【SDGs A to Z】SDGsの17の目標を、改めて知る。 SUSTAINABLE 2023.06.01

新生活が落ち着いた今、より心地よく暮らすためにはどうしたらいいか、考えてみる。

たとえば朝にパンを買うときフードロスに配慮したパンを手に取ってみる。友達の誕生日プレゼントを買うときリサイクルリネンのハンカチを選ぶ。アクセサリーを買いたいと思ったとき親からもらった古いアイテムをリペアに出してみる。

そして、周りを見渡してみると。働くこと、誰かと話すこと、自然を身近に感じること…。ちょっと意識を変えるだけで、地球、そしてあなた自身が今よりもよくなることがたくさんある。

自分にとっての心地よさが、誰かにとっての心地よさにもつながる。そんなアイデアやヒントを集めました。自分のできることから、無理なく変えてみる。みんながうれしくなる新しい暮らし、はじめませんか。

1. 貧困をなくそう

SDGs 目標 貧困

途上国、先進国関係なく、あらゆる種類の貧困をなくす。

世界中に1日1.9ドル未満で生活している人は7億人以上。健康に生きていくために必要な食べ物や水が足りないのはもちろん、医療や教育を受ける余裕はない。また、生きていくのに必要な最低限のお金がない「絶対的貧困」と、その国の平均水準より低い収入で生活せざるを得ない「相対的貧困」の2種類がある。

2. 飢餓をゼロに

SDGs 目標 飢餓

食料の安定確保や栄養状態の改善はもちろん、持続可能な農業も推進。

飢餓に苦しむ人は地球上におよそ8億人もいる。とくに、アジアやアフリカなどの途上国では満足に食べられず、栄養不良から命を落とす子どもや健康に生きられない大人がたくさん。飢餓をなくすための食料生産システムを確保し、その土地の生態系や気候に配慮した持続可能な農業をつくり出すのが急務。

3. すべての人に健康と福祉を

SDGs 目標 健康

予防や治療が可能な病気や事故を減らすなど、すべての人に健康的な生活を確保。

妊産婦、新生児の死亡率を下げる、感染症に立ち向かい根絶する、薬物乱用やアルコール依存の防止や予防、道路交通事故による死傷者数を減らす、性と生殖に関する健康を国家戦略や計画に組み入れる、すべての人々が適切な医療を受けられる環境をつくる、など健康的に生きるためのあらゆる施策が求められる。

4. 質の高い教育をみんなに

SDGs 目標 教育

すべての人に質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進。

読み書きができない15歳以上の人は世界に7億人も。そのおよそ3分の2が女性だ。質の高い教育は、人々の生活改善と持続可能な開発の基盤になる。すべての子どもが男女の区別なく平等に、自由で公平で質の高い初等教育や中等教育、技術教育や職業教育を受けられる機会を増やしていかねばならない。

5. ジェンダー平等を実現しよう

SDGs 目標 ジェンダー

「性のあり方」を理由に差別や不利益を受けることのない世界に。

女の子だからというだけで学校に行けない、幼くして結婚させられる、人身売買や性的搾取、日常的な暴力など途上国で見られる深刻な例はもちろん、先進国においても雇用や給与、家事分担、社会の意思決定への参加など、あらゆるシーンで女性差別が。人口の半分が能力を活かせずして社会の発展は期待できない。

6. 安全な水とトイレを世界中に

SDGs 目標 水

管理された安全な飲み水のためのインフラ整備と環境への取り組み。

世界には管理された安全な飲み水をすぐに入手できない人が21億人以上も。また人や家畜の糞便や工業排水などが流れ込んだ川や湖の水、土壌が汚染された地下水を飲んで命を落とす子どもは年間150万人にのぼる。上下水処理や再利用などのインフラ整備ときれいな淡水をつくり出すための自然環境の保護・回復が必要。

7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに

SDGs 目標 エネルギー

エネルギーを効率的に使い、再生可能で安価なエネルギーを増やす。

12億人をこえる人々が電気を使えない暮らしをしている。一方で、エネルギーの多くは石油や天然ガスなど有限で温室効果ガスを排出する資源から生み出されているため、使う人が増えるほど気候変動が深刻化する恐れも。つくったエネルギーをより効率的に使うこと、再生可能で安価なエネルギー開発が望まれる。

8. 働きがいも 経済成長も

SDGs-目標-働く

すべての人が搾取されることなく働きがいを持って仕事ができる社会へ。

途上国では失業率の高さや児童労働が大きな問題。まるで奴隷のように売買されてしまうことも。先進国では、働きすぎによる過労死、女性や障がい者、移民など立場の弱い人が雇用や賃金、労働環境などで不利を被るなどの問題が。すべての人が働きがいのある人間らしい仕事を得られる社会に変えていくことが課題。

