秘密の台湾 お寺で評判の地元ごはんを。〈慈聖宮〉/秘密の台湾 REPORT no.21 LEARN 2022.09.19

お寺は台湾人の暮らしに非常に近い存在。悩みや問題を神様に相談したり、屋台で朝食や昼食をとりながら休憩するサードプレイスなのです。本誌連載『秘密の台湾』よりお届け。

台湾で昔ながらのライフスタイルを体験するのなら、台北の大稻埕(ダーダオチュン)に行ってみよう。港に隣接していることから、100年前には交易や商売がさかんな地として、今は古い建物をリノベーションしたカフェやレストランが立ち並ぶ人気スポットとして、いつの時代でもにぎわっている。

お寺の前に多種多様な屋台が一列に並ぶ。朝9時から午後までの間、食事をする人々は日常の風景の一つに。
お寺の前に多種多様な屋台が一列に並ぶ。朝9時から午後までの間、食事をする人々は日常の風景の一つに。

特に霞海城隍廟(シアハイチェンホワンミャオ)、慈聖宮(チーシェンゴン)といったお寺には、年配の人から親子連れまで、地元の人がやってきては広場でひと休みするのが日課。そして、知り合いを見かけたら、「ニーハオ」の代わりに「ごはんを食べましたか?」と言葉を交わす。食は台湾の人にとって重要だから、挨拶の言葉も食にまつわる。

台湾では人の集まるところにおいしいものありとされるが、慈聖宮にはガジュマルの樹の前に、創業何十年もの老舗屋台がずらりと並んでいる。どこに行けばいいのか、迷ってしまうほどだけど、まずは江家原汁排骨湯(ジャンジャーユエンハンパイグータン)、葉家肉粥(イエジャールゴウ)、許仔豬脚麵線(シュージャイズージャオミーシェン)の3つの屋台を目指して、豚のクリアスープ、肉入りのお粥、豚足そうめんを買い回ろう。もうちょっと食べたい場合は、お粥屋さんで人気の揚げ物の盛り合わせを。注文が終わったら、ガジュマルの木陰のテーブルをキープして料理を待とう。屋台から呼ばれたらピックアップして召し上がれ。木陰でごはんを食べる至福の時間が流れていく。

〈慈聖宮〉/大稻埕

DMA-廟前美食攤位_5U1A8356

〈チーシェンゴン〉
住所:台北市大同區保安街49巷17號あたり│地図
営:9:00〜17:00(目安)※営業時間、定休日は屋台ごとに異なる。
周辺には伝統的な集落が残り、その町並みや建築から、古き良き時代の台北がうかがえる。

Navigator…Janet Yin(ジャネット・イン)

HanakoTaiwanの編集者。おいしいものに目がない。台北人だからこそ知るおすすめスポットをご案内。

※1元は約4.4円(2022年8月現在)、台湾の国際電話の国番号は886です。(Hanako1212号掲載/photo:Jimmy Yang text:Janet Yin coordination:Chen Tsui wen produce:Hanako.taiwan)

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