女子会におすすめなコスパ良しのフレンチも! 和食仕込みの中華蕎麦に酵素玄米のデトックス定食も!自由が丘のこだわりランチのお店8軒
ランチ激戦区の自由が丘。ハイレベルなお店が並ぶ中、NY名物の再現メニューから一品勝負の鴨蕎麦、研究を重ねた体想いのスパイスカレーまで、シェフのこだわりが詰まった8店を厳選しました。メニューに込められた熱い思いも合わせてご紹介します。
1.まるごとNY。ふらっと立ち寄ってほっとできる場所。〈NEW NEW YORK CLUB〉
「NYが大好きで、NYの空気感に触れられる場所を作りたくて」と話すオーナーの振角勇輔さん。振角さんのNY愛が高じてオープンした店内は、まさに「I♥NY」。ディスプレーからもちろん料理まで、向こうのありのままをセレクトしてきた。
「チキンオーバーライス」は、NYのあちこちで見かける今や名物料理で、行列が絶えない人気店〈ハラルガイズ〉の味に近づけようと、試行錯誤して完成した一皿。ターメリックなどを混ぜ合わせたジャスミンライスに、オリジナルブレンドのスパイスで味付けた鶏肉をほぐしてのせ、その上にヨーグルトベースのホワイトソースと自家製激辛ソース。一皿に色々な味わいが広がる。アボカドやファラフェルといったトッピングメニューで、さらに味のバリエーションを楽しむことも。
手作業で仕上げた内装は、ラフで温かい雰囲気。コーヒーは近隣の〈オニバスコーヒー〉のもの。
インテリアやカップまで、あらゆるものがNY。情報収集を兼ねた年2 回のNY滞在で買い付けてきた、アパレルや雑貨も並ぶ。ほかにもサンドイッチ類などメニューは豊富で、どれもがアメリカの“お袋の味”といえる安心できる味わい!
2.昼のメニューは1品という潔さ。わずか6席の名店。〈鴨蕎麦 尖〉
蕎麦で一番おいしいのは鴨蕎麦、との結論に至ってオープンした路地裏の店。
唯一にして勝負メニューの「鴨蕎麦」は、蕎麦と鴨汁、鴨肉の3点セット。別々に盛られた産地違いの2種の蕎麦は、店内の石臼で挽いた自家製粉の手打ちそば。まずは塩とおろしたてのワサビで蕎麦自体の風味を味わって、次に特製鴨汁で食べる。鴨ガラを6時間以上煮込んで白湯をとり、かつお節や醤油と合わせたとろみのある鴨汁は深いコク。付け合わせの鴨肉3種類は、両サイドが胸肉でマスタードソースとバルサミコ。真ん中は鴨の燻製。最後は“飲む蕎麦”と異名をとる特濃の特製蕎麦湯で〆る。緻密に組み立てられた鴨蕎麦のフルコースを昼から味わえる、わずか6席の贅沢な空間。
店主の阿部浩二さん。ノリよく話す軽妙な人柄に反した、繊細で見事な手さばき。
各種日本酒は100㎖500円~。「そばに合う銘柄というより自分の好み。味の幅を考えて仕入れます」。そばと共に昼から飲めるのもうれしい。「蕎麦の味が決まるのは水回し」と店主。夜は蕎麦を平らにした「蕎麦刺し」なども提供するが「うちでしか食べられないものだけ出します」とこだわりは尽きない。
3.【閉店情報あり】徹底的に体によいもの。裏通りのデトックス定食。〈酵素良品・自由が丘〉
〈酵素良品〉は、別名「整体レストラン」。どの定食にも付くのが名物の酵素玄米。20年以上前から続ける独自の炊き方とレシピにより、玄米の胚芽部分のビタミンやミネラルを消化吸収しやすくしたヘルシーな玄米は、炊き上げた後に保温し続けることで、日増しに熟成が進み、甘みが増し、餅のような食感に変わっていく。
