【SDGs A to Z: I (IPCC) 】この10年が勝負! 最新の温暖化データ

SUSTAINABLE 2023.07.07

温暖化=人間活動の結果。これからの私たち次第で、未来に差がついていく。

@IPCCって?

世界195の国と地域が参加。世界中の科学者の協力のもと、出版された文献に基づき、気候科学、影響・適応策および緩和方策などについて評価報告書を作成する政府間組織。

このままだと世界の平均気温がする10年後に1.5℃上昇かも!※

※18世紀後半=産業革命前から比較して

青色系は自然なままの場合、赤色系は人の影響と自然からの影響を受けた場合の気温の推移だ。産業革命以降、地球は急激に温暖化してきた。今後の私たち人間の行動次第で、さらに劇的に進んでしまうことがわかる。今年3月公表の第6次評価報告書によれば、今すぐに大幅な温室効果ガスの排出削減が必要だという。国だけでなく一人一人が、待ったなしの対策をしなければならない。

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シナリオ❶化石燃料依存型の発展のもとで、気候政策を導入しないシナリオ。
シナリオ❷地域対立的な発展のもとで気候政策を導入しない中~高位参照シナリオ。
シナリオ❸中道的な発展のもとで気候政策を導入。2030年までの各国の「自国決定貢献(NDC)」を集計した排出量の上限にほぼ位置する。
シナリオ❹持続可能な発展のもとで、産業革命前を基準とする昇温を2℃未満に抑える気候政策を導入。
シナリオ❺持続可能な発展のもとで、産業革命前を基準とする21世紀末までの昇温を概ね約1.5℃以下に抑える気候政策を導入。

1.5℃上昇すると、どうなる?

人間や生き物も危険にさらす極端な高温の頻度が増加。頻度は1850~1900年と比べ2.8~8.6倍に。熱波などにより、命の危険が増大。気候に敏感な感染症も増加していく。
人間や生き物も危険にさらす極端な高温の頻度が増加。
頻度は1850~1900年と比べ2.8~8.6倍に。熱波などにより、命の危険が増大。気候に敏感な感染症も増加していく。
干ばつの頻度が増え、農作物生産にも悪影響が。干ばつは異常気象における最大の死因(WMO発表)。アフリカなどでは農作物生産に悪影響が出る予測があり、食料問題が深刻化。
干ばつの頻度が増え、農作物生産にも悪影響が。
干ばつは異常気象における最大の死因(WMO発表)。アフリカなどでは農作物生産に悪影響が出る予測があり、食料問題が深刻化。
大雨と洪水の強度が増加し、かつ頻繁に起こる。アジアの沿岸域は洪水や暴風雨により、都市、居住地等に損害がもたらされる確率が非常に高い。日本は、多くの都市が沿岸域にある。
大雨と洪水の強度が増加し、かつ頻繁に起こる。
アジアの沿岸域は洪水や暴風雨により、都市、居住地等に損害がもたらされる確率が非常に高い。日本は、多くの都市が沿岸域にある。
海面水位は上昇を続け、日本を含む沿岸域に影響。ただちにCO2排出を抑制しても海面の上昇はすぐには止まらず、今後数百年、数千年単位で上昇。ツバルなどの小島嶼国も沈む?
海面水位は上昇を続け、日本を含む沿岸域に影響。
ただちにCO2排出を抑制しても海面の上昇はすぐには止まらず、今後数百年、数千年単位で上昇。ツバルなどの小島嶼国も沈む?

「すべての人にとって持続可能な将来を確保するための機会の窓が急速に閉じている」。IPCCのメッセージについて、環境省の足立宗喜さんに聞いた。

「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させていたことには疑う余地がない」。これは今年の「気候変動に関する政府間パネ(IPCC)」第6次評価報告書の言葉。1988年の第1次評価報告書では人間の活動が「気候変化を生じさせる恐れがある」という表現だったが、ついに「人間が地球を温暖化させた」と断定された。日本でも記録的な大雨が見られるが、それも「人間活動の結果」が影響しているという。環境省の足立さんは、「今すぐに大幅な温室効果ガス排出削減が必要」と話す。

「2030年代前半には、18世紀後半の産業革命前と比べ気温が1・5℃上昇する可能性が高いです。温室効果ガスの排出が非常に多いシナリオだと、2100年までに約4・5℃上昇するとも。1・5℃とそれ以上では結果の違いが大きく、温暖化がこのまま進行すれば、人間と自然が共存していくには厳しい世界になる。しかし、今すぐ対策を講じることで、海面水位の上昇、洪水の増加など、温暖化に関連したリスクを抑えることが可能であることも示されました。これから10年の対策がとても重要です。この間にとる選択や対策が、今後数千年先まで影響を持つんです」

持続可能な未来を「閉じようとする窓」を止めるために、この危機感をまず、共有したい。

illustration : Maiko Matsue text : Miho Arima edit : Nao Yoshida

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