n_stimbre_6

連載「拝啓、〈星〉へいらっしゃいませんか?」/第10回 シンガポールのローカルフードが集う!国民の台所「ホーカーセンター」の楽しみ方。【元ハナコのシンガポール書簡】 Learn 2018.04.04

第10回はホーカーセンターについて。ホーカー=屋台は、シンガポールの国民の台所。ホーカーをシンガポールの食文化の1つとして盛り上げていこう、という流れから、新しいスタイルのホーカーセンターが生まれています。

シンガポール人にとっての国民の台所ともいうべき存在が、ホーカーセンター(以下「ホーカー」と略)と呼ばれる屋台の集まる施設です。チキンライスやビーフン、肉骨茶など、ローカルフードがリーズナブルにいただけるとあって、観光客にも人気。

ただ、施設といってもオープンエア。扇風機やファンが回っていたりはするものの、ここでの食事は基本的に暑い……。そのため、シンガポールの若い子からは「ごはんはショッピングモールのフードコートとかファストフードに行っちゃう。だって、ホーカーって暑いんだもん」なんて意見も多く聞かれます。

ホーカーの様子は、たとえばこんな感じ。

s_IMG_5556

このままではホーカーの客が減ってしまう! シンガポールの食文化の1つとして守らねば! という危惧から、昨今、若者ユーザーを虜にする新しいスタイルのホーカーが生まれはじめています。

生ライブを聴きながら、クオリティの高い食事を堪能

その代表例が2016年にオープンした「Timbre+」です。ここの特徴は、レストラングレードの食事と音楽が楽しめること。

sIMG_3748

一般的なローカルフード屋台に加え、「哲平食堂」や「ギャルソン・エクスプレス」など、国内の人気レストランが屋台として出店。屋台形式ゆえ、本店でいただくよりも価格が抑えられています。

stimbre_2
stimbre_3

また、約200種にも及ぶクラフトビールもスタンバイ。

stimbre_4

日曜日以外は毎夜、中央のステージでローカルバンドによる音楽ライブが開催されているので、おいしい食事とお酒を堪能しながら、音楽にも酔えるというわけ。

stimbre_5

「料理人やミュージシャンなど、シンガポールの才能を発掘することを目的としています。わたしたちの間では、ここをホーカーではなく「ガストロ・パーク」と呼んでいるんですよ」(広報・デボラさん)

利用客の中心層は20〜30代の学生や働く人びと。小さな子連れのファミリーもいて、若い世代の集客に見事成功しています。

stimbre_6

【Timbre+】
■住所:73A Ayer Rajah Cresent JTC LaunchPad @ one-north, Singapore 139957
■アクセス:MRT Circle Line(黄色)「One North」駅より徒歩1分
■営業時間:6:00〜24:00(金土〜翌1:00) 、日11:00〜22:00(屋台により異なる。ライブの予定はウェブサイトを参照)
■定休日: 無休(屋台により異なる)
■URL:https://timbreplus.sg

若い店主のアイディアに期待したい、最新ホーカー

2018年1月末にオープンしたばかりの「Pasir Ris Central Hawker Centre」でも、新しいチャレンジがなされています。

sIMG_54881

2階建て構造で、その2階スペースの屋台主を若い世代のオーナーに担わせています(1階には一般的なローカルフード屋台が軒を連ねる)。ホーカーに興味を持つ新世代に屋台運営をたくし、シンガポールのグルメシーンをもっと盛り上げていこう! というのが目的なのだそう。

spasir_21

足を運んでみると、スタッフが確かに若い。提供される料理はハンバーガーもあれば、創作イタリアンも、アイスクリームもあり。すべて、このホーカーにしかないオリジナル屋台ばかり。

pasir_32
spasir_41

写真はブラウンライスを使ったヘルシーな和牛丼と、大海老の混ぜ麺。

sIMG_55251
sIMG_5531

ドリンクはシンガポールの地ビールと、ノンアルコールのカクテル。

spasir_7

敷地の隣には公園が広がり、心地よい樹々の眺め。天井が高く、大きなファンがついていて、風通し抜群の最高に心地よい空間です。

同ホーカーの試みの背景には、屋台主へ挑戦をしてみたいという若者が、実は昨今増えているという現状があります。まったく異なる分野を大学で専攻していたにもかかわらず、屋台主として起業を希望する人や、飲食業界未経験の他業種からの転職組が現れているのです。こういった人びとに出資サポートをする企業まで出てきているものの、肝心の屋台スペースが満床という問題に直面し、挑戦の場を提供する形で創設されたのがPasir Ris Central Hawker Centreなのでした。

いままでホーカーに行くと、お手洗いは綺麗かしら、という不安がつきものでしたが、新しい施設なので、心配は無用。どちらも都心から若干離れているのが玉に瑕……なのですが、シンガポールの新しい流れを体感しに訪れてみてもらいたいです。

【Pasir Ris Central Hawker Centre】
■住所:110 Pasir Ris Central, Singapore 519641
■アクセス:MRT East-West Line(緑)「Pasir Ris」駅より徒歩3分
■営業時間:7:00〜22:30(ただし屋台により異なる)
■定休日: 無休(ただし屋台により異なる)

☆前回の記事、リトル・インディアはコチラ!
☆これまでの連載はコチラ!

