炊飯器一つでお手軽火鍋。冷え対策に痺れ系!火鍋スープ|3工程で綺麗になる薬膳ズボラ飯 HEALTH 2023.12.29

暮らしを維持し続ける。それだけで結構みんな頑張っている。だから、たまの“頑張らない日”に、頑張らなくても、自分を養い、満たすことができるご自愛レシピをご紹介。今回は、体を芯から温める痺れ系、火鍋スープ」。薬膳の智慧を借り、3工程で心も体も満たす一品をどうぞ。

漢方的、冷え対策の最適解は“火鍋”

冬がやってくると、何といってもツラいのが冷え。手先、足先など末端の冷えや、体の深部の冷え、さらには体が冷えて血流が悪化すると、肩こりや腰痛、疲労感にも繋がり、冬が苦手…、という人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回紹介するのは漢方流の冷え対策。漢方では、冷えを散らす“散寒”、温かいものを摂り入れて内側からポカポカ温める“温裏”、この二つが必要とされています。

“散寒”と“温裏”、両方の要素を兼ね備えた料理が火鍋。“辛い”というイメージが先行しがちですが、実は火鍋には冷えに効果的な薬膳食材がたっぷり使われているんです。例えば、山椒や唐辛子には“散寒”の効果、ニンニクや八角、シナモンは、胃腸から体を持続的に温める“温裏”の作用があり、効果的に体を温めつつ、肉、野菜をたくさん食べられて栄養バランス的にも◎。

また、漢方視点で面白いのが“生姜の使い分け”。生の生姜は生姜(しょうきょう)と呼ばれ、“散寒”、加熱したものは乾姜(かんきょう)と呼ばれ、“温裏”の効果があり、加熱の有無によって得られる効果が変わってくるのです。

火鍋では生姜と乾姜、一緒に使うため、他のスパイス、薬味との相乗効果で、総合的な冷え対策ができるのです。スパイスや薬味は、少しハードルが高いような印象がありますが、いつもの料理にプラスするだけで、味にも深みが増し、アレンジも効きやすい。冬のツラい不調対策として、いつもの料理にも活用してみてくださいね。

痺れ系、火鍋スープで内側から体を温める!

火鍋風スープの寄り

冷え解消に必要となる“散寒”と“温裏”の効果を持つ食材を両方使用した冷え対策にぴったりな一品体を温める手羽先や、血流アップが期待できる酢を併せて、スパイス+具材のダブルの作用で、全身をポカポカに!

【こんな症状に効く!】
末端冷え性、深部冷え性、血行不良

【食材の効果効能】
唐辛子…散寒
山椒…散寒
長ネギ…散寒
ニンニク…温裏
…血流をよくする。潤いを補う。
手羽先:気血を養い、体を温める。


■材料(二人分)

唐辛子ホール:2本
ニンニク:1かけ
花椒ホール:小1
白菜 :50g
長ネギ:1/2
じゃがいも:1/2
舞茸:1/2
塩胡椒:適量
生姜すりおろし:小1
水 :500ml
醤油:大1
オイスターソース:小1
豆板醤:小1
手羽先:200g(4本ほど)
豆腐:1/3丁

[トッピング]

黒酢と辣油:1:1で適量
ごま:適量

+α薬膳食材
アニス:適量
なつめ:適量

■作り方

1】具材、調味料全て炊飯器に入れて通常モードで炊飯(※目安は1時間程)。

火鍋の作り方1

2】黒酢、ラー油、胡麻を混ぜておく。

3】[1]をさらに盛って完成! トッピングは、適宜スープにかけながら味変を楽しむ。

火鍋風スープ

おすすめの薬膳プラスアルファ食材

八角:体を温め、胃腸を整える。食欲を増進させ、気の巡りを促します。
なつめ:1日3粒以上で不老長寿と言われるフルーツ。気血を養う薬膳の代表。

季節と体質を重んじる、薬膳の基本

気血水・五行論の解説

薬膳のベースとなっている中医学では、体の構成要素を「気」「血」「水」と考え、この3つが過不足なく循環している状態を健康と捉えます。そして、これらを司るのが「肝」「心」「脾」「肺」「腎」といういわゆる五臓。(※西洋医学が指す臓器名と異なります。)

中医学では、五臓を含め、心身は季節など自然界の影響を大きく受けるとされ、季節を考慮し、自分の体質に合った養生が勧められています。ゆえに、生活習慣の乱れやケア不足で五臓のいずれかの機能が低下すると、「気」「血」「水」が不足したり、流れが滞り不調の原因に。

そこで、自分の体質や季節に合わせた適切な食事やセルフケアなど養生法を怠らないことが健やかさを維持するのに重要なのです。記事下部に簡単な体質チェックを用意したので、ぜひ自分に合った養生法をチェックしてみて下さいね。

簡単体質チェック〜秋冬編〜

簡単な体質チェックで自分のタイプを診断。今回のレシピは「自律神経お疲れタイプ」の方に特におすすめです。

バリアー不足タイプ

Check Point
□疲れやすい
□花粉症、アレルギー、蕁麻疹など出やすい
□胃腸が弱い

おすすめの食材
・穀類、芋類、きのこなど甘みを感じる食材
・梨、大根、百合根、豆腐など白い食材

おすすめの養生法
バリアー機能は「気」の役割。疲れを溜め込まないことが大切。胃腸を休めることで効率良く食べたものをエネルギーに変えてくれます。

カピカピ乾燥タイプ

Check Point
□喉が乾燥しやすい
□コロコロ便、硬い便になりがち
□顔や手足裏がほてりやすい

おすすめの食材
・ごま、アーモンド・くるみなどナッツ類
・納豆、山芋、蜂蜜などとろりとした食材

おすすめの養生法
乾燥は皮膚だけに注目しがちですが、体内も潤い不足になります。汗をかくような辛い食材は控えて、睡眠をしっかり取ることが大切。

自律神経お疲れタイプ

Check Point
□呼吸があさい
□イライラしやすい
□季節の変わり目、環境の変化にストレス

おすすめの食材
・玉ねぎ、にら、カイワレ大根など辛味食材
・ほうれん草、小松菜、ケールなど緑色食材

おすすめの養生法
発散と潤いのバランスが大切。何かに偏らないように、辛いものをとる時には潤す食材を。忙しいときには、1週間の中で調整するなどストレスを溜め込まないことが大切。

photo_Hikari Koki text&edit_Hinako Hase

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