聖地に向き合ったとき、人は何を想うのか。 作家・鈴木涼美、長崎の対馬へ。
朝鮮半島に最も近く、古代より大陸文化を伝え、貿易、国防の拠点として重要な役割を果たしてきた対馬。島内の神社は神社庁に登録されているだけで130社。海と山。荒々しい大自然のなか、古事記や日本書紀に記された神々と対馬の伝承に残る神々が交差する。作家・鈴木涼美さんが聖地に赴き、その土地のパワーや“気”を存分に浴びて、生まれてきたものとは。12月26日発売 1217号「開運聖地」特集からお届け。
和多都美神社
対馬の中央に広がる浅茅湾(あそうわん)北西岸の最奥部に鎮座する。拝殿前に並ぶ5つの鳥居のうち2つは海中にあり、潮の満ち引きによって表情を変える(写真2枚目)。裏参道には、もとは禁足地だった豊玉姫の墳墓があり、鳥居をくぐると厳かな雰囲気に包まれる。
住所:長崎県対馬市豊玉町仁位字和宮55 │ 地図
電話番号:0920-58-1488
参拝時間:9:00〜16:00
料金:裏参道の拝観料100円
多久頭魂神社
ふもとにはもともと禁足地だった聖地・八丁郭(はっちょうかく。通称オソロシドコロ)があり、対馬南西部に位置する豆酘(つつ)の人々が神聖視する龍良山(たてらさん)を拝むための遥拝所とされたものが社殿。境内にそびえる「お堂のクス」は樹高約20m。対馬最大の楠と考えられている(写真2枚目)。
住所:長崎県対馬市厳原町豆酘龍良山1250 │ 地図
参拝時間:自由
住吉神社
古くから大陸航路の航海の拠点として知られた美津島町鴨居瀬。「神功皇后が三韓征伐の帰りに、ここに海神を祀り応神天皇を産んだ」という言い伝えが残る。全国にある住吉神社の元祖という説も。神社周辺には美しい紫色のサンゴが育ち、名所「紫の瀬戸」としても知られている。近隣の住吉大橋や赤島大橋からはエメラルドグリーンの海も堪能できる。
住所:長崎県対馬市美津島町鴨居瀬491 │ 地図
参拝時間:自由
胡禄神社
空港から車で約1時間。対馬北東部に位置する琴(きん)にある胡禄御子(ころくみこ)神社の横にある細い山道を800m登った先にある。海を見下ろす急な階段の先には海に向かった鳥居がそびえ立ち、対馬の原始的な海神信仰の雰囲気を存分に感じることができる。御神体は海神の祭日である3月3日に、巫女が磯ですくい上げた金色の小蛇とされている。
住所:長崎県対馬市上対馬町琴1 │ 地図
参拝時間:自由