路地裏の名店〈燕山湯圓〉で主役級のスープを。/秘密の台湾 REPORT no.32 FOOD 2023.08.14

地元の人たちでにぎわう朝市は「暮らすような旅」にピッタリな場所。朝市で買い物を楽しんだ後は、ゆっくりローカル式朝食を楽しもう。本誌連載『秘密の台湾』よりお届け。

台湾の家庭の味・湯圓を楽しんで。

台湾には街の至るところにたくさんのお寺があり、昔からお寺の近くにはおいしいお店も多い。それが夜市や市場へと発展していったといわれている。台北屈指の観光地・雙連朝市(シュァンリェンチャオシー)も、学問の神様を祀る文昌宮(ウェンチャンゴン)を中心に多くの屋台やお店が広がる。この文昌宮の脇道にお店を構えて約60年の燕山湯圓は、買い物ついでに立ち寄る人や近所に住む常連さんなどでにぎわう路地裏の人気店だ。

看板メニューの鹹湯圓(シェンタンユェン)は、台湾客家料理として古くから親しまれている、白玉(湯圓)のスープ。湯圓というと、中にごまやピーナッツの餡が入っていたり、豆花のトッピングに使われたりと、デザートのイメージが強いが、台湾ではおかずとしても浸透している。モチモチ生地の食感に、肉や椎茸などの旨みが詰まった餡の塩気が絶妙なバランス。豚骨だしのスープは味がよく染み込み、ほっとする味。たっぷり入った青菜やセロリの歯応えも良いアクセントで、朝はこれひとつで主食になる。スープをメインに、小皿のおかずを少しずつつまむのが朝の定番で、お客さんのほとんどが注文するほど。
また、台湾風のキムチ(泡菜)は付け合わせの定番のひとつ。甘酸っぱくてピリ辛のキャベツの漬物は、まさに台湾ならではの味。この泡菜をスープに少し入れて“味変”するのが通の楽しみ方だ。

※1元は約4.5円(2023年7月現在)、台湾の国際電話の国番号は886です。photo:Jimmy Yang text:Tomomi Murata coordination:Chen Tsui wen produce:Hanako.taiwan

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