働く女性のための転機の準備 つみたてNISA体験者レポートも。NISA、iDeCoの始め方、ファイナンシャルプランナーが解説

WORK&MONEY 2022.08.19

将来のことを考えて、資産運用に興味はあるけれど、何から始めればいいのかわからない!そんな初心者に、NISAとiDeCoの違いからおすすめの金融商品まで、専門家が投資のイロハを伝授します。今回は、始めるために行くべき場所についてです。NISA、iDeCoともに専用口座が必要。さまざまな金融機関で開設できるので、特徴やメリットを知って、自分に合った口座を作ろう。

1.銀行

普段利用しているメインバンクで気軽に開設できるが、取り扱い銘柄数がかなり絞られている。つみたてNISAの最低積立金額は、大手銀行で月1,000円~、地方銀行で月3,000円~が相場。口座開設は、店頭のほか、Webでも簡単に行え、窓口で投資について相談することもできるが、購入・売却手数料は高めだ。

【メリット】同じ銀行に預金口座があれば自動引き落としができるので、NISA、iDeCo専用口座への入金手続きが省ける。積立投資信託の取引条件を満たしていれば、ATMの時間外手数料が0円になる場合も。アプリで口座をまとめて管理でき、保有資産の動きや普通口座の残高をまとめてチェックできるのも魅力。

2.店舗型証券

大和証券、野村證券など、実店舗を持つ大手証券会社。担当の営業マンがつくので、口座開設もあらゆる手続きも簡潔スムーズ。取り扱い銘柄数は、銀行より充実している場合が多いが、ネット証券よりは少ない。最低積立金額は月100円~、1,000円~など、証券会社によってまちまち。購入・売却手数料は高め。

【メリット】投資のプロから直接アドバイスを受けられる。金融商品の選択や売買について相談でき、面倒な手続きもお任せ。自分で情報収集する手間が省けるため、忙しい人や初心者向き。利益が出やすいといわれている新規公開株も手に入りやすい。経済情報のレポートが定期的に送られてくるので、投資の知識も身につく。

3.ネット証券

SBI証券や楽天証券など、実店舗を持たずに、スマホやパソコンなどで取引できるネット完結型の証券会社。投資信託、株式、REITなど、幅広い金融商品を取り扱っている。金融商品の選択や売買の注文をネット上で自由に行える。最低積立金額は月100円~の場合が多く、少額から気軽に始められる。

【メリット】NISA、つみたてNISA、iDeCoともに取り扱い銘柄数が圧倒的に多く、自由度が高いが、自分で情報を集める必要がある。自分で投資方法の選択や手続きを全て行うため、株式売却手数料や運営管理手数料が無料など、手数料は比較的安い。毎日、毎週積立ができるネット証券も。時間を気にせず、24時間投資が可能。

つみたてNISA体験者レポート。

実際につみたてNISAをしている人に、商品の決め方や、現在の運用成果をリアル取材。その体験を参考にしてみよう。

無題2

・Name:さとう(仮名)
・Age:24歳
・Job:会社員
・Income:年収約340万円

大学時代の友人や職場の同期・先輩など、周りの人に勧められたことで興味を持ち、社会人1年目の2020年10月に投資デビュー。旅行代や飲み代の出費が多い。

感想「運用成果に一喜一憂しない。長く運用することで、少しずつ増やしていきたい。」

知人に話を聞いたり、ネットで調べながらつみたてNISAを始めたさとうさん。投資を始めた理由は?「将来の出費に備えて長期投資できるつみたてNISAを始めました。手数料が低く、手続きがネットで完結するネット証券に口座を開設し、最初は月1万円の積立から始めて、徐々に積立の額を増やしていき、今は上限の40万を使い切っています」

現在投資しているのは、世界の国内外の株式および公社債に分散投資できる「世界経済インデックス」をはじめ、米国、新興国、先進国、国内の株式をそれぞれ対象とした金融商品。銘柄を増やしたり、配分割合を変えながら振り分けている。「最初はアプリで行った積立スタイル診断でおすすめされた4商品からスタート。その後、過去の実績から値上がり益が期待できる銘柄を増やし、現在は7商品に。『世界経済インデックス』の成績が良かったので、今年から比率を一番多くしました」

ズバリ今の運用成果は?「マイナス1756円です。3〜4カ月に1回程度、気が向いた時にしかチェックしませんが、始めた当初はプラスで、今年に入ってからマイナスに。少し残念だとは思いますが、長期での運用を考えているのであまり気にしていません。少しずつ増やしていき、利益が出たら海外旅行に行きたいです!投資を始めたことで、マーケットに関する記事にも目がいくようになり、運用に関する知識が広がりました。友達から質問された時に、少しは答えることができるようになり、自分の成長を感じています。今は非課税メリットが大きいiDeCoにも興味津々で、余裕資金が増えたら始めるつもりです」

Navigator…ファイナンシャルプランナー・高木典子(たかぎ・のりこ)

証券会社、外資系投資銀行を経て独立。オンラインや対面で個別の相談に乗ってくれる。

https://www.yokohama-money-salon.com/

(Hanako1211号掲載/photo : Kenya Abe illustration : naohiga text : Megumi Suzuki , Kahoko Nishimura)

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