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〈ハナコラボ×KAI〉本当に欲しい刃物開発プロジェクト#3 ブランディングのプロに会い〝魅力的なモノを作る〟キーポイントを聞く Learn 2021.04.23

前回は、料理編集者のツレヅレハナコさんから使いやすい刃物についてヒントを得たメンバー。
今回は、ブランディングの識者を訪ねることに。

【本日の先生】
柴田隆寛:しばた・たかひろ/編集者。『&Premium』エグゼクティブディレクターを経て多方面で“広義の編集”を行う。
【ハナコラボ】
細川芙美:ほそかわ・ふみ/フードデザイナー。ロケ弁や、おむサンドの店〈SURPRISE〉を展開。自炊は極力簡単派。
【貝印】
藤野 倫:ふじの・りん/家庭用品の商品企画担当。一人暮らしでの自炊を10年ほど経験。現在は、2人の女の子のママ。
【本日の先生】
柴田隆寛:しばた・たかひろ/編集者。『&Premium』エグゼクティブディレクターを経て多方面で“広義の編集”を行う。

【ハナコラボ】
細川芙美:ほそかわ・ふみ/フードデザイナー。ロケ弁や、おむサンドの店〈SURPRISE〉を展開。自炊は極力簡単派。

【貝印】
藤野 倫:ふじの・りん/家庭用品の商品企画担当。一人暮らしでの自炊を10年ほど経験。現在は、2人の女の子のママ。
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前回までに決まったのは、いろんな使い道ができるキッチンバサミがいいのでは!ということ。ではその商品の魅力を、どうしたら伝えられるのか。そもそも使い道についてもアイデアが複数あるけれど、〝本当に欲しい刃物〞にするには、どう取捨選択すればいいのか…。今回の先生は、企業のブランディングなども手がける編集者の柴田隆寛さん。

なぜこのハサミを作るのか。その目的を固めること。

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柴田:まず僕から聞いてみたいことがあるんですけど、今回作る刃物を通して、どういうメッセージが伝わったらいいなと考えていますか?
細川:メッセージ…といえるかわからないんですけど、料理って面倒だなと思っている人でも、このキッチンバサミを使ったら好きになった、みたいなものにしたいとは話しているんです。あとはキッチンバサミだけどピーラーとかペティナイフとか何役も兼ねられるようにすれば、省スペースになるのでキッチンが手狭な一人暮らしの人はうれしいんじゃないかと。キッチンバサミをきっかけに、料理が楽しいと思えるようになったらいいなと思っています。
柴田:それいいじゃないですか!僕はものを作る時、見た目とか機能だけに特化しても、あまり魅力的にならないと思っていて。というのも、ものがあふれている世の中で、それこそキッチンバサミだって既にたくさんある。その中から選んでもらうには、〝私たちはなぜこのハサミを作る必要があるのか〞〝このハサミを通してどんな世の中にしたいのか〞というヴィジョンや上位概念が大切だと思うからです。その意味で、〝料理が楽しくなるきっかけになってほしい〞というのは、すごくいいメッセージだと感じます。
細川:本当ですか!でも、実はいま課題がありまして。
藤野:そうなんですよね。大きなところでいうと、さっきのお話にもあったような何役も兼ねるキッチンバサミにするか、単機能にして洗いやすさなど使い勝手のよさをとことん追求するか決めかねているんです。

柴田さんが手掛けた仕事の一つ。伝統の野帳を特別色バージョンに
柴田さんが手掛けた仕事の一つ。伝統の野帳を特別色バージョンに

柴田:そんな時は、さっきのメッセージに立ち返るとどうでしょう?
細川:料理が楽しくなる…。私が自炊するなら、私でも大丈夫って自信をくれるもの。調味料に置き換えると、難しいスパイスより、わかりやすいカレー粉のほうがいい。カレー粉のように何度でも使いたくなるほど愛着がわくキッチンバサミがあると、料理が楽しくなると思います。
柴田:それくらいのフレンドリーさが欲しい、ということですね。そう考えると、突飛なものは次の日から飽きがくるので、単機能のほうがいいと思いますよ。

柴田さんが関わった実験住宅「MEMU EARTH HOTEL」のパンフを手に
柴田さんが関わった実験住宅「MEMU EARTH HOTEL」のパンフを手に

細川:なるほど〜。
柴田:プロジェクトって途中でブレることがありますが、これを作る目的は何だっけ?と立ち戻れる柱が固まっていると取捨選択がしやすくなるんです。それに単機能といっても、たとえばアルヴァ・アアルトの「スツール60」は、シンプルなデザインゆえに〝こう使わなければダメ!〞という押しつけがなく、椅子だけでなくサイドテーブルなどほかの用途で使う人も多い。形こそ一つであれ、結果的に何役も兼ねるということはあるんじゃないでしょうか。

不特定多数の人は気にせず、〝届けたい人〞を大切に

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藤野:まさにキッチンバサミは、封を切るだけに使う人が多いようです。でも実は薬味も切れるし、魚だってさばける、ってことを伝えたくて。
柴田:魚がさばけるんですか!?それ僕もやりたいです(笑)。いいハサミを作って、訴求する時に〝キッチンバサミにはこんな可能性があって、使いこなすと料理がもっと楽しくなる〞ということを伝える方法を考えれば、きっと魅力は届きますよ。
藤野:でも実際に魚をさばきたい人って、そんなにいるでしょうか…。
柴田:不特定多数の知らない人のことを考えるより、〝このチームが届けたい人〞を大切にしたほうがいいと思いますよ。
細川:自分ができることだけに必要なものではなく、魚をさばくとか、できなかったことができるようになる。それによって、たとえば友だちに料理をふるまいたくなるなど新しい自分になれる。そんなキッチンバサミが作れたら私は素敵だと思うな。
柴田:それいい!パンチライン!あとはどう伝えるか…。
藤野:使い方に関しては、冊子をつけたり、動画配信をするなどして伝えられるといいのでは、という意見があがっています。
柴田:販路はキッチン用品売り場のほかに、書店なんて相性がよさそう。料理本の近くに置くとか…。
細川:レストランもいいかも。
柴田:確かに。そこで販売もして、なんならシェフに渡してレシピを作ってもらうとか。
細川:それめっちゃ楽しそう!

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貝印

刃物作りからその歴史が始まり、今年で創業112年という老舗メーカーキッチンツールも多数作っていて、大ヒット商品「SELECT100 T型ピーラー」など、機能的にもデザイン的にも優れた商品や、「トング付きキッチンハサミ」といったアイデア商品など、幅広く展開。
また、クラウドファンディングで商品化した「サカナイフ」の開発・製造にも協力した。

問い合わせ先/貝印 お客様相談室:0120-016-410

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(photo : Megumi Uchiyama text : Nami Hotehama)

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