【SDGs A to Z: K (Kitchen) 】キッチンでできる、エシカルアクション。 SUSTAINABLE 2023.07.01

毎日のように利用する場所だからこそ、エシカルに。食材・アイテム選びから、生ゴミの捨て方や排水方法…できることから少しずつ取り入れてみて。

食材:なるべく農薬や化学肥料不使用のものを選ぶ。

農作物の多くは生産時に大量の農薬や化学肥料が使われ、土壌生態系の破壊や大地の劣化が進む上に、川や海にも流れ込んで水質を汚染し、酸欠で海洋生物が暮らせない死の海も広がっている。なるべく農薬や化学肥料を使っていない食材を選ぶように心がけ、健全な大地と海、生物多様性を守っていきたい。

食材:週に何日かでも、肉などの動物性のものを食べない日をつくる。

肉や乳製品といった動物性食材は多くの環境問題を招く要因に。家畜は陸上哺乳類の約6割を占めるほどに増え、工業型畜産で排出される温室効果ガスは全排出量の約14%も。畜産と飼料栽培での森林・生態系破壊、水質汚染なども問題に。週に何日かはプラントベース(植物性)の食生活も取り入れて。

食材:カーボンフットプリント、ウォーターフットプリントの低い食材を選ぶ。

原料を作る→製品を作る→運ぶ→使う(冷蔵や調理など)→捨てるまでの全工程で排出される総CO2量を示すカーボンフットプリント、全工程で水をどのくらい使い、水環境をどのくらい汚したかが分かるウォーターフットプリントを目安に、負荷の低い食材を。動物性食材、輸入食材や温室栽培の品などが高め。

食材:種子自給率を上げるため、自家採種、固定種のものを選ぶ。

高度経済成長期前までは育った作物から種を取り、その種から再び作物を作る自家採種が主流だったものの、今や日本の種子自給率は10%以下。種のほとんどを海外からの輸入に頼り、大量生産に向けて品種改良されたF1種が主流に。なるべく自家採種、日本の在来種・固定種を選んで未来に手渡していこう。

アイテム:ガラス容器や竹製容器、陶器など使い回せるものを増やす。

プラスチックの容器包装やラップを使い捨てる習慣は、海洋汚染や気候変動、埋め立てによる土壌・水質汚染、さらにはプラスチックに含まれる危険な添加剤は人体への健康被害も。使い捨ての容器より、ガラスや竹製、金属や陶器など、捨てずに使い回せるもの、お気に入りの器を大切に愛用する暮らしを。

アイテム:スポンジはへちま、「びわこふきん」、セルロースなど植物性繊維のものに。

海洋プラスチック汚染は合成繊維の多さも深刻。衣服だけでなく、スポンジの素材もアクリルやナイロン、ポリエステルやメラミン樹脂といったプラスチック製で、使うたびに繊維カス(マイクロファイバー)が流出し、下水処理も通り抜けて海へ。へちまや「びわこふきん」など、植物性繊維で代用しよう。

生ゴミ:コンポストで生ゴミを肥料に。

生ゴミや食べ残しは水分を多く含むため、焼却処理の際に温度を下げてしまい、燃料を多く使用するので気候変動を加速させることにも。そんなな生ゴミはコンポストを使えば微生物などに分解され、土壌を豊かにする肥料に生まれ変わり、ゴミが大幅削減。もしくは、生ゴミを乾燥させて捨てるだけでも効果的。

排水:排水口から油や食品汚れ、汁物やラーメンなどの残り汁を流さない。

排水口は海へと繋がっている。油や汁物、食べ残しや飲み残しをシンクに流しても100%下水処理されず、これらの有機物が多量に海に流れて富栄養化、赤潮や死の海を招くなど海洋生態系のバランスを崩すことに。油や食品汚れ、お米のとぎ汁も流さず、食器についた油や汚れも拭き取ってから洗う配慮を。

排水:食器洗いやキッチン掃除には、海にやさしい洗剤を。

洗浄力の強い洗剤も、排水を通じて海を汚し海洋生物を苦しめる原因に。キッチンで使う洗剤は合成界面活性剤といった有害化学物質を含むものは避け、石鹸や植物由来、無リン洗剤などを。天然成分の重曹やクエン酸、過炭酸ナトリウムでのナチュラルクリーニングも驚くほど汚れが落ちるので楽しんでみて。

text : Ayako Minato

Videos

Pick Up