豊かな未来のために、今、みんなで考える。 「娘、息子への性教育。何から始めればいい?」4人の賢者が答える、未来のための相談室。

SUSTAINABLE 2022.08.03

全ての人が尊重される未来の実現のためには、わたしたちの悩みの解決も大切な一歩なはず。すぐには解決しなくても、どう考えればいいのかだけでも、教えて賢者たち!

Q.「4歳の娘、3歳の息子への性教育。何から始めればいい?」

3無題 (1)

娘が4歳になり、そろそろ性教育を始めなくてはと思っていますが、何から教えていいのかがわかりません。3歳の息子も、私が生理の時にトイレの様子を見て「これなーに?」と聞いてくるのですが、うまく伝えるのが難しいです。 (ピーチ/37歳)

A.1 吉村泰典「子供たちに伝える前にきちんと学び直す必要があります。」

おっしゃる通り、小学校に入る前の4歳、5歳から性教育を始めるのが大切です。子供たちは教わらないと、必ずネットで検索します。ネット上の情報は過激であったり、大きな間違いがあることも少なくありません。また正しい教育を受けないと、生物学的男女には事実として身体の違いがあるという“差異”と“差別”の区別がつかなくなってしまいます。

特に女性には、初経・妊娠・出産・閉経という精緻なメカニズムがあり、それを女性はもちろん男性にも伝えなければいけません。まずは、親である自分たちがこれまでの日本で満足な性教育を受けられなかったことを自覚しましょう。子供たちに伝える前にきちんと学び直す必要があります。正しい性教育の知識を身につければ、自ずと何から話せばいいかわかるはずです。そうして子供が小学校に入ったら学校の教材を使って教えるのがいいでしょう。

A.2 太田啓子「一緒に絵本を読んで、「ママにも勉強になった」と話すくらいでもいいと思います。」

最近、子育て世代に性教育への関心がとても高まっていますね。教え方がわからないのは当然です。今の子育て世代はまともな性教育を受けていませんので。子供に教えるというより、一緒に学ぶという姿勢で気楽に構えればいいと思います。一緒に絵本を読んで、「ママにも勉強になった」と話すくらいでもいいと思います。

親向けですがぜひお勧めしたいのは『おうち性教育はじめます』(村瀬幸浩、フクチマミ・著/KADOKAWA)。生理のことも含め、子供にこう聞かれたらどうしよう?という具体的なヒントがたくさん詰まっています。理科の質問に答えるように真面目に科学的に説明するのがいいと思いますよ。

Answerers

◆吉村泰典(よしむら・やすのり)/産婦人科医師・慶應義塾大学名誉教授・ウィメンズ・ヘルス・アクション代表。生殖医療の第一人者として、不妊症、分娩など数多くの患者の治療を担当。ウィメンズ・ヘルス・アクションのメディア「わたしたちのヘルシー」(https://watashitachino-healthy.com/)にて、心と体の話を始めるきっかけを発信している。

◆太田啓子(おおた・けいこ)/弁護士。神奈川県弁護士会所属。明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)メンバーとして、主に離婚、セクシャルハラスメント、性被害などの案件を手がける。近著に『これからの男の子たちへ「 男らしさ」から自由になるためのレッスン』(大月書店)など。

◆イシヅカユウ/モデル・俳優。1991年生まれ。2021年に、文月悠光の詩を原案とした短編映画『片袖の魚』で主演としてスクリーンデビューを果たす。雑誌やCM、ショーなどさまざまな媒体で活躍中。体が男性として生まれながら女性のアイデンティティを持つMtFであると公表している。

◆鈴木涼美(すずき・すずみ)/社会学者・作家。1983年生まれ。慶應義塾大学在学中にAVデビューしたのち、東京大学大学院を修了し、日本経済新聞社記者を経て作家に。書評から恋愛エッセイまで幅広く執筆。近著に『ニッポンのおじさん』(角川書店)、『娼婦の本棚』(中央公論新社)など。

(Hanako1210号掲載/illustration : Suzu Saito text & edit : Rio Hirai, Uno Kawabata (FIUME Inc.))

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