フェアトレードや有機の意味っていまさら聞きにくいかも…?未来のために食からできること MAMA 2019.08.21

誰かの犠牲によって作られた商品をあなたは買いたいですか。
この問いに「Yes」と答える人は誰もいないでしょう。
しかし、私たちの周りで売られている様々な商品は、知らないところで奴隷のような扱いの低賃金労働や児童労働や動物虐待に関わっているかもしれません。
商品を選ぶときに、単に値段や見た目だけで判断するのではなく、人・社会・環境に配慮した商品を選択する手掛かりとなる取り組みをご紹介します。

フェアトレード

(国際フェアトレード認証ロゴマーク)
(国際フェアトレード認証ロゴマーク)

驚くほど安い値段で売られている商品を目にすることがあります。
この商品が販売されるまでの背景には、発展途上国での低賃金労働や、児童労働が行われていたり、過剰な程の農薬散布により労働者に健康被害を及ぼしたりしている可能性が潜んでいます。
例えば、子ども達が大好きなチョコレート。
チョコレートの原材料であるカカオ豆は、主に西アフリカで生産され日本に輸入されています。
発展途上国でカカオ豆の生産に関わっているのが、低賃金で働かされている子ども達です。
児童労働という問題を断ち切るため、発展途上国の生産者と適切な価格で継続的に取引をすることで、生活の改善と自立を図る試みが世界的に広がりつつあります。
この取り組みを「フェアトレード」と言います。
日本でもチョコレートやコーヒ―豆などの商品で、国際フェアトレード認証のマークが付けられているものをよく目にするようになりました。
フェアトレードマークが付いているチョコレートを購入することで、世界のどこかで子ども達の幸せを手助けできるのです。

アニマルウェルフェア

(ウェルフェアフードロゴマーク)
(ウェルフェアフードロゴマーク)

生産性を追求し、短期間で狭いゲージの中で育てられた鶏の卵と、広い環境の中でのびのびと育った鶏の卵は、スーパーでは値段に差があります。
安い方を買う人、安心で美味しいから高くても生産者の顔が見える卵を買う人、様々だと思います。
商品を選ぶ選択肢の中に、さらに動物虐待防止という観点を入れてみてはどうでしょうか。
「アニマルウェルフェア」という言葉を聞いたことはありますか。
「アニマルウェルフェア」とは、動物の立場に立ち、人間が動物に対して与える痛みや苦痛を最小限に抑えることで、飼育されているすべての動物の生活の質を高めようとする考え方です。
大量生産を重視し、狭い環境で濃厚飼料を無理やり食べさせて、多くの薬やワクチンを打って育った家畜と、広い環境でストレスをできるだけ少なくしてのびのびと育った家畜のどちらを食べたいと思いますか。

有機JAS

(有機JASマーク)
(有機JASマーク)

有機(オーガニック)というと何となく体によさそうといったイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
有機JASマークは、農薬や化学肥料に頼らず、遺伝子組み換え技術を使用せず、自然の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料及び畜産物に付けられています。
安全性が高いということに加えて、それと同じくらい大事なのが、人や環境にもやさしいということです。
農薬散布による生産者の健康被害を無くします。
また、農薬や化学肥料が土に残って雨水により海まで運ばれ、それを魚たちが食べて、その魚を人間が食べるといった負の食物連鎖を防ぎます。
有機製法は、農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土・微生物の力を活かして生産することによって、自然のままの健全な自然循環機能を構築しているのです。

最後に

5- (1) フェア

日本でも少しずつ広がってきているフェアトレード、アニマルウェルフェア、有機JASですが、まだまだ先進国の中では遅れています。
2020東京オリンピック・パラリンピックでは、人や環境保護への意識の高いアスリートや観光客が海外からたくさん訪れます。
世界に誇れる日本の食料事情になるためにも、今から一人ひとりの思いやりと責任をもった行動が大切です。

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