今だからこそ見れる静かな京都。 京都人が教えてくれた、今だから見るべきスポット4選。「今、見ておきたい神社・仏閣はどこ?」 LEARN 2020.09.09

四季折々の変化が楽しめる京都。紅葉の季節ににぎわう街も、今年はいつもと様子が異なるだろう。国内外からの観光客でごった返していた時とは異なり、比較的京都をゆっくり見て回ることができる今。京都に暮らす人たちが教えてくれた、今だから見える京都の姿を探してみませんか。

1.感性が研ぎ澄まされる庭へ。〈龍安寺〉/右京区

〈龍安寺〉/右京区

“石庭”と呼ばれる「枯山水庭園」で知られる龍安寺は、室町時代の1450年に創建された寺院。世界遺産「古都京都の文化財」にも指定されている「枯山水庭園」は、東西25メートル、南北10メートル余の長方形の白砂の庭に15個の石を配置したもの。作者は不明で作意にも諸説があるが「抽象造形の極致」といわれている。

〈龍安寺〉
■京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13
■075-463-2216
■8:00〜17:00(〜11月)無休

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今の時期、観光客も少なくなっており、石庭と静かに向き合えます。さまざまな場所に座り直して、変わる景色を楽しんでください。

2.蒼々とした苔に癒されて。〈大原三千院〉/左京区

〈大原三千院〉/左京区

最澄(さいちょう)が比叡山に庵を結んだ際、東塔南谷に一堂を建立したのが起こりとされる古刹。長い年月をかけて苔むした境内は、どこを切り取っても蒼々としている。往生極楽院には国宝の「阿弥陀三尊像」が安置されており、苔むす庭園ではいたるところで石彫刻家・杉村孝氏が手掛けた「わらべ地蔵」にも出合うことができる。

〈大原三千院〉
■京都府京都市左京区大原来迎院町540
■075-744-2531
■9:00〜17:00 無休

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往生極楽院周りに敷き詰められたモコモコとした苔にひかれます。木漏れ日が当たると、緑色に発光しているかのような光景に。

3.参道からエネルギーをいただく。〈伏見稲荷大社・稲荷山〉/伏見区

〈伏見稲荷大社・稲荷山〉/伏見区

“お稲荷さん”と親しまれる伏見稲荷大社は、全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮。その歴史は平安遷都よりも古く、和銅4年(711年)の創建とされる。稲荷山は「東山三十六峰」の最南端に位置する霊峰で、3つの峰が段々に連なる山容をしている。山中には、多くのお塚が祀られ、参道には数千もの朱の鳥居が立ち並んでいる。

〈伏見稲荷大社・稲荷山〉
■京都府京都市伏見区深草藪之内町68
■24時間 無休
■075-641-7331

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子どもの頃からハイキング感覚で巡ってきた稲荷山。奥に進めば進むほど神聖で、改めてここが祈りの場であることを実感します。

4.坐禅で、呼吸に集中する。〈大本山妙心寺〉/右京区

〈大本山妙心寺〉/右京区

臨済宗妙心寺派の大本山で、3,400もの寺院を束ねている格式高いお寺。日本にある臨済宗の寺院が約6,000なので、その半分以上を占めているということになる。禅を通じて仏心に気づき悟りを目指すという考えのもと、坐禅会や写経会、御詠歌など、さまざまな行事を開催している。

〈大本山妙心寺〉
■京都府京都市右京区花園妙心寺町1
■075-466-5381
■9:10〜16:40(法堂と大庫裏の拝観は20分間隔で開催)無休

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マスクを手放せない今、呼吸は浅い。お寺で心静かに足を組み、頭をポカンと空にして、呼吸に集中してみる。オススメです。

Navigators

●宮下亜紀(みやした・あき)/編集・ライター。出版社勤務の後、生まれ育った京都を拠点に活動。京都の暮らしから芽生えた書籍や雑誌の編集を手がける。

●釆野佳子(うねの・よしこ)/おだし〈うね乃〉四代目に嫁ぐ。女性目線を生かしたさまざまな企画で、料理に欠かせない伝統の味を全国に広めている。

●横山晴美(よこやま・はるみ)/平安神宮近くの静かな路地に佇む茶房〈好日居〉の店主。テーマに添った茶事、茶会、茶教室、そして喫茶をひらく。

(Hanako1188号掲載/photo:Norio Kidera
illustration:Maori Sakai text:Yuya Uemura, Mako Yamato)

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