娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 蒲田の名店〈鳥からあげ うえ山〉と合う日本酒いろいろ~『伊藤家の晩酌』第三十七夜〜 LEARN 2022.10.09

20歳の頃から唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第三十七夜は、伊藤家を飛び出し、お店へ訪問!日本酒好きな店主とともに、おいしいからあげに合う日本酒を探ります!

「いままで食べた中で一番!」と言わしめる、史上最高の砂肝が登場!

特大の砂肝はぷりっぷり&シャキシャキの歯ごたえ。食べたことのないおいしさでオーダー必至!砂肝 350円。
特大の砂肝はぷりっぷり&シャキシャキの歯ごたえ。食べたことのないおいしさでオーダー必至!砂肝 350円。

悟江「次は砂肝です!」
ひいな「めちゃくちゃおいしそう!」
テツヤ「いいねぇ。すごいぷりっぷりだねぇ」
ひいな「すごくきれい」
テツヤ「しかも大きくない?こんな大きな砂肝見たことないよ。処理の仕方なんですか?」
悟江「処理の仕方だと思います。切り方とか」
テツヤ「俺はね、ムネ・モモのセットに匹敵するくらい、砂肝が好きなんだよ。何と合わせようか」
ひいな「どうしようかな?」
テツヤ「また〈うえ山〉さんのおすすめと合わせちゃおうか」
ひいな「『浦霞』の『No.12』を飲んでみたいです!」

宮城県塩竈市にある「佐浦」から、蔵発祥の「きょうかい12号酵母」を使って、新たな酒造りを復活させたもの。バランスがすばらしく安定した間違いないおいしさ。「浦霞 純米吟醸 No.12」1杯900円(うえ山提供価格)/株式会社左浦
宮城県塩竈市にある「佐浦」から、蔵発祥の「きょうかい12号酵母」を使って、新たな酒造りを復活させたもの。バランスがすばらしく安定した間違いないおいしさ。「浦霞 純米吟醸 No.12」1杯900円(うえ山提供価格)/株式会社左浦

テツヤ「砂肝から、いただきます!あぁ〜(言葉を失う)」
ひいな「とってもおいしいです。『浦霞』も、昔ながらの味わいがありながら、やわらかく仕上がってる感じ」
テツヤ「なんかお母さんの好みがわかってきたな」
ひいな「なんか安心しない?」
テツヤ「安心する。『No.12』って特別なお酒なんですか?」
一江「2020年に新しくできたそうなんです(ライター注:昭和40年頃に見つかった浦霞発祥の『きょうかい12号酵母』は、時代を流れのなかで長い間使用されていませんでしたが、半世紀もの時を経て復活させたのだとか!)ほんとに安定したおいしさですよね。バランスが取れていて」
ひいな「今の人に合わせて、昔ながらの味わいを維持しながら変化してきたような」
一江「そうそう、日本酒忘れないみたいな」
ひいな「これこそ、親子で楽しめるんじゃない?」
テツヤ「そうだな、確かに」
一江「ずっと飲んでられますよね」
テツヤ「砂肝ともめっちゃ合う。切り方もそうだし、揚げ方なのかな、ほかのお店で食べる砂肝とぜんぜん違うよね」
悟江「余計なところは切って食べやすくしています」
テツヤ「おかき食べてるような音するよね、カリカリって」
ひいな「『浦霞』も炭酸割りしてみよう」
テツヤ「飲み方が定まってきたね」
ひいな「酸味とシュワシュワがあるとレモンサワー的な感じでいいよね」
テツヤ「お母さんは、〈うえ山〉のメニューで一番好きなのはなんですか?」
一江「砂肝なんです」
テツヤ「おぉ。そうですよねぇ」
ひいな「砂肝って何種類かあるのかな?って思うくらいぜんぜん違う。知ってる砂肝じゃない!」
テツヤ「とりあえず、知ってる砂肝の中で一番うまいな。いま値段見てびっくりしたんだけど、350円なんですか?」
悟江「そうです」
テツヤ「安くない?値段上げたほうがいいですよ(笑)」
悟江「じゃ今度、油が値上がった時に(笑)」
一江「ほら、あんまり高くしてもねぇ」
テツヤ「満足度がすごいよ。お得すぎるなぁ」
悟江「これだけでおなかいっぱいになりますよね」
テツヤ「お母さんは何が一番お好きなんですか?」
一江「ワインが一番好きですかね。ワインは頭が痛くなってもいいかなって(笑)」
テツヤ「でもナチュールだと痛くならないでしょう?」
一江「いや、飲みすぎると痛くなります」
ひいな「結局は、量ですよねぇ(笑)」
一江「ですよねぇ(笑)」

ジューシーなハツもやみつきに。燗酒と合わせることで、さらにうまみが倍増

プリッと揚がったハツはうまみ爆弾!ジューシーなソーセージのよう。うまみが口のなかいっぱいに広がります。ハツ 350円。
プリッと揚がったハツはうまみ爆弾!ジューシーなソーセージのよう。うまみが口のなかいっぱいに広がります。ハツ 350円。

