ChatGPTの考えたコーヒーカクテルとは?千駄木〈ignis〉|斉藤アリスのコーヒースタンド探訪

FOOD 2023.09.08

カフェ好きで知られるモデルの斉藤アリスの連載がリニューアル!今度は「コーヒースタンド」をテーマに、気になるお店をご案内します。

2020年末に千駄木にオープンしたスペシャルティコーヒー専門店〈ignis(イグニス)〉へ行ってきました。もともとお寿司屋さんだった店舗をリノベーションしたというお店。ピンクのコンクリート壁に瓦や石垣がアクセントになっていて、とってもおしゃれ。

ぜんぶ香りを嗅いで私が選んだのは、コロンビア・エルパライソ農園のインフューズドコーヒー。インフューズドコーヒーとは、珈琲豆にフルーツやスパイスの香りをつけた新しいジャンルのコーヒーのことです。フレーバー付きのクラフトビールのコーヒー版のような感じ。
アイスで注文すると、なにやら抽出機の下に金色の玉が…。
「これはパラゴンという鋼球です。キンキンに冷やしたパラゴンで抽出したばかりのコーヒーを急冷すると、普通は湯気とともに逃げてしまう香りまで液体の中にギュッと閉じ込めることができます」と土橋さん。

淹れたてのコーヒーは、特注の抹茶茶椀でいただきます。「雑味ってなんですか?」といわんばかりのクリアな味わいに感動。茶碗の底が見えるほど透き通っています。
「片手でもつカップではなく、両手でしっかりと包みこめる抹茶茶椀にしました。両手を使うことで、意識せずとも自然と目の前のコーヒーに集中できる環境をつくる狙いです」(土橋さん)。
豆のセレクト、淹れ方、飲み方に至るまで、土橋さんのメソッドが散りばめられています。

メニュー表を見て、最初に気になったのが「Chat GPT」。人工知能のChatGPTに「革命的なコーヒーカクテルを作って」といって出てきた文章をもとに、土橋さんが作ったコーヒーカクテルのゼリーなのだとか。これで美味しかったら、人間もう不要?って感じですが、まさかまさかのこれがべらぼうに美味しかった!

食べているのか飲んでいるのか、分からなくなるほどの瑞々しさ。そして洋梨ゼリーと言われたら信じるくらいのフルーティーさ。個人的にはミルクなしでまず食べてほしいです。ロットでお取り寄せしたい美味しさ。
そしてテレビにも度々取り上げられて話題なのが、球体の「Coffee Jelly」700円。使用するコーヒー豆は日替わりで、この日はエルパライソ農園のインフューズドコーヒー。ライチのフレーバーです。ゼリーを球体で作ることでより滑らかな口触りになるのだとか。ゼラチンではなく、アガーという海藻で固めているのも滑らかさの秘訣です。
「スタッフが練習で淹れたコーヒーを破棄するのがもったいなくて、スタッフ用のおやつとして作ったのが最初でした。それを常連さんに食べてもらったら、すごく好評で。それ以来うちの看板メニューになりました」(土橋さん)。

そして私が一番飲んでみたかったのが、「珈琲甘酒」1,200円。甘酒大好き人間として、これは外せません。口に含むと、優しい甘さと香ばしさがふわっと広がり、ホッとする美味しさ。ちょっと表現的に物議醸しそうですが、コーンフレークを食べたあとの器に残ったミルクを飲んだ時の幸福感に近いものを感じた私でした。わかる人いるかな?
「このメニューは鎌倉店でお正月限定メニューとして出したものです。すごく好評だったので定番メニューに加えました」(土橋さん)。
どれもこれもオリジナリティーに溢れたメニュー。店名ignisには「火をつける」という意味合いがあり、モットーは「ニュースタンダードを自分で作っていく」ことだと語る土橋さん。
「普通に美味しいのはもちろん、新しい体験を提供できるお店を目指しています。自分が面白いと思った豆や先進的な技術はどんどん取り入れています」(土橋さん)。
ほかにはエスプレッソを炭酸水で割ったアイスアメリカーノなどもあり、後ろ髪をひかれつつ取材終了。来るたびに新しい体験ができること間違いなしです。

photo:Miyu Yasuda

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