小池栄子のお悩み相談室 第16回:「常にスマホが手放せない私は“スマホ依存症”でしょうか」 (35歳・営業事務) LEARN 2023.08.01

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。

――スマホひとつあれば手軽に、そしてたくさんの情報を一気に手に入れられる時代。便利なツールはどんどん使うべきだと思う一方で、つい頼りすぎてしまう、無意識にスマホを開いている、知らず知らずの間に“スマホ依存症”になっていた、なんて人も…。本日のお悩みには、ハッとさせられる方もきっと多いはず。

本日のお悩み

ガラケーからスマホに変えて早10年以上。朝、枕元に置いていたスマホを見るところからスタートし、トイレに行くのも、仕事の間も、道を歩いている時も、電車移動中も、お風呂に入っている時も常にスマホをチェック。誰かとご飯を食べる時にも、ついスマホを机の上に置いてちらちら確認してしまうし、休みの日には朝から晩までゴロゴロしながらサイトやYouTube、マンガを見たりして「もう夕方か…」と暗い気持ちになったりも。ちなみに、自分のSNSを頻繁に更新したりはしていませんが、他人のSNSを見るとはなしに見ていることも多いです。正直“絶対知りたいこと”ではないと思うのですが、やめられません。小池さんはスマホとの付き合い方にルールを設けていますか? また、スマホ依存しすぎる人のことをどう思われますか? スマホに限らず、依存しすぎる心を自制する方法などあるものでしょうか。(35歳・営業事務)

――“スマホ依存”を自覚されている方からの相談です。小池さんは、この方の依存についてどう思われますか?

私も全く一緒の“スマホ依存”です(笑)。

――そうなんですね。

トイレやお風呂にも持って行くし、お風呂ではシャワーを浴びながらもずっとドラマを観てますもん。だからみんなからよく「返信が速い」なんて驚かれるんですが。常に持っているから、“超依存”ですよ(笑)。

――“超”とは、依存をさらに超えてきましたね(笑)。

見られたくないものがあるわけでもないけど、どこかに置きっぱなしにする‥ということはなく、家の中でも持ち歩いている状態。もうスマホは相棒みたいな感じで。お財布を忘れるより怖いかも。

――スマホがあれば買い物もできちゃいますもんね。

一度、電車とホームの間にスマホを落としちゃったことがあって。覚えている電話番号なんて夫と実家ぐらいだから、あの時どうやってマネージャーさんに連絡したんだろう? とりあえず線路から引き上げてもらうまで、生きた心地がしませんでした。

――いや〜すごくよくわかります。スマホがないだけで何もできなくなるほど、もう生活の一部…いや自分の一部と言っても過言ではないですもんね。

そうそう。それに私の場合は犬を飼っているから、私が仕事で家を空けている時とか、犬と離れている時に、万が一何かがあったらすぐに連絡取れる状態でいたいというのもあって。

――小さいお子さんがいらっしゃる方とか、介護されている方なんかもそうですよね。

そう思います。いいんじゃない? そういう時代になったんだから、依存しちゃってても。もちろんみんなと食事中にも触ってないとダメってなると重度のような気がするけど、TPOをわきまえて、人に迷惑かけない付き合い方ができるなら、私は全然悪いことじゃないと思います。それより怖いのは、ネットの情報を何でも信じてしまうことかも。

――なるほど。小池さんは逆側の立場ですもんね。誇張された記事や、フェイクニュースなどを信じられてしまうのは迷惑ですよね。

だって、うちの母親ですら「栄子、こんなこと書かれてるけど大丈夫?」って、真実じゃない記事を信用して連絡してきますから。娘が「違う」って言ってるのに、ネットの記事を信じてしまうって、どう思います?(笑)

――せめて家族には、信じてほしいです(笑)。

ですよね(笑)。スマホ自体の依存というより、そこから得た情報に依存していないか、常に気を付けたいですよね。

――ちなみにこの相談者は、休みの日にゴロゴロしながらひたすらスマホを見ていて、気づいたら夕方になっていることに虚しさも感じているのでしょうか。スマホばかり見ていたって、生産性がないとわかっていながら。

でもいつも思うのが、無駄があってこそ。ある程度数を見ることも、必要な気がするんですけどね。だって無駄な情報がほとんどだったとしても、その中に好きなことを発見したりするかもしれないし、それに人ってなんでも、満足し切らないと手放せないような気がするから。だから本当に嫌になる時が来るまで、とことんやり続けてもいいのではないでしょうか。だから「もう夕方か」なんて、落ち込むことはないと思いますよ。

――今のままでいいと。

はい。それでももし自制したいと思うなら、休みの日は一日スマホの電源をオフにするのもありかも。一日が難しければ、数時間でもいいかもしれませんね。

スマホを使って舞台をチェックしたり、ごはん屋さんに行ったり。上手に付き合って、どんどん活用しないと!

――ちなみに小池さんはスマホに対して“超依存”とおっしゃっていましたが、それを象徴するエピソードなどはありますか?

仕事中はもちろん見ないですが、移動中の車内でも家でも、それこそ先ほど言ったようにお風呂でも、常に手にしています。外を歩いている時もイヤホンをして、スマホから音楽を聴いているし。そうしたらこの前、道で知り合いに話しかけられたことに気づかなくて。ズンズンと歩いてたら、その人が走ってきて「おい小池! もっと鳥の声を聴け!」って怒られたんです(笑)。確かに反省して、ごめんなさいってなりました。

――あははは(笑)。スマホ依存が原因で後悔したことは、なにかありますか?

夜中にスマホを開いちゃうと、(ターゲティング広告などによって)自分の好みの情報やアイテムがどんどん出てきて、そんなに欲しくないのについポチっちゃうこともありますよね。

――ありますね。逆にスマホを使っていてよかったと思うことは、なんでしょうか。

舞台や公演の情報をキャッチしたり、調べたりできることかな。例えば以前は『シアターガイド』という演劇情報誌があったんですけど、それが休刊になってしまってからは、スマホを使ってネットで調べるようになりました。舞台って気づいたら終わっちゃってた! ということが多いですから、簡単に調べられるのは嬉しいです。あとは映画でも、口コミがいいから観に行ってみようかなと思ったり。

――スマホの情報で出会う作品もあるんですね。

そうですね。それから、自分の好きな人のSNSを見て、その人があげていたご飯屋さんに行ったりもしますよ。「○○さんのSNSを見てきました!あの人が美味しいって書いてるなら信用できるから」って感じで。

――便利になったことも圧倒的に多いですね。

付き合い方の問題だと思うんですよね。だから私はどんどん活用しちゃってます。

Photo : Syu Yamamoto text : Aya Wakayama

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