悟江「次いきますね。ハツです!山椒が合いますよ」
一江「たっぷりかけよう!」
ひいな「おいしい〜!むっちゃおいしい〜!」
悟江「なんかウインナーみたいですよね」
テツヤ「たしかに(笑)」
悟江「指の先っぽみたいなかたちしてて」
テツヤ「ほんとだね(笑)。いやぁほんとにうまい。素揚げと日本酒はさ、ほんとに相性がいいんだね」
ひいな「素揚げって、素材のおいしさがダイレクトに伝わってくるよね。このハツのうまみにはお燗を合わせてみたいな」
テツヤ「何度まで上げるの?」
ひいな「45度まで上げたいかな」

ひいな「燗酒できました!」
テツヤ「まずは、燗酒が好きなお母さんに飲んでいただきたい!」

蒲田の名店〈鳥からあげ うえ山〉と合う日本酒いろいろ~『伊藤家の晩酌』第三十七夜〜

一江「こんなにていねいに作っていただいて…」
テツヤ「でもさ、なんで素揚げと燗酒なの?いままで炭酸&氷で冷たくしてたのに」
ひいな「揚げ物のおいしさが増すお酒ってなんだろうって考えた時に燗酒だなって」
テツヤ「あえてのハイボールとかレモンサワーとか、そういう油を流すさっぱり系じゃなくて、近づけるってことなんだね?」
ひいな「そう!限りなく素揚げに近づけたくて」
テツヤ「1+1が3になる感じ?」
ひいな「4とか5かもしれない」
テツヤ「言ったねぇ〜」

蒲田の名店〈鳥からあげ うえ山〉と合う日本酒いろいろ~『伊藤家の晩酌』第三十七夜〜

ひいな「ほんとうにこのお酒おいしいから。『燗左紫』って書いて『かんざし』って読むんですけど、冷やしてもおいしいけどやっぱりお燗にして飲んでいただきたい」
悟江「私もいただきます!」
テツヤ「お父さんも日本酒お好きだった?」
一江「飲んでましたね」
テツヤ「呑兵衛一家だったんですね。うちと一緒じゃないですか(笑)」
一同「乾杯〜!」
一江「いいお酒!」
悟江「う〜ん!!」
ひいな「お口に合いましたか?」
一江「やわらかくて、いいお酒。日本酒のしっかりとした味がしておいしいです」
ひいな「昔ながらな感じがありますよね」
一江「でも、今風なやわらかさも感じられて」
テツヤ「飲んだ後に1〜2歩、歩く感じしない?」
ひいな「どういうこと(笑)?」
テツヤ「口のなかで、飲んだ後に1〜2歩、歩く感じがある」
ひいな「それはきっと、余韻が長いってことなんだと思う」
テツヤ「そうそう、それが俺が言いたかったこと(笑)」
ひいな「燗酒だからかな」
テツヤ「おもしろいね。相当個性的な味わいじゃない?」
ひいな「うん、個性的だと思う。だけど個性が爆発してない感じ?」

パリッとスナックのように食べられる。皮 350円。
パリッとスナックのように食べられる。皮 350円。

悟江「続いて、皮です。そのままでも」
テツヤ「あぁ、うまいね。このお酒、なんか香ばしいっていうか、香りがカカオっぽい?よくこのお酒を素揚げと合わせようと思ったよね、さすがだよ!」
ひいな「このお酒を初めて飲んだ時、すごく炭火焼と合うなと思って」
テツヤ「炭火焼かぁ、なるほど」
ひいな「お肉と合うなって思ったんだけど、衣がついた揚げ物じゃなくて、軽い揚げ物、素材を楽しむ感じがきっと合うなと思って」
一江「このお酒はおいくらですか?」
ひいな「1,347円ですね」
一江「今度、入れてみようかしら」
テツヤ「いいですねぇ」
一江「これすごくおいしい。燗酒でおいしいお酒大好きです。冷やでもいただいていいですか」
テツヤ「これ、冷やで飲んでもおいしいよ。栗っぽさがあるというか」
ひいな「こっくりしてるよね。燗酒向きのお酒ではあるけど、冷やしてもおいしい」
一江「ちょっとぬる燗もおいしいですね」
ひいな「ぬる燗って、やわらかく広がる感じがしますよね」
一江「そう。燗酒にするとおいしさが倍増しますよね。お燗したのは冷めても甘さが残ってるというか」
ひいな「最初に飲んだ時の甘さとは違いますよね」
一江「このまま飲むのと燗冷ましで飲むのとでは甘みが違うんですよね。燗冷ましもおいしいです」
ひいな「お母さん、ほんとうにお酒が大好きなんですね。日本酒ってゆっくり飲めるのがいいですよね。温かいうちに飲むのもおいしいけど。冷めていくのもいい」

Videos

Pick Up