俳優・河合優実さんが「一人ざる蕎麦女」を演じる青春ラブストーリー。

人気お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介による原作恋愛小説『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が、映画化。誰とも群れずに大学生活を送る桜田花を演じる河合優実さんに、大学を舞台にしたラブストーリーを演じて気づいたことについて聞いた。
かわい・ゆうみ/2000年生まれ、東京都出身。2019年、映画『よどみなく、やまない』でデビュー。主演作『あんのこと』『ナミビアの砂漠』にて第67回ブルーリボン賞、第98回キネマ旬報ベスト・テンなどの主演女優賞を受賞。
ショートカットが、自分らしさを一番引き出せる。
——荻原利久さん演じる主人公の小西が恋する相手である桜田花を演じていらっしゃいます。今作『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』は、運命的な出会いを描いた青春ラブストーリーですが、この物語を最初に読んだときに何を思いましたか?
大学にしか存在しない独特の空気感が、物語に漂っているように感じました。高校生から大学生になると行動範囲も一気に広がりますし、校則に縛られることもない。自分で友達や居場所を見つけないと属している感じが得られない気がしますよね。
入学したタイミングがコロナ禍だったこともあって、私は大学に1年ほどしか通えていないのですが、台本を読んで撮影をしていると、キャンパスで過ごした記憶が一気に蘇ってきました。

——「大学生らしさ」が詰まっている作品ですよね。映画では、思い描いていた大学生活と異なる毎日にややうんざりしている小西は、桜田に出会ったことで日々の暮らしが一変します。
2人とも、グループに属さないという共通点があったからこそ、距離が縮まるのも早かったんだと思います。桜田なんて、学食でひとりそばを食べているから「一人ざる蕎麦女」なんてあだ名を山根からつけられていますし。
小西が自分という存在を守るために常に傘をさしているように、桜田は常にお団子ヘアをしていたり、大切にしている言葉が同じだったり。2人の似ているところが、会話の中でどんどん浮かび上がってくるのもこの映画の魅力の一つです。
——河合さんご自身、自分を守る盾のようなものはありますか?
今は少し伸びていますが、ショートカットが好きで一番自分にしっくりきますし、ショートカットでいる自分が一番自分らしい、と感じています。潔くありたいという願望と、フェミニンとボーイッシュのバランス感が、ショートカットだとちょうどいいんです。今みたいに伸ばしているのも気分転換になっていいんですけどね。

高みを目指し続けるもの大切だけど、今この瞬間も好きでいたい。
——劇中に登場する「今日の空が一番好きって思いたい」という言葉は、物語の核心を担う大切な役割を果たしています。この言葉に対してどのような印象を持ちましたか?
自分がいる場所や、今目の前にあることを受け入れて楽しんで、結果的に好きになる、ということなのかなと理解しました。高みを目指すのももちろん大切ですが、それだけじゃなくて、「足るを知る」というか。そのような考え方は、私はもともと得意な気がします。
もちろん物事を斜めに見てしまうこともあるし、満足できないこともありますが「大変だったけれどこれやってよかったな」とか「あの人のこの行動素晴らしかったな」といいところを見つける思考法は、昔から変わっていません。


お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介による同名小説が原作。小西(萩原利久)が大学で「一人ざる蕎麦女」こと、桜田花(河合優実)に出会うことで始まるラブストーリー。4月25日(金)全国公開 配給:日活©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
トップス35,200円、スカート参考商品(共にMame Kurogouchi―マメ クロゴウチ オンラインストア https://www.mamekurogouchi.com/)/ベージュイヤカフ50,600円(oeau―Harumi Showroom 03-6433-5395)/リング220,000円(mayuokamatsu―MAYU SHOWROOM kohcoon@mayuokamatsu.com)/その他スタイリスト私物