言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第76回~
ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。
(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Akemi Kibe[PEACE MONKEY])
「とある3月の火曜日【後編】」
今回、本当に急転直下の体調不良にもかかわらず、私の上司にあたる部長・デスク、現場の皆さんは嫌な顔をせずスケジュールの調整にあたってくれた(泣)。 ただでさえコロナでバタついている中、「てめー! 仕事を増やしやがって!」と言われてもおかしくない状況ではあるのだが、本当に私のことを気遣ってフォローしてくださって、素敵な同僚の皆さんに囲まれているなあと改めて感謝する私。声が出ないとにっちもさっちもいかないのと、このコロナ禍でピリピリしている中こんな声の状態の人が会社にいるのも皆さんを心配させてしまうので、仕事はお休みさせていただいた。あくる日もボイスクリニックに行き、診察ののち点滴。声を遣わなくていい仕事だけやらせてもらうことにする。
薬もうがいもシップもちゃんとしているのだけれど、劇的な変化が見られない。翌日はまた違うクリニックに向かう。ここはアレルギー反応を止めるブロック注射を打ってくれるクリニックで、口コミで行きついた先生である。とても人気のクリニックなので前々から予約していた。私がこんな状態だとは露知らず先生が出てきたのだけれど、私の声を聞いたとたん、「これじゃいけない。」と一言。またもや点滴を受けることになった。この時点で3日連続の点滴! もはや何を打たれているのか分からない状態だったけれど、無知な市民は医師の皆さんに頼るしかない。
それからずっと、色んなクリニックからもらった大量の薬をちまちま飲んでいた(ちゃんとおくすり手帳を渡していますからね、大丈夫ですよ)。極力喉を休ませて声を使わないようにして、人にも会わず、ただ回復を待つ時間を過ごした。毎月通っている鍼灸院にも行って、漢方薬をもらったりもした。まったく声が出なかった時よりは徐々に良くなってきているのだけれど、いつも通りに仕事が出来るようになるまで10日ほどかかり、非常にもどかしかった。伝えたいのに話せないもどかしさ、ストレス、休むことで多くの皆さんに迷惑をかけているという申し訳なさ、色んなものが心に負担をかけて、体ももちろんだけれどもそちらもとっても辛かった。なんだか春は私にとって鬼門の季節である。今日の調子はどう?と自分の体調と日々向き合っているだけで、あっという間に3月は過ぎ、意識する暇もなく入社10年目という節目を迎えた。
【弘中のひとりごと】
チャームポイントのおでこ全開!