あの店が銀座を選んだ理由。 銀座に2年限定で誕生したカウンターフレンチ〈Les Bras〉。和歌山の名店出身の人が生み出す、“銀座の一皿”。 LEARN 2022.03.30

地方や海外から多くの話題店が集まり、今も昔も名店ひしめく東京屈指の街・銀座。実力者たちがこの地を選ぶ理由とは…?注目の5軒のストーリーから、作り手を魅了し続ける銀座の“きらめき”を探ります。今回は「あの店が銀座を選んだ理由。」より、〈Les Bras(レ ブラ)〉をご紹介します。3月28日(月)発売Hanako1207号「大銀座こそナンバーワン!」よりお届け。

〈Les Bras (レ ブラ) 〉

昨秋、ネオン瞬く歓楽街の飲食ビルに、2年限定で誕生したカウンターフレンチ。和歌山の名店出身の人が生み出す、“銀座の一皿”とは?

和歌山で出会った井上真介シェフ(右)と岡村隆明シェフ(左)。
和歌山で出会った井上真介シェフ(右)と岡村隆明シェフ(左)。

多くの飲食店が入店する銀座7丁目のニューギンザビル8号館で、密やかに営業する〈レ ブラ〉。“Wシェフ”体制で厨房に立つのは、井上真介さんと岡村隆明さんだ。ともに国内やフランスのグランメゾンでフレンチの礎を身につけた実力派だが、2人の「味」の基盤は和歌山の名店〈オテル・ド・ヨシノ〉にある。手島純也料理長のもと、歴代のスーシェフを務めた間柄なのだ。井上シェフがこの物件と出会ったことを機に、繊細で丁寧な仕事ぶりに信頼を置く岡村シェフに声をかけ、2年の期間を設けてタッグを組んだ。

「和歌山の手島シェフをリスペクトしつつ、銀座という街に合った僕たちの料理のスタイルを作れたら」と井上シェフ。そして岡村シェフも「近くに〈エスキス〉のような憧れの店があることは、将来自分が出す店を考える上で刺激になる」と熱く語る。

この街らしい艶っぽく美しい一皿を作れたら。   

料理は8皿ほどのおまかせコースで、岡村シェフは主に調理を、井上シェフはワインの的確な見立てとトークを担当。お客の“食の経験値”を察知し、飲みたいワインに合わせてソースを微調整する柔軟さも頼もしい。歓楽街の“秘密基地”というべき店で、2人がどんな化学反応を起こしていくのか、楽しみだ。

福岡県産あまおうのムースグラッセ。真紅が映える梅本勇氏の皿で。鮮やかな酸味にエストラゴンの香りと甘酒のグラニテが調和する。
福岡県産あまおうのムースグラッセ。真紅が映える梅本勇氏の皿で。鮮やかな酸味にエストラゴンの香りと甘酒のグラニテが調和する。

〈Les Bras(レ ブラ)〉

2021年9月28日オープン。メニューはおまかせコース約8皿16,000円。コースの相談も可能(要予約)。ワインはグラス1,800円~、ボトル10,000円~。
■東京都中央区銀座7-5-12ニューギンザビル8号館3F
■03-3289-9666
■17:30~20:00LO 日休、月不定休8席

(Hanako1207号掲載/photo : MEGUMI, Kiichi Fukuda text : Yoko Fujimori)

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