花井さん連載 99回

花井悠希の朝パン日誌 一度食べたらクセになる!変わりダネ食パン3選 Learn 2021.08.05

今回は変化球食パンにクローズアップ。お店の陳列棚のセンターでスポットライトを浴びる正統派食パンのその脇で、ちょっとふてくされながら(そうなの?)出番を待っている変わりダネの子たち。ついつい目がいってしまうのは私だけではないはず!

渦巻き模様は甘い罠…神奈川県川崎〈久地パン〉

“パティシエが作るこんがり焼き立てパン”。そんなキャッチコピーと共にポップアップストアで並んでいた沢山のぐるぐる模様の食パン。目の縁で捉えたそのかわいさに、一度通り過ぎたのにも関わらず、ぎゅいんと踵を返しましたよ。こちらのお店は変化球食パンの宝庫で、他にもチーズや苺や大納言などもありました。

「くるくる食パンシナモン」
「くるくる食パンシナモン」
厚切りでリッチにいただきます。
厚切りでリッチにいただきます。
お髭のキャラクターがかわいい。
お髭のキャラクターがかわいい。

一口目からもちもち。こんがりとトーストしてもなお、シナモンと自家製アーモンドクリームの渦はしとしとに緩んでいます。それはそう、ティラミスの底にあるコーヒーをひたひたに吸ったスポンジみたいな湿地帯。あ、アーモンドクリーム繋がりで考えるとアップルパイの土台部分とも似ていますね。って危ない危ない…食べ物を食べ物に例える悪いクセがついつい出てしまいました。
トーストするとサクッと入る表面は軽快に音をたてて、生クリームやはちみつが入った生地の柔らかなもちっと感に包まれます。そこに気づかないフリはできないほどたっぷりと味わわせてくれるシナモン。アーモンドクリームが甘さをグイッと引き上げます。香ばしくて、どこまでも甘く渦を巻くシナモンとアーモンドクリームのコンビに目が回ること間違いなし(←意味違う)。有塩バターをオンして溶かせば、バターの塩気をきっかけにますます風味が露わになってとまりません。

ジョン・レノンもきっと目にした!?変わり種食パン…長野県北佐久郡軽井沢〈フランスベーカリー〉

エッフェル塔の袋がトレードマーク。
エッフェル塔の袋がトレードマーク。

軽井沢の旧軽井沢にお店がある、ジョン・レノンが通ったことで有名な〈フランスベーカリー〉の「チーズブレッド」。ここにきたからにはジョン好んで買っていたらしい「フランスパン」は外せないとして、あともう一つ何か買いたいなあって脇を見たら目があったこの子。どこか懐かしいチーズの渦巻き模様と老舗のお店の雰囲気がなんだかリンクします。

「チーズブレッド」
「チーズブレッド」
焼き過ぎた感が否めない…。
焼き過ぎた感が否めない…。
ジョン・レノンも食べた「フランスパン」は、甘さ控えめでキメが細かくドライ。
ジョン・レノンも食べた「フランスパン」は、甘さ控えめでキメが細かくドライ。

ほぉー!軽やかー!トーストしてみると、サクサクと一気に切れるラスクのような軽快な歯切れに、心もウキウキ。そこにトップから内側から至るところに練り込まれた山吹色のチーズが、ぬちっと鈍く重い食感で異世界を繰り広げます。異世界の割合が結構多めなので、気づけばそちらの世界に支配されているかんじです(大歓迎)。とはいえ昔ながらの雰囲気のチーズ。その芳香はホッとするような穏やかさで、チーズパンっていったらこれだよねって答え合わせをするように味わえる安心感があります。オンラインストアからお取り寄せもできるので、ジョン・レノンが通った軽井沢の老舗の味をおうちでも楽しむことができますよ。

3倍香る食パン…東京都港区南青山〈VIKING BAKERY F〉

食パンの種類が豊富で食パンブームの先駆け的なお店の一つ。種類も豊富で季節によってメニューも変わるから、ここは変わり種食パンが好きな人は外せないお店ではないでしょうか。

「『生』全粒粉」
「『生』全粒粉」

チョコレートなどもおいしいのですが、今回はプレーンでもなく超変化球でもない曖昧な立ち位置にきっとむずかゆい思いをしているであろう(※ただの花井の妄想)全粒粉の食パンを手に取ってみました。変わり種とも言い切れず、かといって堂々とプレーンにもなりきれない。どこにも属さない男、それが全粒粉なのです!!(どうした) とはいってもこの子はただの全粒粉食パンではございません。「生全粒粉」食パンらしいのです。説明によると“サンフランシスコから直輸入したこだわりの全粒粉を使った3倍香る食パン”らしい。

花井さん連載 99回

それならまずは生で、そのまま手でちぎって贅沢食いをしてみました。“ワイルドだろう!?(◯ギちゃん?)”と言いたいところですが、割いたパンはワイルドの真反対。霜柱のように歪に裂けると見える繊細な組織の重なり合いは、口内の熱でふわっと溶けます。
手で一口ずつ裂きながら頂く背徳感にゾワゾワしながらも、その手を一向に止められないのは繊細さに加えて感じる甘さのバランスのせい。しみじみと甘さを味わわせながらも甘ったるさが口に残る手前で寸止めされるから、儚い甘さを追いかけてついつい食べ進めてしまうのです。去るものは追うべからずってことわざにもなっているのに、追っちゃうのは人間の性なのか。全粒粉の粒々が断面から見えるけど、舌触りはあくまでも滑らかで決して邪魔をしません。

ふかふかの谷にどっぷりとバターを沈ませて準備はOK。
ふかふかの谷にどっぷりとバターを沈ませて準備はOK。

さぁ、レッツトーストタイム!ふかふかでシルキータッチな食感は健在です。もったいぶってゆっくり離れたと思ったら舌にふにゃんと甘えてくる。この子、やりよるな。トーストすると全粒粉が威力をさらに発揮。焼けた香ばしさと全粒粉の香ばしさが共鳴してほとばしります。粒々とした全粒粉が一粒一粒、香味の風をふかして、見せてくれるのは遠い異国の見渡す限り黄金色の小麦畑。束の間の脳内トリップを楽しみましょう。甘みも感じるけどしつこくなく、うっすら酸味も露わに。だらしなく溶けるバターも全て、広い大地が受け止めてくれますよ。

真っ白なすべすべ素肌の食パンたちもいいけど、こうやってみると変わり種のちょっとクセ者な感じもかわいがってあげたくなりませんか(何様)?いつもの食パンを選ぶところを少しだけ視線をずらして変わり種食パンにクローズアップすると新しい扉が開くかも!?次回はついに朝パン日誌が100回を迎えます。初めての試みでお届けする予定です。お楽しみに!

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