手前左からアイムドーナツ?205円、チョコレート302円、レモン280円、奥左からプロシュート421円、フランボワーズ421円。
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まだ見ぬパン屋さんへ。 次の話題はドーナツだ。中目黒〈I’m donut?〉&目黒〈bagel standard〉へ。 Learn 2022.07.16

パンラボ・池田浩明さんによる、Hanako本誌連載「まだ見ぬパン屋さんへ。」を掲載。 人気に応えて増ページ、今回からパワーアップしたこの連載。リニューアル第一回は、話題店が相次ぎオープンしてますます注目のエリア「中目黒」。今年オープンの最新店舗を紹介!

“生”食感ドーナツ、中目黒に大行列出来!〈I'm donut?〉

店舗外観。注文用紙に記入、この窓口でお会計する。
店舗外観。注文用紙に記入、この窓口でお会計する。
スタイリスト・大森伃佑子(おおもりようこ)さんと作った制服。
スタイリスト・大森伃佑子(おおもりようこ)さんと作った制服。

昨年開店の〈アマムダコタン〉で表参道に大行列を出現させた平子良太シェフが、早くもオープンさせた1軒目はドーナツ店。
「おいしいドーナツができたんで店を出しました」
あまりにも新食感すぎて「僕ってドーナツなの?」ってドーナツが自問自答している...という愉快なストーリー。あの平子さんが仕掛けているだけに、どれだけ新食感? と期待値も高く、中目黒駅前に長蛇の列ができている。

手前左からアイムドーナツ?205円、チョコレート302円、レモン280円、奥左からプロシュート421円、フランボワーズ421円。
手前左からアイムドーナツ?205円、チョコレート302円、レモン280円、奥左からプロシュート421円、フランボワーズ421円。

平子さんが「生ドーナツ」と呼ぶ自信作、店名と同じ名をつけた「アイムドーナツ?」。歯切れはぱつーんと一気。千切れたが最後とろーんと正体不明となり、あっというまにクリームに化け、蒸発する。いうなれば固形と液体の中間物体、あるいは揚げクリーム。温度管理に細心の注意を払う。高加水の生地を高温の油で一気に揚げる。油っぽさがないのは、常温では固形のショートニングを揚げ油として使うから。パンの常識にとらわれないさまざまなアイデアの積み重ねが〝生〞食感を生みだしたのだ。

平子良太シェフ。福岡で創業したパスタの店で名を上げ、ベーカリーも成功。東京では〈アマムダコタン〉に次ぐ2軒目。
平子良太シェフ。福岡で創業したパスタの店で名を上げ、ベーカリーも成功。東京では〈アマムダコタン〉に次ぐ2軒目。

「ドーナツは普通のパンよりもっと むずかしいです」
開店後も試作を重ね、もっともっ とおいしくすることに余念がない。もちろん、クリームだけでなく、 レモンピールなどすべてを手作りするスタイルは、〈アマムダコタン〉 のみならず、最初の店〈パスタ食堂 ヒラコンシェ〉から一貫。料理を愛し、パンを愛し、インテリアや服を愛し、ときには店の壁も自分で塗る。 徹頭徹尾ものづくりを愛する姿勢は変わることがない。

〈I'm donut?〉(アイム ドーナツ)

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「生ドーナツ」と呼ぶ、新食感が大人気。テイクアウトのみだが、隣の〈スターバックスコーヒー〉に持ち込み可能。全8種類。
■東京都目黒区上目黒1-22-10
■10:00〜20:00 不定休

NYで食べたあの味が。 心に残るベーグル〈bagel standard〉。

上から目黒〈玉川屋〉のあんこを使用した、プレーン×さくらあんこクリームチーズ460円(季節限定)、プレーン×スモークサーモンクリームチーズ520円、プレーン×紅茶チェリー360円。
上から目黒〈玉川屋〉のあんこを使用した、プレーン×さくらあんこクリームチーズ460円(季節限定)、プレーン×スモークサーモンクリームチーズ520円、プレーン×紅茶チェリー360円。

今年1月、山手通り沿いに移転。〝スタンダード〞なベーグルに行列が。ぐにーっと沈む。沈みきったところで、ほわっと裂け目が生まれ、ぱつんと心地よくちぎれる。弾力は十分。それでいて、歯切れよく、サンドにしても食べやすい食感こそ、NYのスタンダードだ。

オーナーの国分誠司さん。自ら厨房に立つ。
オーナーの国分誠司さん。自ら厨房に立つ。
製造風景。午後も次々とベーグルが焼き上がる。
製造風景。午後も次々とベーグルが焼き上がる。
ベリーベリー300円、エブリシング300円、ポピーシード270円。カゴに入れられているのもNYっぽい。
ベリーベリー300円、エブリシング300円、ポピーシード270円。カゴに入れられているのもNYっぽい。

国分誠司さんは3代目オーナー。先代の時代に同店で修業、製法を完全習得した。私が食べても、以前と変わらない。いや、さらにやさしめの食感になったように思える。国分さんは、ガーデンデザイナーとの二 足の草鞋(わらじ)を履く。昼は花を植え、夜はベーグルを作る。
「庭づくりをしているとお花の声が聞こえる気がするんです。たとえば、水をあげると、だんだん植物の声が聞こえてきます。植え替えると、樹木がよろこぶのがわかる。ベーグルも似ています」
発酵も、毎日酵母と対話するように、手間と時間をかける。仕事の合間、毎日食べるのに、それでも「おいしい」と思えるというのは〝スタンダード〞だからなのだろう。
「ユダヤの人が昔から食べてきた大切なもの。だから、ベーグルはベーグルじゃなきゃいけない。ずっと作りつづけたいと思います」

〈bagel standard〉(ベーグルスタンダード)

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NYにあるような、普通のベーグルを再現。オーガニックなど材料にもこだわり。山手通りに面した窓口から販売。
■東京都目黒区目黒3-8-6
■03-5938-0764
■11:00〜17:00 月火休

Navigator…池田浩明(いけだ・ひろあき)

「パンラボ」を主宰しながら、ブレッドギークとして、日本全国のパン屋さんを巡り情報を発信する。いち早く国産小麦にも注目し、日本のパンの未来をみつめる。

■パンラボblog:panlabo.jugem.jp

(Hanako1208号掲載/photo:Kenya Abe text:Hiroaki Ikeda)

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