「新型栄養失調」の子どもが増えている!? その原因と気を付けておきたいこと MAMA 2020.06.18

日本で多くの人が栄養失調になったのは、戦後間もなく食糧不足により十分な食事が食べられない時代のことでした。また、現代でも発展途上国や戦争が起きている地域では栄養不足が原因で亡くなる子ども達も多くいます。

しかし、食糧にあふれる今の日本でも、1日3食きちんと食べているのに栄養失調になってしまう人が増えているのだそうです。食事により摂取しているカロリーは足りているのに、たんぱく質やビタミン、ミネラルといったある特定の栄養素の不足により引きおこされる栄養欠乏症状のことを「新型栄養失調」と言います。

新型栄養失調の原因

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新型栄養失調の原因は様々です。子どもの場合、偏食や野菜嫌い、お菓子の食べすぎなどが原因で、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足している可能性があります。

若い女性の場合、食事制限や糖質制限などのダイエットが原因で、肉や魚などのたんぱく質や糖質が不足している可能性があります。若い男性や中年男性の場合、インスタント食品や外食などが原因で、野菜不足によるビタミン、ミネラル、食物繊維が不足している可能性があります。

高齢者の場合、加齢による偏食や粗食により、さっぱりした食べ物を好み肉や卵が敬遠され、動物性たんぱく質が不足している可能性があります。

子どもの新型栄養失調について

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このように、各年代で原因は様々ですが、ここでは子どもの新型栄養失調のリスクについてお伝えします。

ハウス食品株式会社が6~8歳の子どもを対象に行った調査によると、約8割の子どもが炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素は必要量を摂取できているのに、ビタミン、ミネラル、食物繊維をあまり摂取できていないことが分かりました。野菜や果物に多く含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維は三大栄養素の働きを助ける役割があります。

また、ビタミンは人体の機能を正常に保つために欠かせない栄養素で、体内ではほとんど作ることができないため食品から摂取する必要があります。ある特定の栄養素が不足した状態が続いてしまうと新型栄養失調になるリスクがあるのです。

子どもの新型栄養失調を防ぐために

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子どもに栄養のあるものを食べさせたいという親の気持ちとは裏腹に、子どもは魚や野菜などの嫌いな食材を食べてくれません。だからと言って、子どもが好きな食事ばかりを食べさせてしまったり、お菓子やジュースの与えすぎで食事が食べられなくなってしまうと、栄養が偏ってしまいます。

新型栄養失調を防ぐには、色々な食材をバランス良く食べることが最も重要です。
例えば、いつも決まった食材を買うのではなく、スーパーの店頭にある普段あまり買わない旬の食材を買ってみるのも良いでしょう。
今の時期の野菜なら冬瓜やズッキーニ、果物ならあんずやびわなどに挑戦してみてはいかがですか。
旬の食材は値段が安く、栄養価が高いというメリットがあります。
子どもが新たな食材に出会え、好きになるかもしれません。
また、子ども向けに野菜を型抜きしてあげたり、ピックを刺すだけでもお子さまランチの気分が味わえます。
時には惣菜や加工食品を組み合わせながら、バランス良く様々な食材を食べるように心がけましょう。

子どもが毎日元気に過ごしているのであれば、過剰に心配する必要はありません。 しかし、子どもの体重の急激な増減や、元気が無いとか風邪を引きやすくなったなどの体調の変化を見逃さないようにしてあげましょう。

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