達にも恋人にも、執着や依存することがありましたが、歳を重ねた今はその時期を通り越しました。30代前半ぐらいかな、考えなくてもいいことで悩んだり、不安になるのはあまりいい影響を及ぼさないと気づけましたから。

――この相談者も、もう少し人間関係をドライに考えられると楽なのかもしれませんね。

そう思うし、そもそも、悩んでいることと求めていることがちょっと矛盾している気がしますね。ライフステージが変われば、連絡が取りにくくなったり疎遠になるのは当然のこと。それでも相手に無理をさせてまで、関係を続けたいと思うのでしょうか。もしいつまでも繋がっていたいと思うぐらい大事な友達なら、相手に合わせて自分が犠牲を払うことも出てくる。なので、細く長くの関係性を続けたいなら、まずは自分が頑張ってみては。

Photo : Syu Yamamoto text : Aya Wakayama

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