神社仏閣、ここから好きになる! 見に行く価値あり!【全国】“ディテール”に目を奪われる注目の寺社5選 TRAVEL 2020.09.13

神聖な中にも、パッと見、驚く装飾を持ち合わせた寺社があります。それはもはや芸術であったり、時にはハイテクであったり。そこで今回は、とにかく“ディテール”を見に行く価値ありの5社を紹介します。

1.寄付を鳥居に代えたことによって、神社が一躍観光名所に復活。〈元乃隅神社〉/山口

この美しい景色は人々の善意の結晶。
この美しい景色は人々の善意の結晶。

青い海をバックに無数の鳥居が連なるこの絶景!断崖の参道入口から山側に立つ本殿まで、なんと123基も連なっているという。その数が増え始めたのは、今から40年以上前のこと。地元住人の寄付で鳥居を建てたところ、それが喜ばれ、さらに寄付が集まり、また鳥居を建てる...という積み重ねで今の美しい景色が実現したのだ。2015年にはアメリカのCNNで、「日本の最も美しい場所31選」として紹介されたこともある、世界に誇る名所。

〈元乃隅神社(もとのすみじんじゃ)〉
高さ約5mの位置に取り付けられた賽銭箱も話題の神社。
■山口県長門市油谷津黄498
■0837-26-0708(長門市観光案内所 YUKUTE)
■5:30〜17:30

2.虎退治の生き生きとした描写が色鮮やかに広がる。〈西福寺 開山堂〉/新潟

天井いっぱいの石川雲蝶ワールド。
天井いっぱいの石川雲蝶ワールド。

まるで美術館を訪れたような見事な彫刻が鑑賞できるのは、新潟県にある西福寺の開山堂。作石川雲蝶。とくに目を引くのは、三間四方全面に施された、躍動感ある極彩色の天井彫刻。曹洞宗の開祖である道元禅師が、宋国での修行中に虎に襲われ、持っていた杖を投げ打つと、それが龍に変わって虎を追い払った、という逸話がモチーフとなっている。その迫力たるや、者は、江戸末期に活躍した稀代の彫物師・いしかわうんちょうらんま今にも動きだしそうなほど。ほかにも、欄間の透かし彫刻や、お堂正面の向拝に施されたからすてんぐほうおう烏天狗や鳳凰など、見所がいっぱい。

〈西福寺 開山堂(さいふくじかいざんどう)〉
本堂の左手にある開山堂。1857年に建立され、彫刻以外にも、絵画、漆喰細工など、雲蝶の作品がさまざま見受けられる。
■新潟県魚沼市大浦174
■025-792-3032
■10:00〜15:40

3.“これ以上落ちない”大仏様は、とくに受験シーズンに大人気。〈寛永寺 上野大仏〉/東京

お顔に触るとご利益が得られる!?
お顔に触るとご利益が得られる!?

お顔だけドンと安置された珍しい大仏様。1631年、上野の寛永寺に建てられた当時は全長6mの大仏だったそうだけど、震災で倒壊するなど災難にたびたび見舞われ、現在はこのような形に。とはいえ、「お顔だけでもよくぞ残った」「これ以上落ちない!」と受験生が合格祈願に続々参拝。頑張る学生たちを優しく見守っているのです。お顔に触るとご利益が得られるとウワサ。

〈寛永寺(かんえいじ)上野大仏〉
上野大仏は寛永寺ではなく、上野公園の大仏山に安置されている。
■東京都台東区上野公園4-8
■03-3821-4440
■10:00〜16:00

4.お像の前に賽銭箱がずらり。自分に必要な言葉をいただいて。〈法乗院えんま堂〉/東京

ピカッと光る&しゃべる閻魔様。
ピカッと光る&しゃべる閻魔様。

開山は1629年。“江戸三えんま”として親しまれてきたが、近年本堂が改築され、なんともハイテクな閻魔様が降臨。まず、驚くのがお像の前にずらっと並んだ賽銭箱。息災延命、商売繁盛などのほかに、浮気封じ、うそ封じなども!目的に合わせてお賽銭を入れると、照明がピカッと光って、閻魔様がありがたいお言葉を授けてくれる。最近、気が緩みがち...なんて時にも活を入れてもらいにぜひ。

〈法乗院(ほうじょういん)えんま堂〉
全高3.5mと迫力満点。閻魔様のお膝元には見返り不動明王が安置。
■東京都江東区深川2-16-3
■03-3641-1652
■9:00〜17:00

5.珠をくわえた存在感ある魚の正体は僧侶に時を知らせる役割なのでした 。〈萬福寺〉/京都

お堂の軒下に巨大な魚がどーんと!
お堂の軒下に巨大な魚がどーんと!

三禅宗の一つである黄檗宗の大本山。その斎堂と呼ばれる食堂の外に吊るされているのが、こちらの大きな木製の魚。“開梆”といって、日常の食事や儀式の時を知らせる法具。おもに禅宗で用いられているものだが、萬福寺の開梆は横幅が2m以上ととにかく大きい。さすが大本山!お腹にある叩いたあとが、使い込まれた様子を感じさせる。今ももちろん現役なので、その音色を聞きに訪れてみては?

〈萬福寺(まんぷくじ)〉
写真は本堂である大雄寶殿を正面から見た様子。現在の開梆は3代目だそう。
■京都府宇治市五ヶ庄三番割34
■0774-32-3900
■9:00〜16:30(受付終了)

(Hanako特別編集 合本・完全保存版『幸せをよぶ、神社とお寺。』掲載/photo:Hiro Nagoya text:Nami Hotehama)

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