若山曜子さんに聞いた、繰り返し作るいつものレシピ。身近な材料でなるべくシンプルに、おいしくセンス良く。 FOOD 2022.12.09

「料理を好きになったきっかけ」を教えてくれた6人のプロたちに、「お仕事抜きで作る料理って、何ですか」と尋ね、レシピをお聞きしました。6人6様のマイレシピは、永久保存版のおいしさ。今回は若山曜子さんから教わる、身近な材料でなるべくシンプルに、おいしくセンス良く作れるレシピを紹介。11月28日(月)発売 1215号の「料理が好きになるレシピ85。」特集よりお届けします。

1.自分のための簡単レシピ「カリフラワーとブリーチーズのリゾット」「かぶと生ハムのリゾット」

ひとりごはんのときや、時間がない、ご飯のストックがない…。そんなときに若山さんがよく作るのは、リゾット。フライパンひとつで分ほどでできあがり。
「浸水不要だからご飯を炊くより早く、野菜のうまみをたっぷり含んだシンプルで優しい味です。冷蔵庫に残った野菜やお肉を入れても作れます」

●カリフラワーとブリーチーズのリゾット
〈材料〉2〜3人分
米…1合(180㎖)
カリフラワー(小房に分ける)…小1株(正味250g)
玉ねぎ(みじん切り)…1/4個
ブリーチーズ…120g
白ワイン…1/4カップ
湯…3カップ
塩…小さじ1/3
バター…大さじ1
黒こしょう…少々
タイム(あれば)…1本
パルメザンチーズ(あれば)…20g

〈作り方〉
1. フライパンにバターを熱し、玉ねぎを中火で透き通るまで炒め、米を加えてさっと炒めて塩をふる。カリフラワーを加え、さっと炒める。
2. 白ワインを加え、汁けがなくなるまで煮立たせる。
3. 湯2カップ(カリフラワーの頭が出るようなら少し足す)を加えてひと混ぜし、あればタイムを入れ、中火で沸騰している状態をキープしながら、ふたはしないで混ぜずに10分ほど煮る。
4. 汁けがなくなったら残りの湯を加え、汁けがなくなるまで5分ほど煮て火を止める。
5. ブリーチーズをちぎって加え混ぜ、塩(分量外)で味を調える。器に盛って黒こしょうをかけ、あればパルメザンチーズをすりおろす。

POINT:チーズは余熱で少しとろけさせて。大きめにちぎった方が食べ応えがあっておいしい。
POINT:チーズは余熱で少しとろけさせて。大きめにちぎった方が食べ応えがあっておいしい。

●かぶと生ハムのリゾット
〈材料〉2〜3人分
米…1合(180㎖)
玉ねぎ(みじん切り)…1/4個
にんにく(みじん切り)…1片
かぶ(小さめのひと口大に切る)…小4個
生ハム…5〜6枚
パルメザンチーズ…40g
白ワイン…1/4カップ
湯…3カップ
ローリエ…1枚(またはパセリの茎2〜3本、セロリの葉1〜2枚など)
塩…小さじ1/3
オリーブオイル…大さじ1
黒こしょう…少々

〈作り方〉
1. フライパンにオリーブオイル、玉ねぎ、にんにくを入れて中火にかけ、木べらで混ぜながら玉ねぎが透き通るまで炒める。
2. 米を洗わずに加え、中火で油が回るまでさっと炒め、塩をふる。かぶを加えてさっと炒める。
3. ローリエと白ワインを加え、汁けがなくなるまで煮立たせる。
4. 湯2カップを加えてひと混ぜし、中火で沸騰している状態をキープしながら、ふたはしないで混ぜずに煮る。
5. 10分ほど煮て汁けがなくなったら、残りの湯1カップを加えてひと混ぜし、沸騰状態のまま混ぜずに煮る。5分ほど煮て汁けがなくなったら火を止める。
6. パルメザンチーズを加えて全体に混ぜ、味を見て塩(分量外)で調える。器に盛り、黒こしょうをかけて生ハムをのせる。

POINT:湯を2回に分けて入れ、混ぜずに煮ることで米から粘りが出にくく、ドロドロにならない。
POINT:湯を2回に分けて入れ、混ぜずに煮ることで米から粘りが出にくく、ドロドロにならない。

