美雨さんなまこちゃん
美雨さんなまこちゃん

【SDGs A to Z: C (Children) 】坂本美雨さん&娘・なまこちゃんと
地球や社会を大事にする方法を絵本と一緒に考える。 (後編) Learn 2023.06.08

子どもにも、大人にも、読む人に新しい世界や想像する楽しさを教えてくれる絵本。今回、SDGsが目指す17のゴールと密接につながる作品から何を考えることができるのか、坂本さん親子と話してみました。

前編はこちら
17のゴールについてのおさらいはこちら

【GOAL 14】『 うみがめぐり 』 絵・文/かわさきしゅんいち

ウミガメの卵がかえるところからはじまり、小さなウミガメが海で見た生き物たちの姿をダイナミックな筆致で描く。静かな海面からは想像できない海の中で繰り広げられる生命の営みに感動する。仮説社/1,980円
ウミガメの卵がかえるところからはじまり、小さなウミガメが海で見た生き物たちの姿をダイナミックな筆致で描く。静かな海面からは想像できない海の中で繰り広げられる生命の営みに感動する。
仮説社/1,980円
『うみがめぐり』より。いわしの大群を狙うマグロの大軍団の生き生きとしたシーン。
『うみがめぐり』より。いわしの大群を狙うマグロの大軍団の生き生きとしたシーン。

海にゴミを捨てたらダメだよね。(なまこちゃん)

ー動物画家である著者によるウミガメを主人公にした『うみがめぐり』はゴール14の「海の豊かさを守ろう」につながっている物語です。

なまこ:この絵本は絵が本物みたいでかっこいい!ザトウクジラが魚を食べるシーンとか大きな口に魚が吸い込まれていって、すごいんだよ!

美雨:すごくいいよね。絵のタッチが細かくて、うねるように描きこまれているシーンとさらっとラフに描かれているシーンとあって。静かな海、迫力のある海、それぞれの海の感触を感じます。あと、砂浜や海の浅瀬のところにビニール傘だとかペットボトル、空き缶などのゴミがさらりと自然に描きこまれている。ことさら声をあげて「海にゴミを捨ててはいけません!」としてないのがいいなと思いました。

なまこ:でも、海にゴミは捨てちゃダメ。

美雨:そうそう。描いてあるだけで生き物たちにとってとても危ないことが伝わる。それを自然と知ることができるのがいいです。

なまこ:あ、最後のページには図鑑もあるんだね。

美雨:うん、絵本に登場したいきもの図鑑があるのも楽しい。マダコの説明のところに「たこやきの中身」って書いてあって(笑)。いいな、こういうの好きだなと思いました。子どもたちにとっても身近ですよね、「いつも食べてる、たこやきの中身か」って。自分が食べているものが海からやってきて、いずれまた海に還っていく。人間だって、自分だって、そういう生態系の循環の一部なんだって気づけたらいいなと思います。

【GOAL 16】『 ジャーニー 国境をこえて 』 作/フランチェスカ・サンナ  訳/青山真知子

作者がイタリアの難民センターで聞いた、2人の少女の話をきっかけに生まれた絵本。美しいイラストレーションで描かれる物語はファンタジックだが戦争や紛争で住む場所を失うことの痛ましさを伝える。きじとら出版/2,200円
作者がイタリアの難民センターで聞いた、2人の少女の話をきっかけに生まれた絵本。美しいイラストレーションで描かれる物語はファンタジックだが戦争や紛争で住む場所を失うことの痛ましさを伝える。
きじとら出版/2,200円
『ジャーニー 国境をこえて』より。車に荷物を積んで出発するが乗り物を次々と替えて、ついには歩いて家族は国境を目指す。© Flying Eye Books 2016
『ジャーニー 国境をこえて』より。車に荷物を積んで出発するが乗り物を次々と替えて、ついには歩いて家族は国境を目指す。
© Flying Eye Books 2016

ー最後の一冊は『ジャーニー 国境をこえて』。ゴール16にもある平和について考えたい絵本です。

美雨:表紙からとてもかわいい絵本です。でも、物語は深刻で、わたしはこの絵本がとても気に入りました。戦争が起こり、安全でなくなった街から、母親と小さい子どもたちが国境を越える旅に出ます。日本も今、入管法の改正が問題になっていますよね。移民や難民についての問題は、よその国のできごとではないんです。日本に住んでいるとひとごとのようになってしまいがちですが、自分と遠い話と思わずに、自分だったらどうか、と考えながら大人にこそ読んでもらいたいと思う一冊でした。

なまこ:絵がかわいいんだけど、森の中のシーンはちょっと怖いね。

美雨:本当、怖いよね。忙しい日々に追われていると、戦争とは、平和とは、と子どもと話し合う時間なんてなかなか持てないものです。絵本をきっかけに家族みんなで話し合ってみるのもいいと思います。絵本の中には、当たり前のことがたくさん描かれていると思うんです。自然は美しい、平和が大事、生きるって楽しい。そういう当たり前を今の世の中ってどこか置き去りにしてしまっていると思います。当たり前にあっていい世界をもっと大事にするためにも、子どもたちと一緒に絵本でいろんなことを知って学んでいきたい。それで、そうだよね、世界は素晴らしいんだよねっていい方向に物事を変えていけたらいいと思います。

読み終わってからも続く、絵本の循環の旅。

本だった ノート リサイクル

読み手が見つからない本も捨てない取り組みも。

再生紙ノート
本としての役割を終えた文庫や漫画、雑誌をアップサイクルする再生紙ノート「本だった」シリーズも。公式サイトなどを中心に販売。

チャリボン
寄付者から集めた本の査定分の金額を、NPOや学校、自治体の活動資金として寄付するプロジェクト。現在、約200の団体が参加。

ブックギフト
古紙回収に回されるはずだった「捨てたくない本」を学校や病院などの施設に寄贈。災害に見舞われた各地の支援に活用されることも。

photo : Kosuke Mae styling : Shuichi Ishibashi hair & make : Kanako Hoshino text & edit : Kana Umehara
坂本美雨さん・ワンピース47,300円(Velnica. TEL:03-6323-9908)/ネックレス132,000円、リング94,600円(共にMARIHA TEL:03-6459-2829)/ピアス参考商品(agnès b. TEL:03-4355-0110) なまこちゃん・ワンピース15,400円、カーディガン11,000円、ネックレス参考商品(全てagnès b.)/ブレスレットはスタイリスト私物

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