最強の風邪予防レシピ! 冬に常備したいハニージンジャーピクルス|3工程で綺麗になる薬膳ズボラ飯 HEALTH 2023.11.28

暮らしを維持し続ける。それだけで結構みんな頑張っている。だから、たまの“頑張らない日”に、頑張らなくても、自分を養い、満たすことができるご自愛レシピをご紹介。今回は、体内を潤し、風邪予防に効く「ハニージンジャーピクルス」。薬膳の智慧を借り、3工程で心も体も満たす一品をどうぞ。

風邪予防の食養生と、漢方薬の選び方

乾燥が厳しい季節に注意したい代表格といえば風邪。体内の乾燥は五臓のうち、「」を弱らせ、免疫機能の低下を引き起こし、体調を崩す原因に。そこで、食養生として意識したいのが白い食材を積極的に摂ることです。大根や白菜、れんこんといった白い食材は潤いを補うものが多く、これらは秋〜冬に旬を迎え、旬のものを食べることが食養生の基本であることを実感できますね。

では、風邪を早急に治したい時はどうしたらいいのか。心強い味方となるのは漢方薬です。病院で一般的に処方される西洋薬は体外から入ってきたウイルスへ対処するのに対し、漢方薬は、ウイルスと戦うために体内の状態を整えてくれるため、インフルエンザなどと違い、原因となるウイルスがはっきりしない場合にも効果を発揮してくれるのです。

胃腸からくる風邪を除くと、喉の痛みなど炎症によるもの寒気など冷えによるもの、風邪は大きくこの二つに分けられ、前者の場合、おすすめの漢方薬は銀翹散(ぎんぎょうさん)。「風邪と言えば、葛根湯(かっこんとう)」というイメージを持っている人が多いかもしれませんが、喉からくるような炎症による風邪の場合、葛根湯の効果は期待できません。葛根湯を飲むのに最適なのは、後者のように悪寒がひどかったり、寒気で体が強張る時で、体温を高め、熱に弱いウイルスの撃退を助けます。

また、風邪の終盤で、ぶり返しを予防するのにおすすめなのは麦門冬湯(ばくもんどうとう)。日常の食養生と、漢方薬を活用しながら、今年の冬は上手に体調管理をしましょう!

風邪予防、喉の痛みに効く! 林檎と冬野菜のハニージンジャーピクルス

ハニージンジャーピクルスのトップ

潤いを与え、滋養作用のある蜂蜜と、白い野菜をふんだんに使い、血流をよくする酢に漬けるピクルスは、まさに風邪予防にぴったりな一品。また、酢は収斂作用を持つため、補った潤いを外に逃がさないようにします。肺の機能を高めるには、潤いに加え、発散も必要なので、今回は生姜をON。風邪が流行る季節、常備菜として作り置きしておくとGOOD!

【こんな症状に効く!】
風邪予防、喉の痛み、不快感、乾燥

【食材の効果効能】
レンコン…喉の渇きや痛みを癒す。
白菜…のぼせ、火照り、便秘解消に効果的。
蜂蜜…潤いを補う。
大根…喉の痛みを癒す。消化促進。
…血流をよくする。潤いを補う。収斂作用。


■材料(1500mlのタッパ1個分)

[A]
大根:1/4本
人参:1/2本
レンコン:100g

白菜:100g
林檎:1/2個

[ピクルス液]
水:350cc
米酢:300cc
砂糖(キビ糖だとなおよし):大3
塩:小2
ローリエ:2枚
蜂蜜:大2
生姜:10g

+α薬膳食材
白キクラゲ(乾燥):10g
クコの実:10g

■作り方

1】沸騰したお湯に一口サイズにカットした[A]を入れ、1分間茹でたら、ザルにあけて耐熱容器に移す。(※林檎と白菜は湯どうしせず容器に入れる。)

2】ピクルス液の調味料すべて鍋で温める(※砂糖と塩をしっかり溶かし、沸騰したら火を止め、煮詰めない)。

ハニージンジャーピクルスの作り方

3】[2]を[1]の容器に入れて一晩冷蔵庫で寝かせる。

ハニージンジャーピクルスの作り方2

おすすめの薬膳プラスアルファ食材

白キクラゲ:肺を潤し、乾燥対策、美肌作りに◎。
クコの実:免疫力アップ、疲労回復、アンチエイジング。

季節と体質を重んじる、薬膳の基本

気血水・五行論の解説

薬膳のベースとなっている中医学では、体の構成要素を「気」「血」「水」と考え、この3つが過不足なく循環している状態を健康と捉えます。そして、これらを司るのが「肝」「心」「脾」「肺」「腎」といういわゆる五臓。(※西洋医学が指す臓器名と異なります。)

中医学では、五臓を含め、心身は季節など自然界の影響を大きく受けるとされ、季節を考慮し、自分の体質に合った養生が勧められています。ゆえに、生活習慣の乱れやケア不足で五臓のいずれかの機能が低下すると、「気」「血」「水」が不足したり、流れが滞り不調の原因に。

そこで、自分の体質や季節に合わせた適切な食事やセルフケアなど養生法を怠らないことが健やかさを維持するのに重要なのです。記事下部に簡単な体質チェックを用意したので、ぜひ自分に合った養生法をチェックしてみて下さいね。

簡単体質チェック〜秋冬編〜

簡単な体質チェックで自分のタイプを診断。今回のレシピは「バリアー不足タイプ」の方に特におすすめです。

バリアー不足タイプ

Check Point
□疲れやすい
□花粉症、アレルギー、蕁麻疹など出やすい
□胃腸が弱い

おすすめの食材
・穀類、芋類、きのこなど甘みを感じる食材
・梨、大根、百合根、豆腐など白い食材

おすすめの養生法
バリアー機能は「気」の役割。疲れを溜め込まないことが大切。胃腸を休めることで効率良く食べたものをエネルギーに変えてくれます。

カピカピ乾燥タイプ

Check Point
□喉が乾燥しやすい
□コロコロ便、硬い便になりがち
□顔や手足裏がほてりやすい

おすすめの食材
・ごま、アーモンド・くるみなどナッツ類
・納豆、山芋、蜂蜜などとろりとした食材

おすすめの養生法
乾燥は皮膚だけに注目しがちですが、体内も潤い不足になります。汗をかくような辛い食材は控えて、睡眠をしっかり取ることが大切。

自律神経お疲れタイプ

Check Point
□呼吸があさい
□イライラしやすい
□季節の変わり目、環境の変化にストレス

おすすめの食材
・玉ねぎ、にら、カイワレ大根など辛味食材
・ほうれん草、小松菜、ケールなど緑色食材

おすすめの養生法
発散と潤いのバランスが大切。何かに偏らないように、辛いものをとる時には潤す食材を。忙しいときには、1週間の中で調整するなどストレスを溜め込まないことが大切。

photo_Hikari Koki text&edit_Hinako Hase

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