2.不調のときの養生レシピ「パンのスープ」「甘酒」

風邪を引いたり食べ過ぎた翌日は、スープや甘酒を食事代わりにするのが若山さん流。
「スープにはバゲットを入れてスペイン風に。満足感があり、かつ体がぽかぽかに。栄養豊富で消化を助ける甘酒は、おろし生姜や豆乳を加えるのもおすすめです」

●パンのスープ
〈材料〉2人分
バゲット…2切れ
にんにく…1片
オリーブオイル…大さじ1
ブイヨン(コンソメ)…2カップ

〈作り方〉
1. 鍋につぶしたにんにくとオリーブオイルを入れ、弱火にかける。
2. にんにくの香りがたってきたらバゲットを入れ、火を強めて表面をこんがり焼く。
3. ブイヨンスープを注ぎ、ひと煮立ちしたらできあがり。好みでトマトや卵を入れてもよい。

POINT:バゲットは焼いてコクを出す。スープを吸って柔らかくなるのでカチカチのバゲットでも。
POINT:バゲットは焼いてコクを出す。スープを吸って柔らかくなるのでカチカチのバゲットでも。

●甘酒
〈材料〉作りやすい分量
米…1/2合(90㎖)
米麹(生)…300g

〈作り方〉
1. 米を研いで鍋に入れ、水4カップを加えて40分ほど弱火で煮てお粥を作る。
2. 水を1カップほど加えて温度を60度まで下げ、米麹を入れる。
3. 炊飯器や低温調理器などの保温機能を使って60度で6時間加熱する。

POINT:生の米麹は発酵力が強く、甘めの仕上がりに。「麹はお店によって味が違うのも楽しい」
POINT:生の米麹は発酵力が強く、甘めの仕上がりに。「麹はお店によって味が違うのも楽しい」

3.ストックしたいたれ&ドレッシング「にんにくのオイルコンフィ」「玉ねぎ醤油」

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にんにくのコンフィは、つぶして肉やパンに塗ったり、オイルを炒め油に。玉ねぎ醤油はソースやドレッシングのほか、醤油としても使える万能調味料。
「あると料理の味がぐんと上がります。どちらも日持ちするから余らせる心配もなし。玉ねぎ醤油はチャーハンの味付けに使ってもおいしいです」

●にんにくのオイルコンフィ(左)
〈材料〉作りやすい分量
にんにく…4〜5個
オリーブオイル…1カップ程度
塩…小さじ1
黒こしょう(粒)…少々
タイム、ローリエ…各適宜

〈作り方〉
1. にんにくは1片ずつばらして皮ごと厚手の小鍋に入れる。
2. かぶるくらいのオリーブオイルを注ぎ入れ、塩と黒こしょうを加える。好みでタイムとローリエも加え、ごく弱火で40分ほど煮る。粗熱が取れたらできあがり。
※1カ月を目安に食べ切る。

●玉ねぎ醤油(右)
〈材料〉作りやすい分量
玉ねぎ…1個
みりん…80㎖
醤油…1カップ程度
酢…大さじ2
はちみつ…小さじ1

〈作り方〉
1. みりんを小鍋で熱し、沸騰させる。
2. 1を含むすべての材料をミキサーにかけ、保存瓶に入れる。1日くらい経ったら食べごろ。
※1カ月を目安に食べ切る。

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●にんにくのオイルコンフィのアレンジ料理:ラムチョップソテー
〈材料〉3〜4人分
ラムチョップ…6本
塩…肉の重量の1%
黒こしょう…少々
ローズマリー…1本(タイムでも)
にんにくのオイルコンフィ…適量

〈作り方〉
1. ラムチョップは脂の部分に3〜4カ所切り込みを入れ、塩、黒こしょうをふる。
2. フライパンを中火で熱し、1を入れる。脂身を2、3分しっかり焼き付けたら火を弱めてローズマリーを入れる。片面を2分、あまりいじらないようにして焼いたらひっくり返し、さらに1、2分焼く。
3. 器に盛り、にんにくのオイルコンフィを添える。

POINT:肉を立てて火が通りにくい脂部分から焼き、肉から出た旨みの詰まった脂で全体を焼く。
POINT:肉を立てて火が通りにくい脂部分から焼き、肉から出た旨みの詰まった脂で全体を焼く。
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●玉ねぎ醤油のアレンジ料理:トマトサラダ
〈材料〉2人分
トマト(ミディ)…3〜4個
みょうが(千切りにして酢少々を絡める)…1個
玉ねぎ醤油…大さじ1/2
オリーブオイル…大さじ1
レモン汁…大さじ1
はちみつ…小さじ1/4

