飲兵衛に優しい大阪・天満の、一軒2,000円内の立ち飲みハシゴ酒6軒 FOOD 2023.08.31

天満は立ち飲みや屋台風など気軽な酒場が多い上、徒歩圏内に店が密集しているため、はしご酒がデフォルト。価格帯も無理なく財布を開けられるリーズナブルさで、飲兵衛に優しい街なのである。今回は、天満で行くべき立ち飲みの新旧名店6軒をご紹介。一軒あたりの予算を税込み2,000円以内と想定して、お酒とつまみを組み合わせてみた。

INDEX

ハイレベルな肴が大充実!30年近く続く和&洋立ち飲み〈肴や〉。

〈肴や〉店内メニュー

1軒目の〈肴や〉は船の中をイメージした丸窓付きの木造店舗で、路面店ながら隠れ家感も味わえる古参の立ち飲み店。元鮮魚店勤務の店主が調える肴は、上質なお造りや出汁の利いた茶碗蒸しなどの和食から、スペイン風の一品まで多彩。丁寧に注がれた黒生ビールをはじめ、ワインやシェリー、樽酒とお酒も豊富に揃っている。

千円札1枚でもゴキゲンに!懐にとても優しい日常酒場〈酒の奥田〉。

〈酒の奥田〉店内メニュー

〈肴や〉のほぼお向かいにある〈酒の奥田〉も歴史は古い。もともとは酒屋の角打ちから始まり、今年で創業67年目。大きなコの字カウンターは常に客が鈴なり状態だ。アテは定番と季節ものを合わせて100品近く。200円台のものも多いため、今回の「予算2,000円」でも5品と最多の皿が並んだ。基盤が酒屋ゆえのお酒の安さも大きな吸引力になる。

スパイス使いが絶妙な、飲ませる羊料理が揃い踏み〈黒羊羊肉串店 BLACK SHEEP〉。

〈黒羊羊肉串店 BLACK SHEEP〉店内

昨夏オープンした〈黒羊羊肉串店 BLACK SHEEP〉は、天満新世代でトップクラスの勢いをもつラム肉料理&立ち飲み〈ラムのラヴソング〉グループの3店舗目。洗練された空間で、技アリな羊料理とお酒を楽しめる。炭火で炙ったマトンのたたきと半熟卵のタルタル仕立てなど、創意を凝らした品を良心的な価格で味わえるのが幸せだ。ナチュラルワインなどお酒のセレクトも粋。愛嬌満点なスタッフの接客にも癒される。

ラム肉のおいしさに開眼する人続出!
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いくらでも飲めちゃう!?“お酒どろぼう”な前菜盛り〈アネロスタンド〉。

〈アネロスタンド〉外観

同じく天満の人気店が新たに展開したのは〈アネロスタンド〉。本店は、味付け絶妙にして盛りは豪快な料理が評判の〈イタリア食堂 アネロ〉だ。スタンドでは、本店にはない揚げ物と、一人でも複数イケる小さめポーションのつまみを用意。300円というおやつ価格がうれしいスパークリングワインと合わせて気楽に楽しみたい。

下町酒場で味わえる酒が進む本格アジアン料理〈新多聞酒蔵〉。

海外旅行気分でたくさん食べてね~
海外旅行気分でたくさん食べてね~

今夜はアジアン気分という時は〈新多聞酒蔵〉へ。店名も空間も昔ながらの酒場そのものだが、6年前の代替わりで店主がマレーシア人&日本人の仲良しご夫婦にチェンジ。マレーシアやタイ、シンガポールの郷土料理を提供する。酒飲み仕様でライス抜きの「海南チキン」や、スパイス香るローカルな麺料理を現地に行かずとも味わえる喜びは相当に大きい。

干物×ナチュラルワインの新感覚ペアリングに感嘆〈uoyaki〉。

〈uoyaki〉店内

ラスト一軒は立地と空間に驚かされる〈uoyaki〉。〈天満市場〉の〈ぷららてんま〉裏手にある怪しげな裏路地で異彩を放つ、スタイリッシュな店構えだ。それでいて、シグネチャーはなんと魚の干物というからさらにびっくり。カウンター内の炭火焼き台で煙を上げるのは、鹿児島産の「灰干し」なる高級干物。お酒は灰干しに合うナチュラルワインとグラッパのみ。「甘みのある赤ワインならカンパチなどの脂とうまくマリアージュするんです」なんて説明を聞きながら飲む、いい意味で〝天満らしからぬ〟夜もまた楽しい。

photo : Kouji Fujita text : Masaaki Sotsuka

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