9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

SDGs-目標-産業

復旧性の高い安定したインフラ整備とサステナブルな産業育成のための技術進化。

経済成長や新たな産業を興すためには、道路や電気、水、インターネットへのアクセスや金融サービスなど社会や経済を支えるインフラ整備が必要。また、何かが起きても早く復旧できるしなやかなインフラづくりが求められる。公平に誰でも参入でき、資源を効率的に使う持続可能な産業のためには技術革新が不可欠。

10. 人や国の不平等をなくそう

SDGs-目標-平等

人と人はもちろん、国と国の不平等もなくす。

世界の富の半分以上を1%の富裕層が保持しているといわれる。富の一極集中が続く限り、貧しい人はずっと貧しいまま取り残される。年齢や性別、人種、宗教などに基づく不平等、極端な格差を放置せず、富をうまく再分配する仕組みが必要。国際援助の場面では先進国の発言力が大きくなるなど国家間での不平等も。

11. 住み続けられるまちづくりを

SDGs-目標-まちづくり

ずっと住み続けられるように都市の安全や環境を守っていく。

人口が集中し続ける都市において、住宅不足、建物の老朽化、大気汚染やゴミ問題、格差の拡大、犯罪の増加など、都市特有の問題が多くある。また、都市は災害発生時に被害が大きくなることが多いため、災害防止に努めるとともに、発生しても被害を最小にとどめられるようなしなやかなまちづくりが求められる。

12. つくる責任 つかう責任

SDGs-目標-責任

地球環境を壊さない消費と生産のためのあらゆる活動や技術開発など。

持続可能な生産と消費とは「より少ない材料/原料で、より大きな、より良い製品をつくる」こと。大量のエネルギー資源を使い、大量の食品や工業製品を生産・消費、破棄し続ける現状では、環境破壊は進む一方。具体的な対策には、食品ロスを減らす、廃棄物の削減とリサイクル推進、それを支える技術開発などがある。

13. 気候変動に具体的な対策を

SDGs-目標-環境

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策をとる。

地球温暖化によるといわれる異常気象の影響は甚大。これまでエネルギーを浪費してきた先進国が責任をとって対策するべきではあるが、もはや途上国の協力なしでは間に合わない。対策として、化石燃料の使用をやめて温暖化を抑制する緩和策と、異常気象が引き起こす災害をできる限り小さく抑える適応策の2つがある。

14. 海の豊かさを守ろう

SDGs-目標-海

海と海の資源を守り、持続可能な形で利用する。

人間が出す大量のゴミや排水が海を汚し、生き物を苦しめている海洋汚染問題は、人間の生活にも悪影響を及ぼす。また、今のペースで魚を獲り続けるといずれ獲れなくなるほど減るだろうという漁業の問題も。こちらは厳しく制限するだけでは生活が立ちゆかなくなるため、持続可能な漁業の研究を進めていく必要がある。

15. 陸の豊かさも守ろう

SDGs-目標-陸

陸上の生態系や自然環境を守り、回復させ、共存していく。

産業の発達にともない、森林や山地、湿地、川や湖など多くの自然が失われつつある。人間を含めた生物が地球で長く暮らしていくためには、自然環境と生物の多様性を守っていくことが必要。開発を一切やめて原始の自然に戻そうというのは現実的に無理なので、植林や希少な野生動物の売買禁止など、できることから。

16. 平和と公正をすべての人に

SDGs-目標-公正

誰も置き去りにしない平和な世界のため、あらゆる制度を整備する。

目指すのは「暴力や虐待のない平和な世界、誰もが法によって守られる社会」をつくること。途上国でも先進国でも、汚職のない政治、年齢や性別や障がいの有無にかかわらず誰もが政治に参加できる仕組み、国民の「知る権利」や言論の自由など、すべての人を守れる法律や政治の仕組み、公的制度の整備が求められる。

17. パートナーシップで目標を達成しよう

SDGs-目標-パートナーシップ

目標達成のために、あらゆる立場の国や人が参加し協力し合う。

目標達成のためには、それぞれの国が国内の努力で実現するだけでなく、先進国が途上国へ資金や技術を支援するなど、国と国、企業と個人、消費者、投資家、研究者など、さまざまな立場の関係者が、さまざまな国から対等に参加することが大切。一緒に取り組むことで何ができるかが明確になり、変革への大きな力となる。

参考文献:『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』(Think the Earth 編著/紀伊國屋書店)
監修/蟹江憲史

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