「自然に触れると、ふっと緩んで解放される。」モデル・矢野未希子さんにインタビュー。
HANAKO PEOPLE

LEARN 2023.06.20

日々の記憶や感情、自らを取り巻く物事の中から、気になる3つのキーワードについてインタビュー。パーソナルなストーリーが紡がれます。今回は、モデル・矢野未希子さんが登場。

10代でモデルデビューし、第一線で活躍してきた矢野未希子さん。年齢を重ね、より輝きを増した彼女がいま大切にしていることとは。

Theme #1 写真集

モデル・矢野未希子さんにインタビュー。HANAKO PEOPLE
モデル・矢野未希子さんにインタビュー。HANAKO PEOPLE

写真集『as is』を制作しようと思ったのは、2019年に『Oggi』の専属モデルを卒業した直後。10代から続けてきた“雑誌のイメージの中のモデル”ではなく、ゼロから自分で表現してみたいという気持ちが湧き上がり、自費出版で制作することにしました。

被写体としてはもちろん、撮影テーマやディレクション、ロケ場所のアポ入れ、写真セレクトなどすべての制作に携わりました。撮影場所は、北海道や高知など、大自然の素敵なロケーションを求めて全国各地へ。自然を選んだ理由は、タイトルの由来にもなっている“ありのままの自分”と結びつくから。普段、気を張っていたり、グッと踏ん張っているものが緩んで解放される瞬間の人って素敵だなと思うのですが、私にとってそういう気分になれるのは自然に触れたとき。そんな瞬間を写真で表現したくて、メインテーマを“自然と人肌の調和”にしました。例えば、胎児や深海をイメージしたカットでは、約5mの毛糸を頭に編み込んだ状態で水中撮影。長い毛糸が水をどんどん含んで重たくなって体に絡まるし、水中だから目を開けても前は見えないし、呼吸を止めてポージングしなければいけないし、とても過酷な撮影でした。

6日間限定で開催する写真展は、〈カリモク家具〉さん、建築家の芦沢啓治さん、〈アットアロマ〉さん、〈菓子屋ここのつ〉の溝口実穂さんにご協力をいただきました。額装は〈カリモク家具〉さんと芦沢さんにオーダーして作っていただいた贅沢な試み。一点ずつ写真を額装に入れた状態で販売する予定です。

製本にもこだわっており、表紙の生地は1ページずつ大切に見てもらえるよう触って気持ちいい質感に。また、私が前に出過ぎない作品にしたかったので、表紙は顔ではなく体の一部にしたく、お尻の写真をセレクトしました。
製本にもこだわっており、表紙の生地は1ページずつ大切に見てもらえるよう触って気持ちいい質感に。また、私が前に出過ぎない作品にしたかったので、表紙は顔ではなく体の一部にしたく、お尻の写真をセレクトしました。

撮影終了後も、本のサイズや紙の質感、帯の色など、一つ一つの工程を積み重ねていかなければいけない。コロナ禍で完成まで時間はかかってしまいましたが、いま振り返ると、本の制作はこんなに大変なのかと、編集さんたちの気持ちがわかった気がします。あとは、妥協なく取り組んだので、こんなに費用と時間がかかることに驚き(笑)。ただ大変なこと以上に、勉強になることがたくさんあるので、毎日が刺激的で成長できた時間でした。普段そんなにコミュニケーションをとる機会のない方々と密に話をすると色々なことが見えてきて、違う角度から物事が見られるようになりますよね。新しいことを経験するって本当に大切なことです。

Theme #2 ゼロから作る

モデル・矢野未希子さんにインタビュー。HANAKO PEOPLE

写真集もそうですが、30代に突入し、40代に向かういま、“何かを作り育てていく”過程に価値を感じるようになりました。最近ですと、森に囲まれた庭つきの土地を購入し、来年の完成に向けて家を建設中です。やはり家をゼロから建てるのはとても大変。土地を見つけるところから苦労しましたが、写真集制作のように一生懸命取り組めば、色んなことを感じられたり貴重な経験ができるんだろうなあと思います。

作ることの関連でいうと、日々の手仕事は素敵だなと。お味噌作りの勉強をしたり、以前の土地の持ち主だった方がまめに庭の手入れをされていてレモンや梅がなっているので、先日は梅を採り、梅シロップを作ったり梅干しを漬けました。憧れの人は、夫の祖母。頻繁に会いに行くのですが、91歳になったいまも、私たちのためにおいしいごはんを作ってくれたり、畑では野菜を育ててたり、彼女を見ていると豊かだなって。私もそういう年の重ね方をしていきたいです。お庭で野菜やお花を育てて、家の中で楽しめるような暮らしが理想ですね。

Theme #3 自分の“好き”を分析

モデル・矢野未希子さんにインタビュー。HANAKO PEOPLE

自分のことって本当はほとんどわかっていないのかもと思っていて、何が好きなのか分析するようにしています。色々な場所へ行き、色々な話を聞いて、自分が何にときめくのかを見つけるように。最近お気に入りのギャラリー〈水犀・mizusai〉も、友人にすすめられてふらっと行ったのがきっかけ。来年完成予定の新居に向けてアートを購入したり、気になる個展があれば足を運ぶようにしています。

人の意見に飛び込むのは元々好き。自分の中で考えられることって本当に小さいですし、知っていることを何度もやっていると飽きてしまいます。そして、おすすめの場所を聞くなら様々なジャンルの方に聞くように。趣味で通っている陶芸教室の先生や生徒さんと食事に行くと、普段、仕事では出会えないから会話が新鮮ですし、純粋に楽しいんです。小学校、中学校で友人を作る感覚と似ているのかもしれません。先日は、4年ぶりに海外旅行を計画している中で、違う角度の意見欲しくなり、写真展でお世話になった芦沢さんにおすすめの旅先を尋ねてみました。そしたら「ポルトガルのポルトがいい」と言われて、調べてみたら魅力的な場所。新しい人に新しいことを聞くと、何かしら発見があっておもしろいです。

Information

写真集『as is』

写真家・東京祐さんと自費出版にて共同制作。全7回、1年間に渡って行われた撮影は、大自然の過酷なシチュエーションの中で行われ、矢野さん自身が“ありのままの姿”を体現。様々な表情を表現するため、スタイリストやヘアメイクは毎回異なる方々にお願いするなど、こだわり抜いた一冊に。写真展会場にて数量限定で先行販売予定のほか、写真展終了後は数量限定でオンライン販売予定。(11,000円)

写真展
開催日程:6月20日(火)12:00~15:00、6月21日(水)~25日(日)12:00~18:00
開催場所:Karimoku Commons Tokyo(東京都港区西麻布2-22-5)
入場料:無料

photo : Hikari Koki hair & make : Mikako Kikuchi text:Moe Tokai

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