アンテナショップのごちそうたち。故郷の味を銀座から。 Food 2022.12.01

故郷の味を、空間を、銀座から。郷土料理レストランの旗手として進化を続けているのは、アンテナショップ。どちらも先駆的存在の2軒の味はいかがでしょうか。

物産館やアンテナショップが集う銀座には、心地良い空間で郷土料理を振る舞うレストランが併設されていることが多い。例えば群馬県のアンテナショップ「ぐんまちゃん家ち」にある〈銀座つる〉は、特産品・上州和牛のおいしさの真髄に触れるようなスペシャリテがメイン。

ランチコース「榛名HARUNA」のメインは、上州和牛のしゃぶしゃぶ、またはすき焼き。5,500円（サ別）。

しゃぶしゃぶやすき焼きは、本来の柔らかな肉質と上質な脂、赤身の絶妙なバランスが楽しめるよう、独自の調理法を考案している。65〜70度の低温でゆっくりと火入れすることで、口に入れた瞬間、旨味がふんわりと溶け出すのだ。

日本百名山・武尊山の清流で育まれた武尊鱒のクリームコロッケをはじめ、旬の食材を盛り込んだ三段重。

お米は、都内でもなかなかお目にかかれない川場村産コシヒカリ「雪ほたか」を釡炊きで。

群馬県アンテナショップ「ぐんまちゃん家」〈銀座つる〉
住所：東京都中央区銀座7-10-5 The ORB Luminous 2F｜〈地図〉
TEL：03-3571-7763
営業時間：ランチ11:30～14:00 LO、ディナー17:00～22:00（アラカルト 21:00LO、ドリンク21:30LO）、 1Fショップ11:00～20:00（日～19:00）
定休日：日祝、年末年始休
席数：44席（個室あり、要予約）

総料理長の工夫が詰まった漁師めし「りゅうきゅう」や、おおいた冠地どりの、とり天など。「豊の彩」5,500円（サ別）。

〈坐来大分〉は、自身も同県出身という総料理長・安あじみすなお心院淳さんが腕をふるう。「ここでの料理で、大分を知るきっかけになれば」と、磨きをかけた料理の数々はどれも滋味豊か。素朴な漁師めし「りゅうきゅう」も、揚げたナスのペーストを和えて旨味をきわだたせるなど伝統の味を守りつつ、さまざまな工夫が見て取れる。郷土レストランはアンテナショップのもう一つの大きな魅力であるにちがいない。