娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 【日本酒】ロックで、ソーダ割りで!キンキンに冷やして飲みたい夏酒3本~『伊藤家の晩酌』第三十四夜〜
20歳の頃から唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第三十四夜は、暑い夏を冷やしてくれる、氷を入れてひんやりおいしい夏酒をご紹介。
3本目は、ソーダ割でさわやかに、ゴクゴク飲める「菱湖 純米大吟醸 なつのさけ」
ひいな「もう一本は『菱湖』。“りょうこ”と読みます。今回、私もさっきの『蝉しぐれ』と『菱湖』を飲んで衝撃を受けたので」
テツヤ「これはソーダ割だな?」
ひいな「そう。これは新潟のお酒です。新潟で昔、淡麗辛口ブームがあったんだけど、そのうちのひとつが『峰乃白梅(みねのはくばい)』だったのね。そんな淡麗辛口を代表する『峰乃白梅』が、芳醇旨口にフォーカスをあてた1本です」
テツヤ「つまり、辛口からの脱却?」
ひいな「別ブランドを立ち上げたの」
テツヤ「三大辛口のあとの2つはどこなんだろう?」
ひいな「『越乃寒梅』『雪中梅』『峰乃白梅』」
テツヤ「みんな梅がつくんだな」
ひいな「『菱湖』は芳醇旨口を目指してブランドを立ち上げて、夏の酒として出したのがこれ。純米大吟醸の火入れをしてあるから生酒ではないんだけど原酒です」
テツヤ「濃そう?」
ひいな「度数は16度かな」
テツヤ「お酒を注いでからソーダで割るんだな?」
ひいな「割合はお酒2:ソーダ1でまずは飲んでみて」
テツヤ「さぁ、どうかなぁ?」
ひいな「さっきヒットだったからね」
テツヤ「でも見た目がもうおいしそう!シュワシュワ」
テツヤ&ひいな「いただきます!」
テツヤ「うん!?もうちょっとお酒入れてみようかな」
ひいな「お好きな割合でどうぞ!」
テツヤ「俺はお酒3:ソーダ1でもいいかな」
ひいな「2:1だとゴクゴク飲めちゃう感じかな」
テツヤ「確かにゴクゴクいっちゃうね、これは」
ひいな「夏にぴったりでしょう?」
テツヤ「いやぁ、最高でしょう。夏は氷を入れていいんだな。どんどん氷入れて飲もう。うまいよ、いいよ、これ!」
ひいな「ゴクゴクいっちゃうよねぇ」
テツヤ「ちゃんと米感も感じるし。氷やソーダを加えても失われないのがすごいよね」
ひいな「ね!」
テツヤ「焼酎の炭酸割りとはぜんぜん違う感じ。やっぱり日本酒なんだな」
ひいな「ソーダで割ることで飲み口がやさしくなるよね」
テツヤ「日本酒の流儀とかはもうとっぱらっちゃってさ、おいしく飲めたらいいよね」
ひいな「自由にいろんな飲み方をしてみて、おいしいのを自分で見つけるのも楽しいよね」
テツヤ「もっと自由に飲んでいいんだって思ってもらえたらいいよなぁ」
ひいな「このソーダ割り、なんか食欲増すよね。食中酒にぴったり」
テツヤ「おなかすいたなぁ」
ひいな「おつまみ持ってきます〜!」
夏酒に合わせるのは、夏野菜をたっぷり使った、さっぱりとしたおつまみ!
ひいな「今回は夏野菜をたっぷりと使ってみました!トウモロコシとオクラのカレー炒め、キュウリ、ミョウガ、パプリカ、タマネギを細かく刻んでトマトにかけて、薄切りにしたセロリとささみを大葉とレモンで和えてさっぱりと。体の内側から涼しくね」
テツヤ「わぁ、どれもめっちゃおいしそう!」
ひいな「トウモロコシとオクラのカレー炒めは野口真紀さんのレシピなんだけど、『百十郎』と合うんじゃないかなと思って」
テツヤ「味付けはカレー粉だけ?」
ひいな「ショウガとニンニクがたっぷり入ってます!」
テツヤ「うん、いい味出してる!」
ひいな「『百十郎』はしっかりとした味つけにも合うと思う。蔵元さんのオススメの食べ物も、タコス、タンドリーチキン、焼肉って書いてあって」
テツヤ「がっつりと濃い味つけのものばっかりだね。ピリ辛にも合いそう」
テツヤ「カレー粉の香りがふわ〜っと広がるね。先に食べてからお酒飲んじゃうと、お酒がちょっと負けちゃうんだけど、最初に飲むと受け止めてくれる感じがするというか」
ひいな「お酒の甘さがトウモロコシに引き継がれる感じがする」
テツヤ「カレー粉と日本酒ってなかなかない組み合わせだけど、うまいよ」
ひいな「勇気いるよね」
テツヤ「めっちゃうまいよ。スパイスと日本酒ってやっぱりすごく合うね」
ひいな「セロリとトマトは『亀の海』と『菱湖』に合わせたい感じ」
テツヤ「うんまい!」
ひいな「トマトは、オリーブオイルと醤油ベースのドレッシングでみじん切りにした夏野菜と和えて、トマトにかけました」
テツヤ「めっちゃ好き。これ」
ひいな「セロリはレモンを1個分まるっと搾ってかけたから、この酸味と日本酒がすごく合うと思う」
テツヤ「うん、どのお酒とも合うよ!」
ひいな「いいよね、夏酒に夏野菜のおつまみ。簡単だし」
テツヤ「え、簡単なの?」
ひいな「うん。刻んで和えたり、炒めただけだよ」
テツヤ「そうなんだ。これはいい!ロックで暑い夜を涼しくしたいね」
ひいな「夏の日本酒はロックで!」
テツヤ「秋になればさ、またこっくりとしたの飲みたくなるだろうし」
ひいな「季節に合わせた飲み方で、1年中飲んでほしいね」
【ひいなのつぶやき】
ロックやソーダ割りにしてもおいしい日本酒は、他にもたくさんあります!今年の暑い夏は、涼しげな日本酒アレンジで乗り越えましょう!
★ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
photo:Wataru Kitao illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita