娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 【日本酒】祝!連載120回。父・テツヤによる伊藤家好みの3本選りすぐり~『伊藤家の晩酌』第三十六夜〜

LEARN 2022.09.04

20歳の頃から唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第三十六夜は、120回もの連載を通して、特に印象深かった3本をチョイス!

すべてにおいてバランス良し! デイリー酒として常備しておきたい「天青」

【日本酒】祝!連載120回。父・テツヤによる伊藤家好みの3本選りすぐり~『伊藤家の晩酌』第三十六夜〜

ひいな「2本目は『天青』です! 第7回目でご紹介しました!」
テツヤ「うわぁ、そんなに前なんだな。今までいろいろ蔵取材に行ったこともあったけど、伊藤家として初めて蔵に行ったんだよな」
ひいな「そう。2人だけで蔵に行くのは初めてだったんだよね。そばちょことかソーセージとか買ったりして」
テツヤ「蔵、楽しかったな。パンからビールから、酵母に関連したものがいろいろあってさ」
ひいな「蔵行ったら、思い出も増えるなって思ったよね」
テツヤ「うんうん。思い出深い場所だよ」

テツヤ&ひいな「じゃ、乾杯!」
テツヤ「あぁ、俺、やっぱり『天青』好きだなぁ」
ひいな「お酒としての強さがありながらも引き際がわかってるというか」
テツヤ「後味がね、乳酸っぽいんだよ。それが好きなんだよな」
ひいな「生酛とか山廃っぽい、丸みのある酸味を感じるよね」
テツヤ「この感じ、やっぱり好きだなぁ」
ひいな「2019年9月に紹介してたね」
テツヤ「そういうえば、あの時、週1更新だったんだよな(笑)。今考えるとすごくない?」
ひいな「毎週だったね!」
テツヤ「あの時は、飲みながら、写真も撮って…(笑)」

【日本酒】祝!連載120回。父・テツヤによる伊藤家好みの3本選りすぐり~『伊藤家の晩酌』第三十六夜〜

ひいな「その節はありがとうございました(笑)」
テツヤ「ひいな的には『天青』はどう?」
ひいな「ずっと変わらずおいしいお酒かな。20歳の時から毎年飲んでるから。初めて蔵に行ったのも『天青』だった」
テツヤ「ひいなに教えてもらったんだもんな」
ひいな「そうそう。飲食店で働いてた時に、蔵まで『朝しぼり』取りに行ってたんだよ」
テツヤ「そうだ、そうだ!」
ひいな「しぼりたてのお酒が飲めるのはうれしかったな」
テツヤ「それは贅沢だね。『天青』はさ、この余韻がいいんだよな。全体的なバランスがすごくいい」
ひいな「そうそう、だから飲み飽きないよね」
テツヤ「デイリー酒っていうかさ、毎日飲みたいお酒だよね」
ひいな「うん、気取らずに飲めるのがいい」

伊藤家のお気に入り「土田酒造」による、蔵人たちの試行錯誤が詰まった実験的な1本

【日本酒】祝!連載120回。父・テツヤによる伊藤家好みの3本選りすぐり~『伊藤家の晩酌』第三十六夜〜

テツヤ「ラストは?」
ひいな「伊藤家みんな大好き『土田酒造』です!」
テツヤ「やった!」
ひいな「前に番外編で紹介した『麹Gradation』の中でも、お父さんんは77が好きって言ってたんだよね」
テツヤ「そうそう」
ひいな「今回、『麹Gradation』の3本セットを探してみたんだけど、あの時以来造っていないのか、今年は見かけなくて」
テツヤ「そうなんだ。残念」
ひいな「というわけで、今回はさらに進化した『土田』を一緒に飲んでみようかなと思って」
テツヤ「うれしいね」
ひいな「土田酒造がね、『研究醸造』っていうのをはじめたの」
テツヤ「へぇ。なんだろう?」
ひいな「試作品というか、実験的なお酒を出してて。1から24まであるんだけど」
テツヤ「試作品なの?」
ひいな「小ロットで、小さいタンクで、今回はこのお米とこれを試しますとか、低アルコールでやってみますとか、いろいろチャレンジする感じ」
テツヤ「裏にある説明書きがもうすでにヤバそうだね」

