恋愛、仕事、お金、人間関係… 「夫に察してほしい…」人気尼さんが女子の恋愛&人間関係の悩みにお答えします! LEARN 2020.01.14

恋愛、仕事、お金、人間関係…尽きることない悩みの数々。ひとりで考えるのもいいですが、人の助言に耳を傾けることも大事。そこで、女性としての目線に仏教の教えをプラスした人生のヒントを、尼さんに聞きました。

Q.結婚とは所詮他人同士の付き合いなので自分の思い通りにならないことは重々承知ですが、それでも共に生活する中でイライラしてしまいます。結婚生活が極力苦にならずに過ごすためのスタンスや考え方はあるのでしょうか。(専業主婦 29歳)

A.夫婦関係でストレスを抱えていらっしゃる女性には、その原因を相手に伝えられていない方が多いように思います。「察してほしい空気は出しているのに」とおっしゃる方もいるのですが、察する力がある男性ならとっくに動いているはずです。仕事が忙しい男性は「妻は少し不満そうだけど、なんだかんだ家事をやってくれているし、きっと大丈夫だろう」という都合の良い解釈をしてしまうもの。何も気づいていない鈍感な方だっているでしょう。はっきりと言葉で伝えないと何も変わらないのです。思い切って「プチ家出」をしてみるのも効果的かもしれません。3日でも1週間でも、自分だけで生活をしてみたら家事の大変さがわかるはずです。

パートナーとはいつだって対等であるべきだと、私は思います。既婚の方も未婚の方も、人生設計において男性に寄りかかり過ぎることはよくありません。現在あなたが経済的に夫に頼っているとしたら、最低限、自分の分は自分で稼ぐくらいの逞しさは持っていていただきたい。夫の会社が急に倒産することだって、彼が大病にかかってしまう可能性だってあります。窮地に陥っても常に自分の足で立ち上がれる状態でいてほしいのです。

Q.友人とは狭く深く付き合う派なので、職場の同僚(主に女性)のうわべだけの会話が苦手です。自分の許容が狭いのかもしれませんが興味が持てません。(IT業界営業 29歳)

A.ご自身の人生の時間は限られています。無駄な時間を使う必要はありません。その方たちとの付き合いからは、身を引いて良いと思います。時には、お誘いを断る勇気も大切です。それが自分の時間を有効活用することにつながるのです。どうしても断りにくいというなら、あなたは八方美人でいたいのかもしれません。結局、相手も八方美人である可能性が高いので、その関係が今後良い方向に発展することはないでしょう。毎日のイライラよりも、一回の思い切りです。

ただ、本当に辛い時に愚痴を聞いてくれる相手、ちょっとお酒を飲みたい時に付き合ってくれる友人など、自分が頼れる相手は年齢性別問わず大切にしましょう。「自分1人でなんでもやれる」という考え方は「孤立」へ向かうだけなので避けましょう。仏教において、ほかと「共生」できることこそが真の「自立」とされています。他人や社会とうまく結びついている状態が、自分自身で生きていることを意味するのです。

本日の教訓

一.不満ははっきりと相手に伝える。

二.将来設計を男性に丸投げしない。

三.孤立ではなく自立した女性になる。

〈道心寺〉(尼崎に2020年春開山予定)露の団姫さん「自立とは共生。いかなる時も自分の足で歩いていける人間であれ」

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【PROFILE】
2002年 法華経に出合う
2005年 露の団四郎に入門
2011年 天台宗で得度、結婚
2012年 比叡山延暦寺で修行し僧侶へ
2020年 道心寺(仮称)開山予定

高校在学中に人生の指針となる法華経に出合う。落語家と尼僧の道で悩む中、落語の創始者、初代・露の五郎兵衛は僧侶であり、説法を面白おかしく話したことが落語の起源と知り、高校卒業を機に初代・露の五郎兵衛の流れを汲む露の団四郎に入門。出家後、比叡山行院で四度加行を受け正式な天台僧となる。現在は年間250席以上の高座とTVやラジオへの出演、仏教のPR活動で全国を奔走。2020年春、兵庫県尼崎市に道心寺(仮称)を開山予定。

(Hanako1180号掲載/photo : Maruo Kono illustration : Chiiko Hoshino text : Satoko Muroga, Rio Hirai)

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