1日限定10食の「一汁三菜膳」は、発酵玄米を握ったおにぎりとおかず、味噌汁のセット。昆布、ねり梅、おかかといったおにぎりの具材だけではなく、玄米の熟成度も1日目と3日目といった具合に選べる。付け合わせの三菜は、南阿蘇産の無農薬野菜。限定15食の酵素玄米の定食「彩り膳」も。「何を出すかは畑次第」と店長の助安昭紀さん。昆布だしの味噌汁は、3種類の根菜と共に15時間火を入れ続けて仕上げる。余計な添加物を一切使わないので、体にやさしい食事を求めて、日々たくさんの人が訪れる。
清潔で明るい店内。1人でやってくる女性客も多い。手前が副店長の助安真紀子さん、奥が店長の昭紀さん。
自家製の無農薬、無添加の梅干しも一粒から購入可能。店内で販売する調味料は、昔ながらの丁寧な作りの商品をそろえる。
4.サンフランシスコで独自研究。スパイスカレー専門店。〈カレー★スーパースター〉
白いライスを真ん中に、左にチキン、右にキーマを配した「ダブルのせカレー」は、コリアンダーやレッドペッパーといったスパイス18種類をブレンド。口にすると食道がほてり、次第に汗ばんでくるほど刺激的だが次第にやみつきに。ぺろりと平らげられてしまう。
海外の飲食店に12年ほど勤めていた店主の渡邉英之さん。シンプルでゆとりある店内で大好きなカレー作りに没頭。サンフランシスコの日本食レストラン勤務時、世界から集まる良質のスパイスで独自のカレー作りをスタート。「自分で作るうちにハマって。それからは、ずっと作り続けてました」と話す。8年かけて完成させた理想の味を引っさげて、自由が丘に凱旋帰国!小麦粉は使わず、とろみは野菜やフルーツで。1人前で1個入る玉ねぎは、キーマなら3時間、チキンなら2時間、炒め続ける。手間暇かけた油少なめのカレーは、スパイスの効能とあいまって“もたれないカレー”に。女性客が多いのも納得。
カレーに重要なのは具材よりもスパイスとの考えから、スパイスを邪魔しないメニューを考案。種類ごとに挽き方や火の入れ方を調整している。
5.1人でも2人でも。女性が入りやすい落ち着きと清潔感。〈中華蕎麦 三藤〉
駅から徒歩10分。住宅街に佇むのは『ミシュランガイド東京』に掲載された中華そば専門店。割烹を思わせる落ち着いた店の雰囲気は、女性でも気兼ねなく入れるように。店内は、お客さん視点の配慮が隅々まで行き届いた気持ち良い空間が広がる。
澄んだスープの「中華蕎麦 醤油」のポイントはだし。和食から転身したシェフの三森正幸さんが北海道産真昆布でとっただしを、小豆島産の杉樽で仕込んだクセの強い醤油とブレンド。醤油に火を入れないことで香ばしさを残した和風のスープは、コクがありながらもあっさりで、やさしい仕上がり。シンプルを突き詰めた具材は、かいわれ菜と2種類のチャーシューのみ。鳥取の大山鶏のもも肉と、岩手の岩中豚の肩周りが、スープの旨味を引き立てる。
オーナーシェフの三森さん。飲食店経験がある弟とともに、兄弟で切り盛り。店名は父親の姓と母親の旧姓の組み合わせ。半分くらいは女性客。年配客も多く、夜はワインや一品料理も。
カウンターは低く、調理場はオープン。「今もまだ模索中。少しずつ変更を加えながら改良しています」とシェフ。自由が丘の上品な中華蕎麦は、いまだ進化が止まらない!