【日本酒】祝!連載120回。父・テツヤによる伊藤家好みの3本選りすぐり~『伊藤家の晩酌』第三十六夜〜

ひいな「マニアックすぎでしょう?2022年7月にこの『研究醸造24 活性にごり生酒』を造ったんだけど、 YouTube で、社長さんと杜氏さんが商品発表のライブ配信をしてて。そこで改善点とか反省点を話したりしてるの」
テツヤ「直接?」
ひいな「そう。こういうふうに設計したかったんだけど、こういうふうになっちゃったから、こういう処置をしたけど、みたいな話を」
テツヤ「めっちゃおもしろいね」
ひいな「そういう造り手のお話がいろいろアップされてるの」
テツヤ「蔵の試行錯誤がわかるんだ」
ひいな「そう、進化する過程を一緒に楽しめるの」
テツヤ「土田酒造ファンにはたまらないね。これはふつうに買えるの?」
ひいな「うん、買えるよ」
テツヤ「1からずっと買ってる人いるんじゃない?」
ひいな「いると思う。私も1から12までは飲んでたんだけど追い付けなくなっちゃった」
テツヤ「十分すごいよ(笑)」
ひいな「毎回すごく楽しいよ!『研究醸造24』は活性にごりの生酒なんだけど、2021年に『研究醸造11』として活性にごりを一度出してるんだけど、それは結構ドライな仕上がりだったから、そのリベンジ版とのこと」
テツヤ「楽しみ!うわ、開けると手がべとべとするねぇ。すごい糖分だな。ヨーグルトみたい」
ひいな「蔵に棲みついている酵母を使ってるんだって」
テツヤ「蔵にいい菌が棲んでるんだなぁ」
ひいな「土田の蔵つき酵母って、低い温度だと動きがにぶくなるらしくて、こういう活性にごりで栓が飛ばないのも土田の特徴なんだって」
テツヤ「白いね!おいしそうな色だなぁ」
ひいな「『土田』って番外編で5本紹介したのと、ルーロー飯の時に熟成させた『シン・ツチダ』を紹介したんだよね」
テツヤ「そうそう。いろいろ飲んできたよね。今回はどんな味なのか!?」
テツヤ&ひいな「では、乾杯!」

【日本酒】祝!連載120回。父・テツヤによる伊藤家好みの3本選りすぐり~『伊藤家の晩酌』第三十六夜〜

ひいな「あぁ、限りなく『土田』だね」
テツヤ「あぁ、上品だね」
ひいな「『土田』のいい意味での重さとかクセが、活性にごりにしたことによって、ちょっと旨渋に変わってる感じがおもしろいなと思って」
テツヤ「あぁ、なるほど。でもこれ、今まで飲んだ『土田』の印象とは違うなぁ」
ひいな「麹の歩合って、一般的な日本酒の平均は20%くらいなんだけど、これは35%使ってて、それは『シン・ツチダ』と同じなんだって」
テツヤ「なんかね、お酒を飲んでる!って感じがする」
ひいな「確かに、顔赤くなってない?」
テツヤ「なんかね、内側から燃えてる感じがする(笑)」
ひいな「アルコール度数は16%」
テツヤ「なんかね、急に酔っ払ってきたぞ…」
ひいな「活性感があるからかな?」

真っ白なにごり酒で、あっという間に酔いがまわる。
真っ白なにごり酒で、あっという間に酔いがまわる。

テツヤ「どぶろくっぽいよね」
ひいな「そうそう。YouTubeでも社長さんがどぶろくみたいって言ってた」
テツヤ「なんかパワーがあるっていうか。エネルギーのかたまりというか」
ひいな「氷入れて飲んでみようか」
テツヤ「あぁ〜これは際限なく飲んじゃうやつ。ロックうまいなぁ」
ひいな「この3年間で飲み方を模索した結果だね」
テツヤ「これこそ、日本酒が生きる道ですよ。アレンジして飲むっていうね」
ひいな「打ち破っていこう!じゃこのお酒に合わせるお料理を持ってくるね!」
テツヤ「伊藤家の晩酌といえば、おつまみだからね!」

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