小池栄子のお悩み相談室 第21回:「昔、知人に言ってしまったひどい一言を今でも後悔しています」 (37歳・マスコミ)

LEARN 2023.10.18

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。

――過去の過ちをキレイさっぱり消し去ることができれば…。誰もが一度は、そう思ったことがあるのかもしれません。

本日のお悩み

配慮の足りない言い方で、人をひどく傷つけてしまったことがあります。その時は誠心誠意詫びましたが、結果その相手とは疎遠になり、いまは連絡先もわかりません。相談したいのは、こういった“もう詫びることもできない過去の後悔”を、小池さんはどう昇華しているのか? ということです。祖父母に言ってしまったひどい一言、友達を裏切ってしまったこと、ペットにしてしまったひどいことなど…。自分が絶対的に悪い、間違っていたことに気づいているからこそ、たまに思い出して叫び出したくなることもしばしば。誰しもあるとは思うのですが、小池さんは、どうやって整理をつけていらっしゃいますか。(37歳・マスコミ)

――小池さんにもこのような心当たりはありますか?

ありますよ。何であんなことしたんだろう、言ってしまったんだろう…ということをふと思い出すことは今でもあります。こういうのって、誰もが抱えているものだと思います。

――差し支えなければ、何かエピソードを教えていただきたいです。

昔、猫を飼っている時に、数日間とても申し訳ないことをしてしまったんです。その記憶がずっと心の奥底に残っているからでしょうか。実際にそんなことをしたわけじゃないのに、いまだに年に数回、“押し入れに猫を入れたまま3日間ごはんをあげていない”という夢を見てはうなされるんです。あの時と同じ、とても悲しい顔なんですよね…。

――時々蘇ってきてしまうんですね。

そうなんです。でも、それはもう消せない過去じゃないですか。だから整理なんてつけられないし、自分が一生背負っていくものだと思って付き合っています。あと、同じミスは繰り返したくないから、似たようなシチュエーションになった時にちゃんと思い出して、戒めにしているところもあって。同じ失敗をしないために思い出す“ありがたい後悔”だととらえています。

――なるほど。昇華させるのではなく、その経験を戒めや教訓にしていくんですね。

そうですね。自分にとって必要なことにしていかないと、辛いじゃないですか。だから失敗は活かさないと。

――実際に、活かせたことはありましたか?

例えばすごく褒められた時とかには、後悔した出来事を思い出して「調子に乗るなよ」とか「私にはそもそもそういうところがあるから」と自分自身に言い聞かせて気持ちを沈めることはありますよ。

――この相談者も、そうやって過去の苦い経験と付き合っていかれるといいですね。

思い出すたびに嫌な気持ちにはなりますが、次の失敗を防ぐ“ありがたい後悔”だと思えば、見方は変わってくるのではないでしょうか。整理をつけたり、昇華させるのではなく、付き合っていきましょうよ。

ひどい傷つけ方をしてしまうこともある。 それを自覚している人は、すごくまともだと思う。

――以前「傷つくことにも慣れていかなければいけない」(*19回のお悩みにて)とおっしゃっていましたが、逆に、人生の中で、誰かを傷つけてしまうことも避けられないと思いますか?

人と人が触れ合えば、傷つけてしまうことも起きると思います。中でも辛いケースとして…例えば、若いときは特に、“こんなことをしたら相手が絶対に傷つくだろう”とわかっていながらもついやってしまうこと、ありませんでしたか?

――ありました…。

私にももちろんあって、とあることを親にしてしまったんです。それが今になって、“なんであんな意地悪なことをしたんだろう”という後悔に変わり、心にこびりついています。

――相手が傷つくのがわかっていて、爆弾を投げるみたいな。

そうそう。無意識でしてしまうより、故意に人を傷つけるほうがキツイと思うんですよね。私も、その時の話には触れられないままです。親も深く傷ついたから、いまさら話に出してこないので、お互い黙っているんですけど。でも傷つけて、そして傷ついたことはお互いに忘れていないはずです。

――似たような苦い経験は、大なり小なりみんなあるかと思います。それをずっと反省し続けて生きるしかないんですね。

私の場合は、“子供のことであり、若気の至り”だと思ってくれているかな…って甘えもあるんですが。一度謝って以降、その話は一切出していないし、もし向こうから切り出してきたら、逃げちゃいけないから向き合おうとは思うけど、しゃれにならないぐらい傷つけてしまったから、こっちからほじくり返すことはやめようって思っています。

――小池さんにも、そういう経験があるんですね。

みんな一緒なんじゃないかな。逆に「自分は恥じるべき人生は送ってきてはいない」とか、堂々と言う人のほうが問題があるのでは、って思っちゃう。だからまず、こういうことを自覚している相談者さんは、すごくまともだと思います。過ちを戒めとして背負って生きていくしかないし、なしにしないことが大事なんじゃないかな。

Photo_Syu Yamamoto text_Aya Wakayama


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