6.開放感たっぷりの店で味わう自然派バーガー。〈BAREBURGER 自由が丘店〉
2009年にNYで創業し、北米を中心にオーガニックハンバーガーを展開する〈ベアバーガー〉の日本1号店。
ヴィーガン対応の「ザ シュルーム」は、バンズの代わりにケールの葉を使用。スプラウトを散らし、肉の代わりに、マッシュルームや舞茸、えのきなど4種類のキノコをバルサミコマヨネーズであえたパティは、十分な食べごたえとあって大人気。ほかにも日本オリジナルの「鶏肉のつくねバーガー」や、牛肉とブルーチーズ、自分でカスタムできるバーガーなど多彩なラインナップ。サイドメニューも、定番のポテトにピクルス。ドリンクもレモネードやクラフトビールなどアルコールまでそろい、これらはすべてオーガニック素材で用意されている。
駅から徒歩4分の場所にありながら、中庭に面した静かな立地。周囲はアパレルショップ。
ユーズド加工の家具を使用し、エコな雰囲気に仕上げた店内。近隣向けに2,000円以上の注文で自転車デリバリー(プラス300円)も。キッズメニューや子供が遊べるぬり絵もあって大人数のランチにもおすすめ。ちなみに、ベアの意味は「熊」ではなく「自然素材」。気持ち良い店内で、安心安全のバーガーを。
7.【閉店情報あり】料理を通じて季節を感じる、贅沢なひととき。〈Champêtre〉
2016年4月にオープンし、すでに予約がとりにくい人気のフレンチ。ランチメニューは、おまかせの前菜2皿と、メインディッシュ、デザートをそれぞれ数種類から選べるプリフィクスコース。
この日のメインディッシュは、丹波黒鶏のもも肉とフランス産キノコのバロティーヌ。食べごたえがあり、シンプルで力強いおいしさ。もも肉の骨を抜いて開きキノコを詰めて、合わせたのはエストラゴン風味のソース。前菜の野菜を含め、メニューの内容は、季節に応じた素材と来店客に合わせて変わる。「一番気をつけているのが、料理を通じて季節を感じてもらうこと」とシェフ。シェフの盛りつけの美しさが味を引き立て、フランス料理の伝統の皿に遊び心を添えて、現代的な料理に仕上げる。
「フランス料理文化をより身近に」がモットー。内装は、白とブラウンを基調にした落ち着いた雰囲気に仕上げた。
アンリ・ジローのシャンパンを特別価格でグラスから提供可。ディナーはおまかせのコースを楽しめる。カウンターと10席前後の小さな店内は昼も夜もなごやかなムード。冬に向けて「フランスの地方料理である煮込みをどんどん出していきたい」と続ける。
8.【閉店情報あり】のんびりした雰囲気と素材を存分に活かした料理。〈ohanaya〉
やや急な階段を上った先にあるのはくつろぎの空間。
「ランチコース」のメインは、スープ&スコーン、本日のパスタ、本日のリゾットから選べる。この日のリゾットは、鯛やアサリ、タコ、海老の頭など、海の幸をふんだんに使った魚介ラグーのリゾット。上に散らしたフェンネルとグリーンレモンの皮がアクセント。魚の臭みを消し、口の中いっぱいに清々しさが広がる。ランチコースで選べる前菜の定番が、野菜6 種盛り合わせ。人参のラペや冬瓜のマリネ、レンコンのバルサミコ酢煮など“洋風ナムル”とでも呼べそうな体にやさしいメニューの素材は、シェフが暮らす葉山や逗子、鎌倉、三浦で仕入れたもの。鮮度が高くシャキシャキした口当たりで、野菜の濃い味わいを楽しめる。パスタにもフレッシュハーブを使うなど「素材を吟味してシンプルに」とシェフ。手間をかけた料理は、新鮮な素材の香りも存分に味わえる。
左がオーナーシェフの折田幸久さん。右が接客や自然派ワインのセレクト担当の廣田俊己さん。
ソファ席にはクッションが置かれ、のんびりした雰囲気の店内。エントランスでは、持ち帰り用の自家製スコーンやジャム、雑貨も販売。
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(Hanako1120号掲載/photo : Yoichi Nagano text : Junya Hirokawa)