精神科医・星野概念のあまから恋わずらい No.19「香り」
2019.09.02

あなたはどう思う? 精神科医・星野概念のあまから恋わずらい No.19「香り」

Hanako本誌で連載中の精神科医・星野概念さん「あまから恋わずらい」を掲載。今回は、1176号「京都の、ほんと」特集よりお届けします。

編集部 / Hanako編集部

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今回のテーマは、「香り」と恋。

今回のHanakoの第2特集は「香り」。
恐らく香りは様々な生物にとって重要です。目で見て危険性が分からないものも、香りで判断できることがあり、例えば、見た目はぐちゃっとしている食べ物でも、発酵しているものと腐敗しているものでは香りが違います。「くさい」の種類が違うのです。発酵しているものは体に良いけど、腐敗しているものは具合が悪くなる。これは大きな違いです。

個人的に香りで連想されるのは香水です。僕は高校時代、〈カルバンクライン〉の「ck-one」という香水が好きでした。先輩がこれを使うのを見てとても憧れたのを覚えています。貯金をして手に入れた時はとても嬉しく、毎日噴出口を嗅ぎながら香水デビューできる日を待ちました。そして、ついに合コンの日。女子と時を過ごすのには慣れていませんでしたが、香りで全員魅了できると信じて香水をシュッシュ。でも手首とかにさりげなくつけるだけでは足りない気がします。もっともっと。そうしているうちに、鼻が慣れたのか、気づくとシャツ全体が濡れるほどつけていて、そのまま出かけました。

きっと香りの塊が歩いているような異様さがあったと思いますが、自分では気づかず結局その日の合コンでは「くさい」としか言われませんでした。その「くさい」は間違いなく危険な方。この日が大きなトラウマ体験になり、帰宅後香水を処分。僕は現在香水を一つも持っていません。

星野概念(ほしの・がいねん)/精神科医として総合病院に勤務。雑誌・webでの執筆業や、音楽活動も行う。いとうせいこう氏との共著『ラブという薬』が発売中。

(Hanako1176号掲載/illustration:Misaki Tanaka text:Gainen Hoshino)

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