賃貸住宅のキッチンは家電の色数を揃えるとスッキリ! センスがいいお家のインテリア

LEARN 2024.06.10

東京都内で築30年の3LDK賃貸一軒家にお住いのインテリアスタイリストの大谷優依さん。やっと出合えたという素敵な家のセンスがいいインテリアを、キッチンを中心に紹介します。

ずっと探していた一日中光が差し込むキッチン

決め手は中庭からの光が降り注ぐキッチンだった。子どもが生まれ、引っ越しを考えていたがなかなか好みの物件と巡り合えずにいたというインテリアスタイリストの大谷優依さん。物件を探しはじめて3年。ようやく出合えたのが今の家だった。

白を基調としたL字型キッチン。「備え付けの食洗機と洗濯乾燥機が白なので、電子レンジや冷蔵庫も揃えて白いものに。色数を増やさないだけですっきり見えます」
白を基調としたL字型キッチン。「備え付けの食洗機と洗濯乾燥機が白なので、電子レンジや冷蔵庫も揃えて白いものに。色数を増やさないだけですっきり見えます」

「白を基調としたモダンな雰囲気と、なにより大きな窓のあるキッチンに惹かれました。一日でいちばん長くいる場所だから、できるだけ気持ちよく過ごせる空間にしたかった。朝、お湯を沸かしながらぼんやりと窓の外の木々を眺めている時間が、いちばんの癒しです」

日々使う茶葉やコーヒーはしまい込まずキッチンカウンターに。さりげなく置かれた石のオブジェと猫のエッグスタンド、日本酒「ポンエペレ」の熊ボトルも愛らしい。
日々使う茶葉やコーヒーはしまい込まずキッチンカウンターに。さりげなく置かれた石のオブジェと猫のエッグスタンド、日本酒「ポンエペレ」の熊ボトルも愛らしい。

戸建ての2階部分にある大谷宅。少し変わったつくりで、キッチンは家のちょうど真ん中にあるため、リビングとつながるほか、洗面所や仕事部屋に抜けられる。「家事動線がスムーズだし、キッチンにいながら、リビングにいる子どものことを確認できるのがいいところです」

キッチン収納については「実は苦手」と正直な告白も。「仕事柄、物が多くなりがちなので、あまり配置ルールを決めすぎると苦しくなる。なのでざっくりと『ここはツール類』とか『ここはよく使う食器』などゾーニングをしておき、当てはまるものを仕分けるだけにしています。それでも飽和状態と感じたら、使わないものは手放すなどの整理をします」

冷蔵庫に掛けたトートバッグはレジ袋入れ。「買ってきたものを冷蔵庫にしまい、そのままの流れで、レジ袋があればここに入れておきます」
冷蔵庫に掛けたトートバッグはレジ袋入れ。「買ってきたものを冷蔵庫にしまい、そのままの流れで、レジ袋があればここに入れておきます」
「 この家にしっくりくる白い器をよく使うようになりました」。最近のお気に入りは入江佑子さんの器。花瓶も家の雰囲気と合うと言う。
「 この家にしっくりくる白い器をよく使うようになりました」。最近のお気に入りは入江佑子さんの器。花瓶も家の雰囲気と合うと言う。

キッチンだけでなく、ダイニングテーブルやリビングに花を生けたり、気に入った器やオブジェをディスプレイしたり。生活を豊かにする気配りが随所にあり、真似したくなる。

キャビネットの上には、お気に入りの器や、娘さんが描いた絵を飾って。「枝物を生けている花器は大澤哲哉さんのもの。“我が家に合う!”とピンときて即決」
キャビネットの上には、お気に入りの器や、娘さんが描いた絵を飾って。「枝物を生けている花器は大澤哲哉さんのもの。“我が家に合う!”とピンときて即決」

「好きなものを好きなように置けばいい、と言えればいいのですが、この家に住んでからその考えが変わったんです。例えば私は民藝の器が好きなのですが、重たい色味や藍色系のものは、ベージュや白がベースのこの家には似合わない。なので、うちに似合うコーディネートが見つかるまで大事にしまってあります。それぞれの家が持つ個性を無視しない方がいいのかな、と思うようになったんです」

ダイニングに置かれたホワイトアッシュの丸テーブルは別注したもの。ほかにもソファやキャビネットも、〝この家に似合うから〞と新たに選んだものだ。

「この家には丸テーブルが似合うと思って」と選んだ〈HIKE〉のテーブルが置かれたダイニング。こちらにも中庭からの光が気持ちよく入る。季節の花を飾って。
「この家には丸テーブルが似合うと思って」と選んだ〈HIKE〉のテーブルが置かれたダイニング。こちらにも中庭からの光が気持ちよく入る。季節の花を飾って。

「奮発して買ったものもあります(笑)。でもこの家になじむものを選びたいとがんばった。結果的に、自分の心地いい暮らしを叶えてくれていると思います。家の個性とは、壁や床の素材や色だけでなく窓のサッシや巾木、ドアの色味…細かな部分も含めたもの。トータルでどんな雰囲気があるのか知り、その個性との調和を突き詰めるのが理想の部屋に近づく近道なんじゃないかな、と思います」

photo_Masanori Kaneshita text_Kana Umehara

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