ハナコラボCLOSE-UP 「農家さんを盛り上げていくことが、あるべき自然を残し、未来につないでいくために自分がいま出来ること」/〈糀醗酵研究所〉オーナー・菖蒲花奈さん LEARN 2021.06.26

仕事に趣味に、日々自分らしく輝いているハナコラボ パートナー。実際はどんな仕事をして、どんなことに夢中になっていて、どんな風に毎日を過ごしているんだろう?リアルなライフスタイルから、彼女たちの素顔に迫ります!

今回、紹介するハナコラボ パートナーは…

ラボクローズアップ 菖蒲さん

名前:菖蒲花奈(しょうぶ・かな)
年齢:35歳
職業:〈糀醗酵研究所〉オーナー

吉祥寺にある麹専門のカフェ〈糀醗酵研究所〉のオーナーを務める菖蒲さん。元々は和食の料理教室の先生を目指し、割烹料理店に弟子入りするなど修行を積んでいたそう。「あるとき、和食の起源って醤油などの調味料にあるのではないかと思い、発酵教室に行ってみたんです。それがきっかけで麹にどっぷりはまってしまい、以降、独学で学ぶことに」。8年後、研究を重ねたすえに完成した味噌はなんと600kg!「作り過ぎてしまった味噌は、恵比寿や青山のマルシェで販売しました。そのうちに甘酒も出してみたくなり、はじめはキッチンカーで挑戦。2019年に念願のお店を出すことができました」。

〈糀発酵研究所〉は毎月第2木曜〜日曜の4日間、完全予約制のカフェを営業。毎月4週目の土日は敷地内でマルシェを開催し、キッチンカーの出店も続けている。「“生きている菌”をテーマに、自家製の醤油麹や塩麹、味噌、甘酒を使った全11品のランチコース料理を提供しています。店内で販売もしている味噌は月日が経つと味が変わってくるのが魅力で、コース料理は月ごとに旬の食材を使い味付けを変えています。作りたての味噌は食べてみると麹はぽろぽろしているし、塩は角がたち一体感がなくて正直おいしくはないけれど、蒸した大豆と混ぜて寝かせておくだけでまろやかなコクのある味になるから不思議。また使う塩の種類や作る人の常在菌によって味が変わってくるから奥が深い。ちなみに私は『宮古島の雪塩』がお気に入りです」。

大変なときはお手伝いに来てもらうそうですが、基本的にお店は菖蒲さん1人。好きなこととはいえ、大変なこともあるそう。「仕入れからお客様に提供するまで基本的に1人でまわしているため、黙々と作業する時間が多くて。先日も梅50kgを酵素シロップにする作業は修行のようでした(笑)。進めないとどんどん梅が腐ってしまうため、時間との戦い。ですが、どんなに大変でも『おいしい』って言われればOKです!なかにはリピーターになってくれるお客様もいて、やっててよかったなあとやりがいを感じますね」。

今後の目標は?「お世話になっている農家さんがさらに活躍できるような活動をしていきたいです。最近では、仲良しのカメラマンとデザイナーでチームを組み、春にはたけのこ、夏は梅など、四季折々の自然の恵みを調理していただく動画制作を始めました。さらに、農家さんのホームページをリニューアルしたり、商品のパッケージを整えるなどブランディングも行っています。佐渡島にある古民家を活用して、農業を目指す人の支援なども計画中。農家を盛り上げていくことが、あるべき自然を残し、未来の子どもたちにつないでいくために自分がいま出来ることの一つではないかなと思っています」。

【菖蒲さんをつくる3つのこと】1.友人と行くご褒美のアフタヌーンティー。

3ヶ月に1回は様々なお店のアフタヌーンティーへ。「友人に〈椿山荘〉のアフタヌーンティーに誘われたのがきっかけで、それ以降、時間が空いたらご褒美感覚で行きます。いままで行ったお店は〈bills 銀座〉や〈ザ・ペニンシュラ東京〉、〈シャングリ・ラ 東京〉など。約5,000〜8,000円ほどで見た目や味はもちろん、こだわりのある空間でこれだけ感動できるって素晴らしい!人が喜ぶものを提供する側として知っておきたいという気持ちもあり、勉強も兼ねて行くようにしています」。
今回伺った〈Atelier plein EBISU〉は、菖蒲さんの知り合いであるシェフが監修したアフタヌーンティー専門店。旬の食材を使った一口サイズの甘い焼き菓子や塩気のあるパテがのったカンパーニュなど、全16品がケーキスタンドに盛り付けられています。「アフタヌーンティーの魅力はお店によって特色が出るところで、メニュー全体の甘さのバランスも変わってきます。実は甘すぎるのは少し苦手なのですが、こちらは甘すぎず、優しい甘味でカラダに合っている気が。一口サイズで見た目がかわいいのもわくわくしますよね。内装も邸宅らしい高級感のある空間で、クラシックやモダンが融合した内装は、まさにアフタヌーンティーの雰囲気とぴったり。おいしい料理をじっくりいただきながらおしゃべりをして、贅沢な時間を過ごすことができます」。

【菖蒲さんをつくる3つのこと】2.四季折々の自然の恵みをいただく。

「幼い頃から農家さんにお世話になっていたため、自然の恵みに楽しさや懐かしさ、おいしさ、手間をかける喜びを感じていました。都内に住んでいるいまも、四季折々にする手仕事は欠かせません。旬のものはおいしいのはもちろん、栄養もたくさんありますし、心が豊かになる気がします。そのときにしかいただけないものが毎年巡ってくることに感謝です」。現在は知り合いの農家さんから連絡をいただいて、取りに行くのがお決まり。「6月は1日かけて千葉のほうへ梅を採りに行きました。毎年シロップを作っていましたが、今年は梅干しにトライ。塩に漬けて寝かせている最中なので、出来上がりが楽しみです」。

【菖蒲さんをつくる3つのこと】3.各地の〈星野リゾート〉を開拓。

コロナ禍を機に、ずっと憧れだった〈星野リゾート〉に宿泊。昨年は富士や軽井沢に行ったそう。「その土地の風土や文化を大切にしたおもてなしが素敵で、とても勉強になります。私自身、旅行はのんびり過ごすのが好きなタイプなので〈星野リゾート〉は合っている気がします。〈星のや富士〉は森の中に佇むグランピングリゾート。自然に囲まれながらランピングやハンモックでお昼寝、スモアを作るなど盛りだくさんの時間を過ごしました。地図を広げながら双眼鏡片手に広い敷地内を探検するオプションもあり、童心にかえったみたいで楽しかったです。〈星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート〉はアフタヌーンティー目当てで行きました。窓からあたり一面広がる自然を見ながらのんびり過ごし、都会とはまた違ったアフタヌーンティーを楽しむことができました。教会などの施設もきれいなので、お散歩がてら見学するのもおすすめ。次は〈星のや竹富島 〉に行きたいですね」。

今回の取材場所はココ!

〈Atelier plein EBISU〉
■東京都渋谷区恵比寿4-19-7
■第一部11:30or12:00、第二部15:00or15:30スタート(2時間制)
■月、火曜休
 ※2名〜完全予約制。詳しくはこちら

Photo:Hiromi Kurokawa

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