東京喫茶店研究所二代目所長・難波里奈さんがナビゲート。 今、行っておきたい、文化遺産的喫茶店。#4
そこに身を委ねる幸せ。素敵なレトロ空間へ。
FOOD 2023.05.27
次々と消えつつある、古き良き昭和の純喫茶。店が紡いできた歴史と物語、人々の想いこそ、「文化遺産」そのものだ。そこで東京喫茶店研究所二代目所長・難波里奈さんが、喫茶店ラヴァーにはおなじみのお店、ビギナーも存分に楽しめるお店を厳選。「創業者の想いは、コーヒーやフードにとどまりません。“映え”という言葉の登場前からフォトジェニックだった昭和のハイカラな空間は、喫茶店の原風景を教えてくれます」
1.〈珈琲専門館 伯爵 巣鴨店〉
池袋にも姉妹店を構える〈伯爵〉。巣鴨店は広々とした店内にそれぞれ色や形の違うテーブルがあり、訪れるシーンによって座る席も選んでみたい。天井に輝く色彩豊かなステンドグラスの反射を浮かばせ、朝のコーヒーを飲むのも格別。
2.〈純喫茶モデル〉
壁やフロアに積まれたレンガに、日差しがふりそそぐ大きな窓と山吹色のシート。横浜の象徴を集めたように、空間のどこを切り取っても創業を始めた1970年代の雰囲気はそのまま。母から子へ、2代にわたって受け継がれている。
3.〈喫茶 古城〉
欧州に強い憧れがあった先代が作りあげた店は、神々しく光を放つ大きなステンドグラスに特注でデザインしたシャンデリアや床…と、まさに宮殿そのもの。地下を感じさせない、高い天井にも注目。
4.〈欧風菓子 白鳥〉
喫茶室のある洋菓子店として1966年に創業。地元の人を中心にオープンからにぎわいをみせる店内は、初代店主が好きだった緑色がちりばめられ、深緑のシートと壁のタイルのコントラストに惚れ惚れするファンも多い。