どこのお店かわかったらすごい! マニアがうなる床が個性的な喫茶店6選

いまい・あきこ/書籍や広告のデザイナーとして活動する一方、昭和40~50年頃のレトロな床を中心に全国を巡り歩く「床マニア」の一面も。最新著に『新装版 足の下のステキな床』。
1. 新宿三丁目〈名曲・珈琲 新宿らんぶる〉

〈新宿らんぶる〉の現在の硬質タイルの床は1974年から。店長の重光康宏さん曰く「ホールのような地下空間に屋外の雰囲気の硬質タイル床というのが、当時はモダンで開放感も出していたのかも」

2023 年からコースターを床タイル模様に。凹凸まで再現。
住所:東京都新宿区新宿3-31-3
TEL:03-3352-3361
営業時間:9:30~18:00(17:00LO)
定休日:無休
席数:200席 分煙
1950年創業。吹き抜けの地下フロアは重厚感あふれる空間。深みのあるコーヒーはケーキと好相性。ケーキセット1,400円。
2. 上板橋〈Coffee ポケット〉

1977年に開店した〈ポケット〉の黄色×オレンジのクッションフロア。

カウンター横には当時のウエイトレスのピンヒール跡が!

〈ポケット〉の玄関タイルは室内とはまた違う趣。一軒に複数柄があるのも◎。
住所:東京都板橋区常盤台4-21-11
営業時間:10:00~13:00
定休日:木休
席数:18席 喫煙席あり
壁や照明などの内装は店主自身がセレクト。サイフォンで淹れるコーヒーはほどよい酸味ですっきりとした味わい。モーニングセット450円。
3. 小岩〈純喫茶 木の実〉

〈純喫茶 木の実〉は白黒の市松柄。もう国内製造されていない貴重な模様。
住所:東京都江戸川区西小岩1-20-20
TEL:03-3657-5669
営業時間:9:00~17:00(土日祝~18:00)
定休日:正月三が日以外原則無休 分煙
座る場所で全く違う表情を見せる店内。
4. 入谷〈TORONTO〉

今井さんもかわいいと絶賛する〈TORONTO〉の玄関タイルにも注目。
住所:東京都台東区入谷1-6-16 松田ビル1F
TEL:03-3876-0680
営業時間:10:00〜20:00
定休日:日休
5. 中板橋〈欧風菓子 白鳥〉

〈欧風菓子 白鳥〉1階の洋菓子店。この床の色は、初代の緑好きから。
住所:東京都板橋区弥生町31-15
TEL:03-3958-4425
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水休
席数:32席
6. 京都〈フランソア喫茶室〉

星形と十字形の組み合わせタイルがかわいい。〈フランソア喫茶室〉。
住所:京都府京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町184
TEL:075-351-4042
営業時間:11:00〜21:30LO
定休日:無休
席数:80席
美術学校を退学し、社会主義運動に精力を注いだ立野正一さんが思想や芸術を語り合うサロンとして開店。
レトロモダンな柄の床を探して全国を駆け回り、約600種類の床を観察してきたグラフィックデザイナーの今井晶子さん。柄物の床は、「その店にしかない個性が感じられるのが魅力」と語る。
「1970年代の純喫茶に柄物の床が多いのは、脱サラして一店一城の主となり、空間にこだわり尽くす店主が多かったからではないでしょうか。また、柄物の床は、欧米のサロンのような非日常的な空間と印象づけるのにも一役買っていたのでは」
柄床の素材は、タイルやクッションフロアなど。模様はヨーロピアン調が多く、壁や天井も柄という「柄オン柄内装」も。関東以西は純喫茶の多さに比例して柄の種類も多様……など、床から当時の流行や地域の喫茶文化が垣間見えるのも興味深い。
「色使いや模様は、現代のグラフィックデザインにも通用するほどモダンで斬新。現存するうちに数多く見ておきたいですね」
※記事内に特段の記載がない場合は禁煙店です。
※20歳未満の方は喫煙可能エリアへは入ることができません。