〈一保堂茶舗 東京丸の内店〉で聞いた、
さらにおいしくなる煎茶の淹れ方。 LEARN 2023.05.17

自分で淹れたお茶を楽しみたいけれど、茶葉の選び方や手順を詳しく知らないことも。創業300年の歴史を誇る〈一保堂茶舗〉で、おいしい煎茶の淹れ方を教えてもらいました。

京都本店の外壁と同じ墨色の漆喰壁がモダンな印象。売り場右手にはカウンターとテーブル席を備えた喫茶室〈嘉木(かぼく)〉が。
京都本店の外壁と同じ墨色の漆喰壁がモダンな印象。売り場右手にはカウンターとテーブル席を備えた喫茶室〈嘉木(かぼく)〉が。

急須で淹れるお茶の味わいはやはり格別。日常のなかにゆっくりと自分で淹れたお茶を楽しむ時間を持てたら、と思う人も多いはず。京都で創業して300年。東京・丸の内にも支店を持つ〈一保堂茶舗〉で、おいしいお茶を淹れるコツについて聞いてみた。
 
日本茶にはたっぷりの太陽を浴びて育った爽やかな味わいの煎茶や焙煎をするほうじ茶、太陽を遮断した環境で育った茶葉を石臼で挽く抹茶など、さまざまな種類があるが、日本人に一番よく飲まれているのが煎茶。おだやかな甘みと渋みのバランスを楽しむ“入門編”ともいえるお茶をおいしく淹れるには、まず茶葉の量をたっぷりと使うことが大切。〈一保堂〉では、大さじ2杯程度の茶葉を使うことをおすすめしている。そして、お湯の温度と茶葉を浸しておく時間も味に大きな関わりが。お湯の温度が高いほど渋みが強く、低ければ甘みや旨みを感じるため、煎茶の場合は一度、湯呑みに沸騰した湯を注ぎ、それを80度程度に冷ました状態で急須に戻すことで、その風味をより楽しむことができる。茶葉を浸す時間が長いほど味が濃く、短ければすっきりした淡い味わいに。お茶を淹れるための急須も実際に手に取り、自分にとって使い勝手のいいものを選ぶことが大切。なによりもお茶とゆっくり向き合い、楽しむことで、そのおいしさはいっそうふくらむはずだ。

お茶の時間を楽しむために用意するもの。

お茶を淹れる工程もゆっくりと楽しもう。

2煎目以降の楽しみ方|日本茶は基本的に3煎目まで淹れることができる。急須の茶葉はそのままで湯呑みに熱湯を取る工程から始める。

教えてくれたのは

photo : Kenya Abe model : Sayuri Shiratsuchi text : Keiko Kodera

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