【SDGs A to Z: T (Take it easy) 】サステナブルを、もっと気軽に考える。 SUSTAINABLE 2023.07.07

サステナブルなアクションって、努力や我慢が必要で、ハードルが高い?実はそんなことないんです。無理なく貢献できる、思考転換のヒントを10個お届け。

マイボトルを持ち歩くのが面倒くさい。→まずはお店で プラスチックフリーを目指す!

マイボトル グラス

使い捨てるものはなるべく減らしたいけれどマイボトルを持ち歩くのは面倒。そんなとき、最近はグラスやマグカップでドリンクを提供してくれるお店も増えているので、注文時に「グラスorマグカップでお願いします」「ストローはいりません」など、一言添えるだけでも大きなプラゴミ削減に。

オーガニックじゃないとダメ?お肉は悪!?→ゆるくはじめていきながら、食材の生産背景を知る。

肉 ヴィーガン

「完全に禁止」を自分に課してしまうとストレスが大きくなるので、「食べたいときは食べよう」と気楽に捉えて。そのなかで少しずつ、オーガニック食材が推奨される理由、お肉やジャンクフードの環境負荷や健康被害について知っていきながら、「減らしていこうかな」と感じたときに行動すればOK。

環境に配慮したアイテムにシフトできない。→今あるものを大切にしてなるべく捨てないことのほうが大切!

サステナアイテム選び

「お気に入りを手放せない」「サステナブルなものは高価で手が出せない」など、シフトしたくてもできないと悩む人も多いけれど、新たに買うより、「今あるものを大切にして、なるべく捨てない」ことのほうが大きな貢献になる。たとえば、洋服は今あるお気に入りを大切に、買うときはセカンドハンドやヴィンテージも楽しんだり。というのもファッション産業は世界で2番目に環境負荷が大きい産業で、航空業界よりも多くの温室効果ガスを排出し、洋服の洗濯などによって毎年ペットボトルおよそ500億本分のプラスチック繊維が海へと流出。原材料やファッションアイテムを生産する際の水の使用量や水質汚染も世界第2位など、たくさんの環境負荷を伴って作られていながら、日本では年間100万トン以上の衣服が廃棄されている。そうした背景を知っていくと、消費に対する意識も変わるはず。サステナブルなものを作りすぎる・買いすぎることにも矛盾が生まれるので、必要なものを見極めながら、「買わない、購入を減らす」という心がけも大切に。

コンポストって手間がかかりそう。→生ゴミは乾燥させる、からスタートしてみよう。

コンポスト 生ゴミ サステナ

生ゴミを堆肥化するコンポストは、トートバッグや段ボールでできる手軽なタイプも増えたけれど、手間が気になるなら生ゴミを天日干しにしてから可燃ゴミへ。生ゴミの水分量は8割近くもあり、燃やす際のCO2排出量も多くなるので、水分をしっかり飛ばすだけでも環境負荷とゴミの量がぐんと減らせる。

冷房の温度を低く設定してしまいがち。→エアコンだけに頼らない工夫をプラスする。

エアコン 設定温度

猛暑日の無理な節電は熱中症のリスクがあるので注意しつつ、温度設定が高くても室内を涼しく保てるよう、エアコンだけに頼らない工夫を。たとえば厚手のカーテンや遮熱カーテンで熱の侵入を防ぎ、扇風機の風を上向きにして空気の循環を作ったり、植木などの日陰に室外機を置くだけでも冷房効率がUP!

本当にサステナブルか判断できない!→迷ったら、認証 マークがついているものを選ぶ。

サステナブル 認証マーク

現状は一部の環境配慮を誇大PRするグリーンウォッシュや虚偽の商品も多く、作り手側も背景の全情報を公開していないことがほとんど。欧州ではグリーンウォッシュの厳しい規制と監視も進んでいるけれど、日本ではまだ見極めが難しいので、まずは国際基準の認証マークを知って積極的に選んでいこう。

成分表記を気にしたり、食材にこだわるのって大変。→簡単なのは、手前どり。それだけでもフードロス削減に貢献。

手前どり コンビニ

食品の成分表記をチェックして、環境に配慮した素材を見分けるのはなかなか大変なので、ほかに何か一つでもこだわりを持っておこう。たとえば地産地消や国産のものを選んだり、棚の手前に並んでいる、賞味期限の近いものから消費する「手前どり」を心がけるだけでも、廃棄される食材を減らす貢献に。

節水したいけどつい水を流しっぱなしにしてしまう。→家庭の節水だけでなく生産背景で浪費され汚される水を考える。

ウォーターフットプリント 節水

家庭での節水ももちろん大切だけれど、ものの生産で使用・汚染される水の量(ウォーターフットプリント)を知ってみると、「消費を見直す」ことが水問題や気候変動の解決に貢献度が高いことが分かる。ウォーターフットプリントは条件によって数値が異なるが、たとえば綿のTシャツ1枚で2,900ℓ、デニム1本は1トン以上、ハンバーガー1個だけでも2,400ℓ。日本は食品の約6割を輸入に頼り、生産地での水利用を計算すると1人あたり毎日1.4トンもの水を海外から奪っていることにもなる。ちなみに、日本人が一日に使用する水の量は1人あたり平均で約200~300ℓなので、生産背景の水がいかに膨大かも感じられる。ここは水の惑星とはいえ、私たちが利用できる淡水は地球全体の水のうち、たったの0.01%ほど。それも気候変動や水質汚染によって減り続け、今後ますます水不足が深刻化するといわれるなか、貴重な水をどのように守り、有効活用するかが鍵に。環境省「仮想水計算機」なども参考に、背景の水利用・水汚染について知り、消費を見直してみて。

サステナブルを簡単にできる方法は?→ゲーム感覚でアクションができるアプリを活用!

ゲーム アプリ サステナ

何からはじめたらいいか分からないときは、スマートフォンのアプリを味方に。たとえば「actcoin(アクトコイン)」はCO2や海洋ゴミの削減、循環生活といったデイリーアクション、イベントやボランティア活動への参加、寄付といった実行報告でコインが貯まり、自分の貢献度が可視化できるので達成感も◎。

環境に配慮した生活に挫折しそう…。→個人でできることには限界が。自分を責めず、声を伝えよう!

環境先進国 運動

環境先進国のように、社会の常識や価値観が変わればサステナブルな暮らしも当たり前にできるけれど、今はまだ過渡期。個人レベルでは「できないこと」のほうが多くて当然なので自分を責めずに。変革を進めてもらうよう要望を伝えて企業や行政が動いた例は増えているので、まずは声を伝えていこう。

illustration : Aki Ishibashi text : Ayako Minato

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