【生理痛、生理によるダルさ、慢性疲労に】鶏の和風薬膳スープ|3工程で綺麗になる薬膳ズボラ飯 HEALTH 2023.09.05

暮らしを維持し続ける。それだけで結構みんな頑張っている。だから、たまの“頑張らない日”に、頑張らなくても、自分を養い、満たすことができるご自愛レシピをご紹介。今回は、生理痛や生理前のダルさ、慢性疲労に、気血を補う「鶏の和風薬膳スープ」。薬膳の智慧を借り、3工程で心も体も満たす一品をどうぞ。

生理痛、生理前のダルさ、慢性疲労、疲れやすい時に。鶏の和風薬膳レシピ

鶏の和風薬膳スープ

生理時は体を構成する気・血・水のうち(詳細は記事下部)気力や元気のもとである“気”栄養源であり、精神の安定にも関わる“血”が消耗され、疲れやすい。そんな時は骨つきの鶏肉を煮込んだスープがおすすめです。

気血を作り出すのは、消化吸収の働きを担う“脾”(詳細は記事下部)。脾を温め、消化を助けるキャベツ白菜タマネギの栄養素もスープでまるごといただきましょう。生理時だけでなく、疲れた時にも活力を補える薬膳スープです。

【こんな症状に効く!】
生理痛、生理によるダルさ、疲労感

【食材の効果・効能】
手羽中:気血を養い、身体を温める
キクラゲ:鉄分が豊富で血流をよくする
キャベツ、白菜、タマネギ:“脾”を温め、消化を助ける


■材料(1.5〜2人分)
[A]
手羽中:4本
白菜:50g
キャベツ:50g
タマネギ:1/4個
生姜:10g
水:500mL

みりん:25mL
塩:小さじ1
和風出汁パック(鰹節、煮干し等):1パック
乾燥キクラゲ:5g

■作り方
1. 白菜、キャベツ、タマネギを一口大にカットし、生姜は薄切りにする。乾燥キクラゲは水に戻しておく。

2. [A]を鍋に入れて火にかける。沸騰したら弱火にし、灰汁を取り除く。

鶏の和風薬膳スープの作り方

3. 残りの食材、調味料全て入れ、鶏肉が柔らかくなるまで30分極弱火で温める。野菜、鶏肉が柔らかくなれば完成。

おすすめの薬膳プラスアルファ食材

ナツメ(2個):1日3粒以上で不老長寿と言われるフルーツ。気血を養う薬膳の代表。工程2で入れて下さい。
クコの実(5粒):潤いを与える美容のフルーツ。ドライアイや視力低下にもおすすめ。ナツメと一緒に加えて下さい。

※無添加食品のセレクトショップFOOD LABでは、ナツメ、クコの実をはじめ、山口さんが厳選した薬膳食材が購入できます。


揺らぎと上手に付き合うために。“薬膳”を暮らしに

季節やライフステージ、身を置く環境によって、日々変化する心と体。ある時は、不調なくハツラツとしていて、またある時は体に痛みを抱えていたり、不安や焦りが強くなったり。このように誰しもが持っている揺らぎと、上手に付き合うことは、毎日を穏やかに、そして人生を豊かにするうえでとても大切なこと。

そこで、強い味方になってくれるのが“薬膳”です。言葉だけ聞くと、なんだか難しそうなイメージが先行してしまいますが、「旬の食材を食べる」、実はこれも薬膳の一部。旬の食べ物にはその季節に食べたい薬膳的な役割があることが多いのです。

薬膳とは、簡単に言うと中医学の理論(※)に基づき、季節や体質、体調に合わせた食材や生薬を組み合わせて食事を作る食事療法のこと。上手に取り入れることで、多くの人を悩ませる“なんとなく不調”にアプローチできるのです。

※中医学は2000年以上前の古代中国で誕生し、それが日本に伝わり、独自に発展したものが漢方医学。

気血水論、五行論で今、自分に必要なものを知る

気血水論と五行論の解説

今回は、その軸となる気血水論五行論について簡単に解説します。中医学では、体の構成要素を「」、「」、「」と考え、この3つが過不足なく循環している状態を健康と捉えます。生活習慣の乱れで、どれかが不足したり、流れが滞ると不調に繋がっていきます(体質チェックは下記参照)。

また、自然界にあるすべてのものは「」、「」、「」、「」、「」、5つの要素に当てはまり、互いに抑制しあったり、助け合ったりして循環しているという考えが五行論。例えば内臓は、「」、「」、「」、「」、「」に分類され、同様にそれぞれに対応する体の部位や機能、感情、季節、食べ物があります。

例えば、梅雨は五行論では「土」に該当し、「土」の性質を持つ、脾(胃腸)の機能が下がりやすく、「土」の性質を持つ黄色くて、甘い食べ物(カボチャや大豆)を食べることで、その機能を補うことができます。

このように、薬膳の理論を知れば、その時の心身の不調や季節をヒントに、今の自分を養う食材を知ることができる。それぞれの要素が五行のどれに当てはまるのかをまとめたものを「五行色体表」といい、ウェブサイトなどで簡単に調べられるので、自分の不調に合った食材を毎日の食卓に取り入れ、暮らしの薬膳を実践してみてくださいね。

自分に必要な養生がわかる体質チェック

薬膳の基本的な考えを押さえたところで、下の体質チェックシートで、自分の今の心身の状態=気血水の状態をチェックしてみましょう。それぞれ、補うべき食材とおすすめの養生法をご紹介。鶏の和風薬膳スープは、お疲れ気血不足タイプに特におすすめです。ぜひ、作ってみてくださいね。

お疲れ気血不足タイプ

Check Point
□疲れやすい
□寒がり・冷房に弱い
□皮膚が薄い・青白い

おすすめの食材
穀類、芋類など甘みを感じる食材。消化に負担のかからない食材。

おすすめの養生法
体を温めしっかり休むことが大切。よく噛み、腹八分目を心がけて。ストレッチなど息が切れない運動がおすすめ。

むくみ水滞タイプ

Check Point
□雨の日・低気圧で体調不良
□ぽちゃぽちゃ水太り
□胃腸が弱い

おすすめの食材
黒豆、小豆、枝豆など豆類。とうもろこし、白身魚、生姜、山椒。

おすすめの養生法
脂質、糖質の多いものはむくみの原因に。温かいさっぱりしたもので水はけの良い体づくりを。

ストレス気滞タイプ

Check Point
□呼吸があさい
□イライラしやすい
□便秘がちで、お腹が張りやすい

おすすめの食材
パクチー、セロリ、大葉など香味野菜。トマト、スイカ、きゅうりなど水分の多い食材。

おすすめの養生法
ストレスは気を停滞させる要因に。深い呼吸や、良い香りでリラックスし、体の力を抜くことが大切。

cooking:Ryota Kawashima photo:Hikari Koki edit & text:Hinako Hase

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