里山トロッコ

諸岡なほ子の『おいしいのりもの旅』第5回 里山トロッコに乗って懐かしいあの味を(前編) Learn 2017.12.10

東京から2時間ほど車をとばすと、懐かしい里山の風景に出会えます。そんな中を楽しげに走るのが小湊鐵道の運行しているトロッコ列車。今回の出発地は、愛らしい駅舎が印象的な養老渓谷駅。一体どんな車輌がお出ましか、改札前で首を長〜くしてワクワク。

風を浴びながら里山を駆けるトロッコ、まもなく出発!

里山トロッコ

ついに養老渓谷駅のホームに列車が到着。コンパクトな機関車とそれに続く開放的な客車。かわいい!

先頭の漆黒ボディは、かつて小湊線で活躍していたSLをモチーフに作られていて、ボルボ社のクリーンディーゼルエンジンを搭載。環境に配慮した現代の機関車。そこに、倉庫で眠っていた大正時代の汽笛や、煙突から煙を出せる発煙装置も載せ、新しさと懐かしさを兼ね備えたオリジナリティあふれる機関車です。

里山トロッコ

後ろに続く客車は4両。まん中の2両が窓のない展望車、外側の2両は窓付きの普通車。そりゃもちろん、里山トロッコと言ったら風を浴びて走らなきゃと、迷わずまん中の展望車に乗りこみました。さあ、いつでも発車オーライ!

里山トロッコ

…と、思っていたら驚きの展開が。この車輌編成を見て、何の疑いもなく機関車が先頭を走っていくのだと思っていたら、なんと、出発のベルとともに列車は後ろに進みはじめたのです。

そう、養老渓谷駅はトロッコ列車の下りの終点であり、折り返し地点。しかし、転車台などないため、そのまま一番後ろだった車両が先頭になって進み出したというわけです。周りの方々も一斉にどよめいていました(笑)。

里山トロッコ

そう、こちら側が前。運転席もちゃんとありました。

里山トロッコ

ゆっくりと動き始めたトロッコ列車は、ガタゴトガタゴト心地よい振動を伝えてきます。そして、しばらくするとこんな風景が。田んぼに畑に用水路。それを見守るような森の緑と青い空。まさに里山!なんとも心安らぐ眺めです。のんびりと走るので、頬に当たる風も爽快。

里山トロッコ

このトロッコ列車の運転区間は、小湊鐵道の路線の一部で、上総牛久駅から養老渓谷駅まで。途中停車するのは、里見駅の1駅だけで、他は通過。また、運行しているのは毎日ではなく、本数も決して多くはないので、私も前もってホームページを見るなどして備えました。

今回、私が乗車したのは養老渓谷〜里見間の、およそ30分。料金は、往復割引券720円と里山トロッコ着席整理券500円。
沿線のことがよくまとめられている、こんな素敵な地図も配布されていました。

里山トロッコ

油断していると窓の外にまた素晴らしい景色が!上の地図によると、この川の架かっているのは「養老川第4橋梁(長さ78m、高さ20m)」。絶景です。若干怖いです。しかも、ここを走るときにはスピードを落としてくれるので、たっぷりゾクゾクできます。もちろん写真撮影も。

里山トロッコ

しかし、紅葉の季節ともなると、さすがに冷たい風を浴び続けるのはなかなか大変。もっとちゃんと防寒しておくんだった…というわけで、この日の客車は混雑していなかったので、窓付きの車両にも潜入してみました。こちらも天井に大きな窓があって光が燦々と差しこみます。気持ちいい〜。

ちなみに、この辺りは関東でも一番紅葉が遅い地域なのだそう。今回私は残念ながらトロッコ列車からの紅葉狩り、とはいきませんでしたが、東京が冬枯れし始める12月の前半、防寒装備バッチリでトロッコ列車に飛び乗ってみるのも素敵かもしれません。

里山トロッコ

さてそんな中、やっぱり流れる車窓を見ていると、何かをこうパクつきたい衝動に。というわけで、車内でいただいたのは、養老渓谷駅前にてこんな感じで売られていた「里山農産物加工所」の商品。ここで作られている商品はすべて手作り。お団子はどれも保存料、着色料、食品添加物不使用の、安心安全なお母さんの味。ちなみに、駅では里山農産物加工所の方がやたらとポン菓子の試食を勧めてくれました。こちらが申し訳なくなるくらい(笑)。しかもおいしい。

10kusamochi

私がいただいたのは、、3つ入り300円のこれ、草もち。もうこのシチュエーションで食べるのにこれ以上はないというキャスティング。ペタペタとした触感、モチモチの食感、青々としたよもぎの香り。ほのかに甘い餡とお餅が相まって、スイート里山ハーモニー。ああ、体が喜ぶ〜。なんて恍惚としながら、まだまだ日帰り旅は続くのであります。

里山トロッコ

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