〈作り方〉
1. トマトを沸騰した湯の中に15秒ほど入れ、氷水にとり、湯むきする。食べやすい大きさにカットする。
2. 玉ねぎ醤油、オリーブオイル、レモン汁、はちみつを混ぜて、1のトマトに絡める。
3. 器に盛り、みょうがを添える。

POINT:シンプルなサラダのときほど面倒でも湯むきを。ドレッシングがよくなじみ、おいしさUP。
POINT:シンプルなサラダのときほど面倒でも湯むきを。ドレッシングがよくなじみ、おいしさUP。

4.おもてなしレシピ「かきのオイル漬け」「かきと柿とルッコラのサラダ」「ハーブ入り ミートローフと白菜のビネガー煮込み」

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冷めてもおいしいミートローフはパーティに最適で、よく作る料理のひとつ。かきと柿を合わせたサラダも、旬の味でもてなすスペシャルな一皿だ。
「おもてなしの当日は慌ただしくなりがちですが、この品なら大丈夫。かきのオイル漬けは事前に作り、小瓶に詰めて差し上げても喜ばれます」

●かきのオイル漬け
〈材料〉作りやすい分量
かき…15個
にんにく(つぶす)…1片
オイスターソース…小さじ2
バルサミコ酢…小さじ1
サラダ油or太白ごま油…適量

〈作り方〉
1. かきは塩水で洗い、熱したフライパンでじっくり空焼きする。
2. かきから水気が出なくなり、少し焼き目がついたらオイスターソースとバルサミコ酢をまわしかけ、軽く水分を飛ばして火を止める。
3. 保存瓶に2とにんにくを入れ、かきがかぶるまで油を入れてふたを閉める。

POINT:かきは旨みの強い「加熱用」を。漬ける前に焼いて水分を飛ばせば、日持ちもする。
POINT:かきは旨みの強い「加熱用」を。漬ける前に焼いて水分を飛ばせば、日持ちもする。

●かきのオイル漬けのアレンジ料理:かきと柿とルッコラのサラダ
〈材料〉3〜4人分
オイル漬けしたかき…6個
オイル漬けのオイル…大さじ2〜3
柿…1個
ルッコラ…30〜40g

〈作り方〉
1. 皮をむいてひと口大に切った柿とオイル漬けにしたかきを、オイルで和える。
2. 食べやすい長さに切ったルッコラを1と混ぜて器に盛る。好みでレモンを添えても。

●ハーブ入りミートローフと白菜のビネガー煮込み
〈材料〉作りやすい分量
挽き肉(合い挽き)…400g
塩…4g
黒こしょう…少々
パン粉…30g
卵…1個
牛乳…大さじ4
にんにく(みじん切り)…1片
ハーブ各種(ミント、イタリアンパセリ、ディルなど)…合わせて20g
白菜…1/4玉
バター…大さじ1
白ワインビネガー…大さじ1

〈作り方〉
1. ボウルに挽き肉、塩、黒こしょうをよく混ぜ合わせ、さらに卵、牛乳に浸したパン粉を混ぜる。にんにくとハーブを混ぜておいたものを中心に詰めて包み、平たい俵形に成形する。ペタペタと手で押さえ、空気を抜く(時間があれば30分ほど冷やしておくといい)。
2. 白菜は芯を幅2cmくらいの短冊切りに、葉はざく切りにする。厚手の鍋に入れ、塩少々(分量外)をまぶして水分を出す。白ワインビネガーをふり入れてバターをのせてふたをし、10分ほど蒸し煮にする。蒸しあがったら火を止め、ざっと混ぜて蒸らしておく。
3. 1に茶漉しで小麦粉(分量外)を薄くまぶし、薄く油(分量外)をもたせすぎると火が通りにくいので注意。をひいたフライパンに入れて中火にかけ、表面をこん
がり焼く。ひっくり返して2の鍋の真ん中に入れる。ふたをして、弱めの中火で20分蒸し焼きにする。火を止め、10分そのまま休ませる。切って器に並べる。

POINT:器のサイズに合わせて成形するといい。厚みをもたせすぎると火が通りにくいので注意。
POINT:器のサイズに合わせて成形するといい。厚みをもたせすぎると火が通りにくいので注意。
photo:Nao Shimizu styling:Makiko Iwasaki text:Asami Kumasaka

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