Videos

Pick Up

記事4_top_1Peachで行く、奄美大島 (直行便!) の旅④ | カヌーで巡るマングローブ原生林、海が青すぎる展望台…世界自然遺産を体感!絶滅危惧種を含むユニークな動植物が数多く生息する鹿児島県の奄美大島。奄美群島のひとつである徳之島、沖縄島北部、西表島とともに2021年に世界自然遺産に登録され、海外からも熱い視線が集まっています。 サンゴを育む奄美ブルーの海と白砂がまぶしいビーチ、アマミノクロウサギをはじめとする天然記念物も暮らす亜熱帯の森やマングローブの原生林。地球の宝ともいえる、奄美ならではの美しい自然を味わってみませんか? 奄美大島は「アクセスが良くない」というイメージもありますが、LCCのPeachが運航する直行便なら、成田空港から約3時間、関西空港から約2時間。そして時期によっては片道4,990円からとリーズナブル! “遠い楽園”が身近になるPeachの直行便で奄美大島2泊3日の旅に出たのは、ハナコラボパートナーである藤井茉莉花さん。今回は美しい海岸と展望台、マングローブの森でのカヌーツアーを体験した絶景&アクティビティ編をお届けします。 ※奄美群島のアクティビティの情報は、「あまみシマ博覧会」のサイトでも探せます。 https://www.amami-shimahaku.com/ 公式サイトはこちらTravel 2023.03.22 PR
お散歩がてら“おいしい”を満喫!東京・町田のレトロなグルメスポット5選お散歩がてら“おいしい”を満喫!東京・町田のレトロなグルメスポット5選いま最も注目を集めるスポット・町田。活気あふれる商店街を始め、地元の人に愛される洋食店、100年以上続く名店など、気になるお店が盛りだくさんなんです。そこで、今回は“レトロ”をキーワードに、いま行くべきグルメスポットを厳選。次の休日、きっと町田に行きたくなる!(PR/町田市)Food 2023.03.22 PR
SPpeachPeachで行く、奄美大島 (直行便!) の旅。2021年に世界自然遺産に登録された鹿児島県の奄美大島。一年を通して比較的温暖で豊かな森も美しい海も楽しめ、旅先に選ぶ人が増えています。 簡単におさらいしておくと、奄美大島は鹿児島本土と沖縄の間の洋上に浮かぶ離島。加計呂麻島や徳之島、沖永良部島など周辺の島々を合わせて奄美群島と呼び、フェリーや飛行機を使って群島ホッピングも可能です。 そんな奄美大島、いざ行くとなると「アクセスが良くなさそう」「航空券も高くなるのでは」と心配の声が聞こえてきますが…。大丈夫です! 日本のLCCを代表するPeachなら、奄美への直行便があるのです。成田空港から約3時間、関西空港から約2時間、そして(時期にもよりますが)片道4990円からとリーズナブル。これは、躊躇していたら損!Travel 2023.02.28 PR
記事2_top_1Peachで行く、奄美大島 (直行便!) の旅② | とれたての海鮮丼から、島唄居酒屋で歌って踊って!?2021年に世界自然遺産に登録された鹿児島県の奄美大島。一年を通して比較的温暖で、豊かな森も美しい海も楽しめ、「沖縄より混雑していない」ことでも注目されて、旅先に選ぶ人が増えています。 簡単におさらいしておくと、奄美大島は鹿児島本土と沖縄の間の洋上に浮かぶ離島。加計呂麻島や徳之島、沖永良部島など周辺の島々を合わせて奄美群島と呼び、フェリーや飛行機を使って群島ホッピングも可能です。 そんな奄美大島、いざ行くとなると「アクセスが良くなさそう」「航空券も高いのでは」と心配の声が聞こえてきますが…。大丈夫です!日本のLCCを代表するPeachなら奄美への直行便があるのです。成田空港から約3時間、関西空港から約2時間、そして(時期にもよりますが)片道4,990円からとリーズナブル。これは、躊躇していたら損! そこで、ハナコラボ パートナーである藤井茉莉花さんが奄美大島2泊3日の旅へ。 奄美に魅せられて移住し、現在は多拠点でライターや通訳士として活動する藤原志帆さん(https://enjoy-amami.com/)に教わったおすすめスポットをまわります。 今回は海鮮丼、島唄割烹、お土産のセレクトショップなど、グルメ&お買い物編をお届けします。 公式サイトはこちらTravel 2023.03.07 PR