【気象病、むくみに効く】黒豆茶の台湾風粥|3工程で綺麗になる薬膳ズボラ飯 HEALTH 2023.07.01

暮らしを維持し続ける。それだけで結構みんな頑張っている。だから、たまの“頑張らない日”に、頑張らなくても、自分を養い、満たすことができるご自愛レシピをご紹介。今回は、雨の日の頭痛やダルさツラいむくみに効く「黒豆茶の台湾風粥」。薬膳の智慧を借り、3工程で心も体も満たす一品をどうぞ。

揺らぎと上手に付き合うために。“薬膳”を暮らしに

季節やライフステージ、身を置く環境によって、日々変化する心と体。ある時は、不調なくハツラツとしていて、またある時は体に痛みを抱えていたり、不安や焦りが強くなったり。このように誰しもが持っている揺らぎと、上手に付き合うことは、毎日を穏やかに、そして人生を豊かにするうえでとても大切なこと。

そこで、強い味方になってくれるのが“薬膳”です。言葉だけ聞くと、なんだか難しそうなイメージが先行してしまいますが、「旬の食材を食べる」、実はこれも薬膳の一部。旬の食べ物にはその季節に食べたい薬膳的な役割があることが多いのです。

薬膳とは、簡単に言うと中医学の理論(※)に基づき、季節や体質、体調に合わせた食材や生薬を組み合わせて食事を作る食事療法のこと。上手に取り入れることで、多くの人を悩ませる“なんとなく不調”にアプローチできるのです。

※中医学は2000年以上前の古代中国で誕生し、それが日本に伝わり、独自に発展したものが漢方医学。

気血水論、五行論で今、自分に必要なものを知る

気血水論と五行論の解説

今回は、その軸となる気血水論五行論について簡単に解説します。中医学では、体の構成要素を「」、「」、「」と考え、この3つが過不足なく循環している状態を健康と捉えます。生活習慣の乱れで、どれかが不足したり、流れが滞ると不調に繋がっていきます(体質チェックは下記参照)。

また、自然界にあるすべてのものは「」、「」、「」、「」、「」、5つの要素に当てはまり、互いに抑制しあったり、助け合ったりして循環しているという考えが五行論。例えば内臓は、「」、「」、「」、「」、「」に分類され、同様にそれぞれに対応する体の部位や機能、感情、季節、食べ物があります。

例えば、梅雨は五行論では「土」に該当し、「土」の性質を持つ、脾(胃腸)の機能が下がりやすく、「土」の性質を持つ黄色くて、甘い食べ物(カボチャや大豆)を食べることで、その機能を補うことができます。

このように、薬膳の理論を知れば、その時の心身の不調や季節をヒントに、今の自分を養う食材を知ることができる。それぞれの要素が五行のどれに当てはまるのかをまとめたものを「五行色体表」といい、ウェブサイトなどで簡単に調べられるので、自分の不調に合った食材を毎日の食卓に取り入れ、暮らしの薬膳を実践してみてくださいね。

自分に必要な養生がわかる体質チェック

薬膳の基本的な考えを押さえたところで、下の体質チェックシートで、自分の今の心身の状態=気血水の状態をチェックしてみましょう。それぞれ、補うべき食材とおすすめの養生法をご紹介。

お疲れ気血不足タイプ

Check Point
□疲れやすい
□寒がり・冷房に弱い
□皮膚が薄い・青白い

おすすめの食材
穀類、芋類など甘みを感じる食材。消化に負担のかからない食材。

おすすめの養生法
体を温めしっかり休むことが大切。よく噛み、腹八分目を心がけて。ストレッチなど息が切れない運動がおすすめ。

むくみ水滞タイプ

Check Point
□雨の日・低気圧で体調不良
□ぽちゃぽちゃ水太り
□胃腸が弱い

おすすめの食材
黒豆、小豆、枝豆など豆類。とうもろこし、白身魚、生姜、山椒。

おすすめの養生法
脂質、糖質の多いものはむくみの原因に。温かいさっぱりしたもので水はけの良い体づくりを。

ストレス気滞タイプ

Check Point
□呼吸があさい
□イライラしやすい
□便秘がちで、お腹が張りやすい

おすすめの食材
パクチー、セロリ、大葉など香味野菜。トマト、スイカ、きゅうりなど水分の多い食材。

おすすめの養生法
ストレスは気を停滞させる要因に。深い呼吸や、良い香りでリラックスし、体の力を抜くことが大切。

水の巡りを促し、ダルさすっきり。黒豆茶の台湾風粥のレシピ

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雨の日の前に不調がある人、むくみがスッキリとれない人は、水の停滞により体がどんよりだるくなってしまいます。水はけをよくするには、まずは胃腸をよくすることが大切。冷やすと胃腸の機能が低下してしまうため、消化に優しく気を補うお粥がおすすめです。

【こんな症状に効く!】
雨の日のだるさ、むくみ・すっきりしないズーンとした頭痛

【食材の効果・効能】
豆類は身体に元気を補い、水分代謝を整えます。
ネギ唐辛子(少量)は発散力を高め、水分代謝を促します。山椒や生姜、七味などお好みのものでもOK。


■材料(1.5〜2人分)
[A]
米:1/2カップ(洗っておく)
豆乳(無調整):2カップ
水:1カップ
黒豆茶葉(パック):1袋
ミックスビーンズ:50g
塩:ひとつまみ
砂糖:ひとつまみ

[トッピング]
桜えび:大さじ1
刻みネギ:適量
ラー油:適量(香り付け程度)
カットレモン

■作り方
1. [A]を全て炊飯器に入れて「おかゆ」モードで炊飯。

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2. お好みでトッピング添えて完成。

おすすめの薬膳プラスアルファ食材

ヨクイニン(ハトムギの種子):イボとりで有名なヨクイニンは浮腫み改善にも効果的な生薬。お好みの量を加えて、一緒に炊飯して下さい。

※無添加食品のセレクトショップFOOD LABでは、ヨクイニンをはじめ、山口さんが厳選した薬膳食材が購入できます。

cooking:Ryota Kawashima photo:Hikari Koki edit & text:Hinako Hase

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